「おーいお茶」のCMに「AIタレント」が登場し議論呼ぶ 伊藤園に今後もAIタレントを起用するのか聞いてみた(1/2 ページ)
「指摘されないとAIだと分からないかも」という人も。
伊藤園の「お〜いお茶 カテキン緑茶」のCMに起用された「AIタレント」が話題を呼んでいます。すでにネットユーザーからは「言われないとAIだとわからない」「不祥事起こすリスク0なのは良い」「もうCMタレント要らないかも」など、さまざまな意見が出ています。なぜCMにAIタレントを起用したのか、今後もAIタレントを使う予定があるのか、伊藤園に聞いてみました。
伊藤園によれば、AIタレントの起用は「製品コンセプトをどのように伝えるか検討した結果」であり、「AIタレントをはじめから起用することを前提としていたわけではない」とのこと。CMのテーマである「健康的で明るい未来のために“未来を創るなら今”」を表現するにあたり、「現在の自分」と「素敵な年齢の重ね方をした約30年後の自分」の両方を、別人に見えない形でCMに登場させるにはどうしたらいいかを考えた結果、AIで生成したタレントを起用するのが最適だったと判断したそうです。
加えて、AIタレントの起用にはメリットもデメリットもあると説明。「自然な形で未来の容姿を表現できるなど汎用性が高い」点を評価する一方、「誰もがひと目で分かる有名なタレントではないため、商品や企業イメージを発信する際のインパクトは弱い」「AIで生成したタレントの顔は著作権侵害などのリスクに懸念がある」などの欠点も指摘しました。なお、今回起用したAIタレントについては「制作会社から法的見解書をいただき、問題ないものであることを確認するなど細心の注意を払っている」とのことです。
SNSなどで挙がっている「AIがタレントの仕事を奪うのではないか」といった指摘に対しては、「AI生成による創作物については、現在賛否両論あるかと思います」とコメント。「今後もAIタレントを起用するのか」という質問には「企画の目的に合致するのであればメリットとデメリットを精査したうえで起用を検討する」ものの、AIタレントの効果検証に時間が掛かることから「現状、継続的に起用することを含め、起用の予定はない」としています。
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