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「大江戸線」が東所沢まで伸びる? これは無理……かな?「京葉線の中央線方面延伸計画」月刊乗り鉄話題(2021年9月版) どうなる?東京の地下鉄新路線(3)(3/3 ページ)

どこに、いつできるの?──。実はかなりたくさんある、東京圏の鉄道・地下鉄新路線計画。国交省交通政策審議会の答申や東京都鉄道新線建設等準備基金の対象路線から、ワクワクな新路線計画をひもといていきます。3回目です。

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新木場〜市川塩浜〜津田沼、総武線と京葉線をつなぐ「総武線・京葉線接続新線」

 「総武線・京葉線接続新線」は、京葉線の新木場駅と総武線の津田沼駅を結ぶ新線計画です。

東京 鉄道 新路線
「総武線・京葉線接続新線」計画のルート(地理院地図を加工)

 こちらは、新木場駅から京葉線の市川塩浜駅まで複々線化し、津田沼で総武線とつながるルート。これにより武蔵野線の東京駅方面の列車も増発できるかもしれません。新木場駅でりんかい線、津田沼駅で総武線に直通します。

 もっとも、京葉線と総武線を結ぶ新線区間は既に都市化が進んでいるので、高架ならば用地買収、地下区間では費用が大きくなります。また、京葉線とりんかい線の直通には運賃精算面なども課題があります(関連記事)

これは難しい? 「京葉線の中央線方面延伸」と「中央線の複々線化」

 「京葉線の中央線方面延伸」は、2021年現在行き止まりになっている京葉線東京駅地下プラットホームから西へ延伸し、新宿を経由して三鷹に至る新線を建設する計画です。

東京 鉄道 新路線
「京葉線の中央線方面延伸」計画の大体のルート(地理院地図を加工)

 かなり壮大な計画ですが、中央線、総武線、東京メトロ東西線の混雑緩和が期待されています。中央線では三鷹の先、三鷹〜立川間の複々線化も合わせて計画されています。

田園調布〜赤羽〜葛西臨海公園をぐるりと結ぶ「メトロセブン・エイトライナー」計画

 「メトロセブン・エイトライナー」は、赤羽駅を境に、西側は環状八号線直下、東側は環状7号線直下を走る環状地下鉄計画です。

東京 鉄道 新路線
「メトロセブン・エイトライナー」計画の大体のルート(地理院地図を加工)

 この構想自体は意外と古くからありました。道路混雑の解消、バスに代わる定時運転の公共交通機関としての役割が期待されています。私は田園調布から先、羽田空港まで伸ばす価値はあると思いますが、どうでしょうね。

 こちらは、交通政策審議会答申198号は2016年の答申で「2030年までの整備着手を目ざす路線」と掲げられていました。しかし、感染症流行による交通量、リモートワーク普及をはじめとする人流や需要の変化によって、2021年現在は状況がかなり変わってきています。



 「新線計画」は街の価値を高めるので進展すると思います。しかし、「混雑緩和目的」の並行路線計画、複線計画は停滞すると思われます。皆さんはどの新路線が開通するとワクワクしますか? うれしいですか?

どうなる? 東京の鉄道・地下鉄新路線(2021年版)

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。日本鉄道全路線の完乗率は100%(2021年4月時点)



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