線路内への転落や接触事故を防止する目的で、全国的に設置が進んでいるホームドア。しかし、JR東日本の有楽町駅には「本来の目的を果たしていないのでは」と感じざるを得ない、ホームドアのような“何か”が設置されています。
実際に現地を訪れると、通常のホームドアから離れた位置に、扉と垂直な向きでホームドアのようなものが置かれていました。JR有楽町駅には1・2番線ホームと3・4番線ホームの2つのホームがあり、両ホームに1枚(?)ずつ設置されています。
色合いや高さはホームドアにそっくりですが、側面から扉が飛び出てくる様子はなく、いわばただの壁のよう。ネット上でも「もったいないから適当に置きました感」「なんで有楽町駅はホームドアを展示しているんだろう」「ホームドアになれなかったホームドア」など、存在を疑問視する声がたびたび上がっているようです。
この物体の正体をJR東日本に聞きました。
――ホームドアにそっくりですが、これは余ったホームドアなのでしょうか。
JR東日本: ホームドア設備の一部分です。通常はホームドアに並んで設置していますが、有楽町駅ではホームの長さなどの問題で設置スペースが足りないことから、この位置に設置しました。
――なぜ、この場所を選んだのでしょうか。
JR東日本: できる限りお客さまの流動の妨げにならない位置を検討し、現在の位置に設置することになりました。
(了)
ホームドア設備は一般的に、扉本体に加えて制御盤や分電盤、中継器などの機器で構成されています。機器類は基本的にホーム端部や扉本体に並べて設置するため、本来は駅構内をよく観察していなければ気付かない設備です。
他社路線でもホーム端部に扉と垂直に機器類を置く例は見られますが、有楽町駅のように実際に乗客が並ぶ点字ブロックの内側に設置している光景は非常にまれ。ホームドアを稼働する上で重要な設備なので、有楽町駅で実際に見かけても邪魔者扱いせず、どうか温かい目で見てあげましょう。
(大泉勝彦)
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