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気象庁は「「余震」という言葉を使わない! 使われなくなった理由とは?」(1/2 ページ)

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 大きな地震が起こった後、その近くで比較的短期間のうちに続いて起こる地震のことを「余震」と呼んでいましたが、現在「余震」という言葉は、防災上の呼びかけ等において使われていません。

 これには、2016年に発生した「熊本地震」が大きくかかわっています。

余震ってそもそもなに?

 余震とは「最初に発生した大地震に続けて、その震源付近で起こるやや規模の小さい地震」を指します。

「余震」が「本震」を上回ってしまった熊本地震

 「余震」というと、それより前に発生するいわゆる「本震」よりは小さいもの。というイメージを持つ方が多いでしょう。

 しかし2016年の熊本地震では、最初にM6.5という規模の大きな地震が起きた後、その2日後にM7.3というさらに大きな地震が発生しました。

 マグニチュードで比較すると、7.3-6.5=0.8の差ですが、そのエネルギーの差は約16倍にも達します。しかし、M6.5の地震直後、気象庁ではそれを「本震」とみなし「今後の余震活動に注意」と注意喚起を行っています。つまり「余震」が「本震」を上回るという事態が起きてしまったのです。

「余震」<「本震」のイメージから今後「余震」は使わないことに

 この「余震」が「本震」を上回るという事態を受け、気象庁ではそれ以降の地震について、「"余震"という言葉は最初の地震よりも規模の大きな地震は発生しないという印象を与えることから、防災上の呼びかけ等においては、さらに規模の大きな地震への注意を怠ることのないよう、"余震"ではなく"地震"という言葉を使用します。」としています。

 つまり「余震」という言葉が使われなくなったのです。

 なお、ある程度時間が経ち「この地震は先に起きた本震の余震だ」などと、防災上のよびかけに当たらない場合にはこれまで通り「余震」という言葉は使われます。

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