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年金が破綻したらどうなる? 1円ももらえないの? FPさんに聞いてみた(1/2 ページ)

年金についての素朴な疑問をFPさんに聞いてみる不定期連載(第1回)

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 誰もが将来もらうことができる(らしい)年金。でも正直、年金について分からないことが多すぎませんか……。年金についての素朴な疑問をファイナンシャルプランナー(FP)さんにねとらぼが聞いてみる不定期連載。今回は、「破綻するかもしれないらしいけど、破綻したら1円ももらえないの?」です。

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FPさん:酒井富士子

ファイナンシャルプランナー 経済ジャーナリスト 回遊舎代表取締役 著作に「おひとりさまの終活準備BOOK」(三笠書房)「マンガと図解でよくわかる つみたてNISA&iDeCo&ふるさと納税 ゼロからはじめる投資と節税入門」(インプレス)他



――年金は破綻すると言われていますが、破綻するとどうなりますか? 1円ももらえませんか?

酒井さん:破綻するといいますか、公的年金はそもそも破綻しない仕組みづくりになっています。だから1円も受け取れないということはありえないんですよ。

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――そもそも破綻しない……!? やたら破綻しそうなイメージがありますが

酒井さん:2004年に行われた年金改革(※1)によって、まず国民年金の保険料は2018年に1万6900円、厚生年金保険については本人負担・会社負担合わせて給与に対する保険料比率が18.30%と決められました。そのうえで、将来もらえる年金は、モデル世帯でその時点の現役世代の手取り収入の50%を確保するとしました。

 とはいえ、今日本では少子高齢化が進んでいるわけですから、なぜ保険料が変わらずに年金制度が破綻しないのか、疑問に思う人も多いと思います。

 年金給付の財源となるのは、皆さんが支払う保険料だけではなく、税金(国庫負担)と年金積立金も含まれているんです。年金積立金は、これまで入ってきた保険料のうち使われなった分を積み立てたもの。これらをバランスよく使うことによって、年金の財源を確保しているんですね。

――なるほど。今の現役が支払っている保険料以外からもお金を持ってきてるんですね。だから破綻しないという

酒井さん:そうなんです、だから少子高齢化が進んで保険料を支払う人が少なくなっていっても、すぐに給付が苦しくなるわけではありません。年金積立金は使うだけではなく、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」によって運用されていたりします。そのため、年金積立金がすぐになくなってしまうというのも考えにくいと思います。

画像内テキスト 年金積立金の運用収益(GPIFのサイトより引用)

結論:年金はそもそも破綻しない

 予想に反して、「そもそも破綻しない」という力強い結論でした。ただ、酒井先生いわく「だからといって年金だけで老後の生活を成り立たせるのは、なかなか難しい場合も多いですね。年金だけを当てにするのではなく、個人で計画的に資産を形成するようにしたほうがいいでしょう」とのこと。年金の前に自分の老後が破綻してしまわないように、しっかり準備だけはしたおきたいところです。

(※1)2004年に政府が打ち出した「年金100年安心プラン」では、2004年時点での100年先までの日本の人口構成の変化を予測し、いつの時点でどの程度の年金額が必要になるかをシミュレーション。それまでは、5年ごとに年金制度が見直されていたのですが、見直しの度に制度が手直しされたり保険料が変わってしまうので多くの国民が不安に思っていました。合わせて、現在は少なくとも5年に1度、「財政検証」という年金財政をチェックする仕組みも整いました。最近では、2019年に財政検証が行われました。その結果は前回の財政検証と同様に、経済成長と労働参加が進むケースでは、マクロ経済スライド調整後も所得代替率50%を確保するという結果になりました。このように、年金制度は破綻がしないような仕組みに保たれています。


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