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エンターテインメントは不要不急なのか? 三谷幸喜と香取慎吾が今、汗をかいて演劇を魅せる意味(2/3 ページ)

三谷さん「ライブじゃないものの演劇って、演劇的ではあるけど、演劇ではない」。

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香取慎吾、稲垣吾郎とは長い付き合いだからこその独特な距離感

――香取さんが稲垣さんと“俳優”として共演するのは2013年に放送されたフジテレビ開局55周年特別番組「SMAP GO! GO!」内で行われた三谷監督脚本・演出「『古畑 VS SMAP』その後…」以来7年ぶりですよね。

香取慎吾 三谷幸喜 誰かが見ている

香取: (稲垣さんが)こういう作品で初めての現場だからっていうのもあるのかもしれないけど、現場で言われて臨機応変に変えてた。そういう彼のお芝居、俳優としての取り組み方とかも知らないくらいの初めての共演でしたね。

――やりとりのライブ感はありましたか?

香取: うーん。緊張感はありました。

――それは、長い付き合いがゆえの?

香取: いや、結構長い付き合いだったりしても、そういうときには初共演する俳優さんのような感じでお互いに見られる。(付き合いが)長いからといって、「おぉー今日来たんだ吾郎ちゃーん!」なんて会話はしないです。もう入って来たときから、けいこ中から、帰りの「お疲れさま」も言っていないし(笑)。

香取慎吾 三谷幸喜 誰かが見ている
演歌歌手のレッツ大納言を演じた稲垣さん

――“一人の役者”として接していた?

香取: そうですね。後日、他の現場で会ったときに「あんな風に撮ってたんだね?」「そうなんだよ、ああやって撮ってるんだよ」とか、そこでは長い付き合いに戻れて話せたけど。そうやって長い付き合いをやってきた感じ(笑)。

――(笑)。緊張感を持って臨んでいるからこそ、現場での無駄な会話はない?

香取: そうですね。無駄じゃないはずなのに「お疲れー!」くらいは言ってもいいのにそこさえも。そこは、長い付き合いだから言わない、みたいな(笑)。始まりのあいさつをしないのは、逆に気を遣って長い付き合いだからそこはもう省いて。お互い集中したいことに集中しよう。結果、一日一言もしゃべらない。

――劇中、稲垣さんは演歌歌手のレッツ大納言を演じていました。

香取: 演歌歌手ぶりに戸惑ってるなって(笑)。

香取慎吾 三谷幸喜 誰かが見ている

――三谷さんは、香取さんと稲垣さんの芝居のやりとりを見て、相乗効果のような何か感じられたものはありましたか?

三谷: 演者である以前にお客さんとして、2人のファンとして、シットコムのファンとして、すごくうれしかった。最初に、稲垣さんが香取さんの部屋に入ってきた瞬間の高揚感みたいな。お客さんが拍手するんですよ。「そうだよ。シットコムって、これだよ!」という感じがすごくして。

 1951年に米国で放送されたシットコムのドラマ「アイ・ラブ・ルーシー」などを見ると、スペシャルゲストとして本人役で登場することがある。それを思い出して、わくわくしました。「この2人の共演が見られるんだ!」って。

 僕は気が付かなかったけど、戸惑っている稲垣さんを香取さんが好き放題イジるというのが、あうんの呼吸も含めてすごく良いシーン。全8話の中で、僕の中では上位に来る回になりました。

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