神秘的な見た目の地下水生生物を求めて、住宅地や小川沿いの湧き水を調査する動画がYouTubeで公開されています。再生回数は77万回を突破し、視聴者からは「こんな生き物いるの初めて知った!」「ロマンがあってワクワクする」など興奮する声が上がっています。
投稿者は、昆虫や虫に寄生するキノコ(冬虫夏草)の調査・観察をメインに投稿している、YouTuberの「うごめ紀」さん(チャンネル/X:@UgomekiMushi)。以前には古井戸の水から地下水生生物「メクラミズムシモドキ」を発見して話題を呼びました(関連記事)。
調査のターゲットである「ヨコエビ」は、いわゆるエビとは別のグループの甲殻類でたくさんの種類があり、まだ学名が付いていない新種が多く存在すると考えられている生き物。今回はそのうちの地下水中に生息する“真っ白なヨコエビ”の発見が目的です。
うごめ紀さんは、許可を取って住宅地にある湧き水を調査。とてもきれいな地下水が溜まった集水マスの底からポンプで水を吸い出し、自作の目の細かい網に出して生き物を採集します。
1カ所目では、通常の(地下水固有ではない)ミズムシ、再生能力が高くて一般的にプラナリアとして知られているナミウズムシ、水生ミミズを発見。残念ながら目的の生物とは出会えず、次は住宅街を抜けた先の湧き水ポイントに向かいます。
2カ所目はより地下水生生物が生息していそうな雰囲気で、彼らが溜まっていそうな根っこなどを手で持ち上げ、湧き水と一緒に網へと流して探していきます。すると、カワゲラやゲンゴロウの幼虫を見つけるなかで、ついに浮いているヨコエビを発見……!
肉眼で見たところ、地下水生のヨコエビの可能性が高く、思わず「やったぁ!」と喜びの声を上げるうごめ紀さん。1度ちゃんと顕微鏡で種類を調べるため、慎重に採集して最後のポイントへ。
日が暮れてきたので少し急ぎながら山を歩き、3カ所目の湧き水にやってきました。さらにいい感じの雰囲気で、うごめ紀さんも「(奥の方を)スモールライトで小さくなって探検してみたいですよね」とワクワク。ここでは光を嫌って隠れている地下水生生物を見つけるため、丹念に石をめくっていきます。ただでさえ小さくて見つけにくいのに、ひたすら石の下を探すのはかなり大変な作業だ……。
そしてふいに「いたいたいた!」「いま白いのが走った!」と声が上がります。見つけたのは、真っ白で透明感があり、地下水に生息していると思われるヨコエビ。これまで地下鉄やトンネルに井戸など、さまざまな場所を探すも出会えずにいたうごめ紀さんは、生きて動いている姿が見られたことに感動。その興奮ぶりに、見ているこちらもうれしくなります。
持ち帰ったヨコエビを調べた結果、やはり目が完全に退化した地下水生ヨコエビで、体は透き通っているのが確認できます。なお、後日確認したところ、2カ所目でゲットしたのは、恐らく「シンヨコエビ科のコジマチカヨコエビ」ではないかとのこと。3カ所目で見つけたヨコエビも同種の特徴があったことが触れられています。
「地下に特化した生き物って本当に美しいと思いませんか?」とその素晴らしさを呼びかけるうごめ紀さんに、コメント欄では「ヨコエビ真っ白で本当に綺麗です」「日の光が届かない所の生物って別世界みたいで良いですね」「見てて一緒に興奮してしまった」など共感する声が寄せられ、普段見る機会のない世界に「うごめ紀さんと出会ってなければ一生見ることのなかった」「新しい世界を教えてくれたうごめ紀さんに感謝」なんて声も上がっています。
画像提供:YouTubeチャンネル「うごめ紀」さん
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