大事で急ぎの用件は「必要緊急」? 不要不急の反対語は何か

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 世間に「不要不急」という言葉が浸透して、はや2カ月ほどが経過しようとしています。2月17日、新型コロナウイルスに関する専門家会議で「不要不急の外出は控えて」と発表されたことをきっかけに、広く一般でも使われるようになりました。

 それ以降、SNSなどで時折見かけるのが「不要不急」の反対語は何なのか? という疑問です。不要でも不休でもない、「大事な急ぎの用件」のことは何と呼べばいいのでしょうか。4月8日には国語辞典編纂者の飯間浩明さんがこの疑問に関するツイートを投稿して、多数の意見が集まりました。

「不要不急」の反対語は何かとご質問あり。最近知人から「不要不急でなく要、急の用事がある」という発言を聞きましたが、ネットでは「必要緊急」という熟語も目につきますね。定着するか。ちなみに1889年の陸羯南の文章にも「必要緊急」はあります。「重要緊急」もアリかな?

https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/1247899116056666112
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必要火急? 重要緊急?

 ネット上の意見をまとめてみると、「不要」の反対語としては「必要」「重要」を挙げる人が多く、「不急」の反対語には「緊急」「至急」「火急」などが主に挙げられています。

 これらの単語の組み合わせが、「不要不急」が広く使われ始めた2月17日以降でどれだけツイートされているか、SNS分析ツールを用いて調べてみました。

 結果を見てみると、最も多いのは「必要緊急」の2207件。次いで「必要至急」が1838件、「必要火急」が1505件でした。「重要~」を使ったものはいずれも300件以下と、「必要~」ほどは使われていないようです。

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本当に「必要緊急」な用件とは?

 飯間さんも「まあ反対語は固定しなくてもよろしいんですが」とツイートしている通り、これらは日本語としての「正解」や「間違い」といった類のものではありません。

 ただ、政府の発表以降「不要不急」という言葉が独り歩きしている印象を受けている人は少なくないようで、2月当時は「通勤は不要不急ではないのか」「オリンピックも不要不急では?」などの否定的な意見も散見されました。

 「不要不急の」「自己判断で(自粛)」などの言い回しには、判断基準を個人に委ねるような解釈の幅があります。これに不安や反発を抱いた人たちにとっては、自分にとって、あるいは国や社会にとって「大事で急ぎな」「必要緊急」の用件が何であるか、はっきりと表明できる言葉が求められている、ということなのかもしれません。

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