食中毒を引き起こす病原体の擬人化キャラクター「ドクメン8」がTwitterで話題を呼んでいます。サルモネラもノロウイルスもアニサキスもみんな、いろんな意味で危険なイケメンに。
ワイルド系やクール系、インテリなど、多種多様なイケメンがそろった8人衆。ウェルシュ菌は「2日目のカレー」、腸管出血性大腸菌(O157やO111など)は牛レバー、ノロウイルスはカキ、アニサキスはイカといった調子で、それぞれ“お気に入りの潜伏先”を携え、食品に潜む食中毒リスクを体現しています。
なお、そういったトリッキーな設定のアニメやゲームが発表されたわけではなく、ドクメン8は季刊フリーペーパー「ヘルス・グラフィックマガジン Vol.40」の食中毒特集企画。調剤薬局の「アイセイ薬局」がグループ店舗や医療機関などで配布している小冊子で、公式サイトでもデジタル版が無料配信されています。件のページも公開中で、ドクメン拝み放題。
ドクメン8は、薬局で同誌を入手した人のツイートがきっかけで広まり、「めっちゃ読みたい」「全員まとめて消毒したい」「恋わずらいで腹をわずらってしまう」などと話題に。「冊子全体がセンス最高」「通院のたびにもらうのが楽しみ」というファンも多い、ヘルス・グラフィックマガジンはどのように作られているのか、アイセイ薬局に話を聞きました。
―― 食中毒を擬人化するアイデアはどこから生まれましたか
アイセイ薬局 食中毒を起こす病原体は、名前が覚えにくく見た目も似ているので、擬人化してそれぞれの特徴を明確にし、印象を強く残すのが狙いです。あえてイケメンキャラにすることで、読者の皆さんに推しメンを選んでもらったり、楽しく知識を得られるページにしたいと考えました。
―― キャラ作りでこだわった点は?
アイセイ薬局 それぞれキャラの強いドクメンに特徴となるアイテムをからめ、やや上から目線のコメントで個性を際立たせました。危険なのに憎めない、もっと知りたいが遠ざけたい、そんな味わい深いキャラを目指しています。また「ドクメン8」という名前も覚えやすさを意識し、あえて実在のアイドルユニット風に寄せたものです。
―― ネットの反応についてどのように受け止めていますか
アイセイ薬局 正直ここまでの反響は予想していませんでした。表紙のインパクトが話題になることは多いのですが、今回は中面のコンテンツが注目され、詳しく読んでいただくきっかけになりました。中面こそ有益で、かなりこだわって制作しているので、非常にありがたい反響でした。これを機会に過去号なども楽しく読んでいただき、皆さんのセルフケアに役立つことができればうれしいです。
また、リプライでは「ドクメン8のアニメ化希望」といった話題も出ていたので、実現に向けてどなたかぜひご協力お願いします(笑)。
―― 表紙も話題ですが、どのように企画していますか?
アイセイ薬局 社内外のメンバーで編集チームを組成し、発行の4カ月ほど前から本格的に編集会議を積み重ね、表紙案などビジュアルデザインを詰めていきます。表紙は特に幅広くアイデアを検証するので、多いときで100案くらい考えることもあります。
採用する表紙案のポイントは、決まりすぎているビジュアルではなく、ツッコミどころがあったり、いろいろと想像できるものを選びます。実際、話題になる表紙や人気のある表紙は、SNSでもよくツッコまれています。
まず興味を持っていただかないと読まれないので、一般的な医療情報誌や健康情報誌とは一線を画す、インパクトのある表紙を心がけています。
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