飛行機が欠航したので「新幹線」でお願いします――。空港で渡された見慣れないチケット「振替乗車票」に対し「はじめて見た」「こんなのあるんだ」と驚きの声が寄せられていました。
投稿者の浦月なほ(@JASways)さんは、福岡空港から中部国際空港(名古屋)へ向かう飛行機に搭乗しました。しかし、出発直前の機材トラブルにより離陸することなく欠航になってしまったといいます。
そこで発行されたのがこの「振替乗車票」でした。
浦月なほさんは空港カウンターで新幹線への振替乗車票を入手し、飛行機の代わりに名古屋には新幹線で向かうことになりました。この振替乗車票には福岡空港駅〜博多駅の福岡市地下鉄乗車証と、博多駅からのJR線乗車券(今回は名古屋駅までの新幹線乗車券)引換証が記載されていました。
飛行機に乗り慣れている人でも、飛行機の「A320」から新幹線の「N700」への振替乗車票を手にする機会は珍しく、浦月なほさん自身も「あることは知ってたんですが、まさか自身がお世話になるとは……」と驚いた様子でした。
「振替乗車票」って何?
全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)などのフルサービスキャリア(LCCではない、従来型の顧客サービスを提供する航空会社)では、航空会社側の都合で便が遅延、欠航した場合、他社の航空便や他の公共交通機関に振り替えて、便の振り替えに伴う交通費、宿泊費を航空会社が負担する仕組みがあります。
運賃差額の補償や振り替えで発生した交通費、宿泊費は各航空会社が定めた範囲とし、条件や上限は細かく規定されています。
例えば新幹線への振り替えは、出発空港から新幹線出発駅までの在来線、新幹線、新幹線到着駅から到着空港間の移動交通費が対象になります。到着遅延で深夜となり、目的地まで公共交通機関が使えなかった場合のタクシー代なども条件の範囲内で対象になります。
「振替乗車票」は航空会社があらかじめ対象となる振り替えの手段を用意したもの。乗客は別の経路検索で迷ったり、一時支払いや後日精算をしたりする手間が省けます。
なお振替乗車票を入手していないとしても、領収書の掲示により後日清算は可能です。搭乗予定航空券の運賃額より振り替えで発生した運賃額が高ければ「その差額を航空会社が負担」、振り替え運賃額が安ければ「航空券全額払い戻し」といったルールがあります。
一方、格安航空会社(LCC)は運賃を抑える代わりに、こういった補償サービスは設けません。
投稿には「初めて見る」「こんなチケットがあったとは…凄い」「なかなか珍しいことに巡り会いましたね」「大手航空会社ならではの対応」などの驚きや航空ファンの反応がたくさん寄せられました。「JALでも同様の振替乗車票を受けとったことがあるよ」という人もいました。
移動時や旅先で予定外のトラブルにはなるべく遭遇したくないものですが、飛行機に乗るならば知っておきたい貴重な情報でした。浦月なほさんもその後無事に新幹線で名古屋へ到着できたそうでひと安心です。
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