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「RRR」待望の配信開始! 杉田智和&日野聡による吹替版が最高にかわいいのをご存知か? “言葉の壁”超える独自の工夫も話題に(1/3 ページ)

「言語の壁」があるシーンに工夫あり。

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 インド映画「RRR アールアールアール」のデジタル配信が、AmazonプライムビデオU-NEXTなどの各種配信サイトで始まった(現在はレンタルではなく購入が必要)。併せて日本語吹き替え版も、7月28日の全国劇場公開に先駆けて配信で見られるようになっている。

「RRR」杉田智和&日野聡による日本語吹き替え版が「一部の会話の変更」のおかげでかわいいことをご存知か? 「RRR」日本語吹替版ポスター

 日本語吹き替え版では、主人公のビームを杉田智和、その敵であり親友でもあるラーマを日野聡が担当。さらに内田真礼、野島昭生、久保ユリカ、田所あずさと人気声優が集結した。

 そして、この日本語吹き替え版は、字幕版から「会話(物語)の一部が改変されている」ことが話題となっている。どういうことなのかを解説していこう。なお、第95回アカデミー賞で歌曲賞を受賞した「ナートゥ・ナートゥ」をはじめとした歌の部分はすべて吹き替えではなく、元のテルグ語版での収録となっている。

“ナートゥ”をご存知か?

違和感が少なく、そしてかわいくなった理由

 「RRR」は2022年11月の日本での公開直後から熱狂的な口コミが話題となり、日本興行収入は21億円を突破。異例のロングラン記録を今なお継続中で、「マサラ上映」なる参加型の上映も大盛り上がりをしており、7月27日からは東武百貨店池袋本店で展示会も開催される。

 本作の何よりもの特徴は、その圧倒的な面白さ。敵同士にしかならないはずの青年2人が親友となり、やがて支配者に戦いを挑むアクション活劇であり、最初から最後まで「なんなんだこの面白さは…!」と思うばかりの展開のつるべうち。もはや「面白いってなんだろう」と根源的な思考にも至るほどなのである。

 そんな「RRR」のオリジナル版では、テルグ語および英語が使われている。中盤では、主人公のビームがジェニーという女性に惚れて、英語が話せないながらも、なんとかジェスチャーなどを使ってコミュニケーションを取ろうとする場面がある。これにより、言葉の壁があってもなお、意中の女性と仲良くなりたいと願うビームのいじらしさが強調され、その後に衝撃的な事実が明かされるサスペンスとのギャップも際立っている。

「RRR」杉田智和&日野聡による日本語吹き替え版が「一部の会話の変更」のおかげでかわいいことをご存知か? 「RRR」本編における意中の女性・ジェニーの車が“悪知恵”のせいでパンクをしてしまうシーン

 ところが日本語吹き替え版では、なんとテルグ語と英語の両方を吹き替えている。どうするのかと思ったら、セリフをうまく調整することで、「同じ言語を話していても違和感がない」ようにしているのだ。

 例えば、字幕版でジェニーの車をわざとパンクさせた直後、英語が話せるラーマの通訳を交えたセリフは以下のようなものである。

ジェニー「ごめんなさい、お願いが。車がパンクを」(英語)

ビーム「マダム、そこに俺の店が。5分で直せる」(テルグ語)

ラーマ「“修理に5時間かかる”と」(英語)

ジェニー「そんなに…近くにバス停か路面電車の駅は?」(英語)

ラーマ「“バスか路面電車に乗る”って」(テルグ語)

ビーム「そうでしたか」(テルグ語)(首を小刻みに揺らす)

ラーマ「首を横に振れ…よければ彼が送ります」(テルグ語)

ジェニー「あなたも同じ方面に?」(英語)

ラーマ「“行き先は同じか”だって…うなずけ!」(テルグ語)

ビーム「…」(うなずく)

ジェニー「そうなの? よかった、荷物を」(英語)

 

 これが、吹き替え版では次のようになっている。

 

ジェニー「すみません、困っていて。パンクしてしまったの」

ビーム「任せてください。俺の店がすぐそこに。パンクなら簡単に直せますよ」

ラーマ「そうは言っても、5時間はかかります」

ジェニー「あら、そう。それじゃあ、近くにバス停か路面電車の駅はあるかしら?」

ラーマ「このあたりにバス停や駅はあるか? 早く答えろ」

ビーム「はい! すぐ側にあります!」(首を小刻みに揺らす)

ラーマ「おい! “はい”じゃないだろ! …ああ! よければこいつに送ってもらうのは?」

ジェニー「いいの? あなたも、同じ方向?」

ラーマ「おいそうだよな、帰りは同じ方向だよな?同じ方向だろって!」

ビーム「ええ全く、いやその…ああ…うん…」(うなずく)

ジェニー「本当? 同じね。荷物を取ってくるわね」

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