絶滅危惧種のオガサワラシジミの繁殖個体が全て死ぬ 「本物見たかった」「他の種の保全に経験を生かして」など悲しみが広がる

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 国の天然記念物のチョウであるオガサワラシジミについて、環境省と東京都が「繁殖用の個体が全て死んでしまった」と発表し、悲しむ声が広がっています。

 オガサワラシジミは東京都の小笠原諸島にのみ生息するチョウで、近年は外来種の影響で個体数が急減。2000年に環境省が絶滅危惧種に指定していました。

 環境省と東京都は、2005年から多摩動物公園などで繁殖に取り組んできましたが、8月25日に、飼育下にあった全ての個体の死を確認。野生でも、2018年を最後に生息の報告は途絶えており、絶滅も心配されています。

画像は東京ズーネットより引用
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「オガサワラシジミ」の盛り上がりは?

 8月27日の0時から28日の13時までのトレンドです。27日の午後から夜にかけて複数のWebメディアからニュースが報じられ、SNSで注目を集め始めました。28日に入ってからもニュース記事のシェアなどが広がり、反響を呼んでいます。

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「一度でいいから本物を見たかった」「絶滅が現実になってしまったのか」など、悲痛な声が相次ぐ

 今回の悲報を受けて、SNSには「絶滅の危機にあるとは知ってたけど、現実になってしまったのか……」「また一つの種が地球から消え去ってしまうのが、悲しい」「一度でいいから本物を見たかった」など、残念がる声が多く寄せられました。

 また「飼育で個体群で維持するというのは難しいのか……」「希少種の域外保全の難しさを改めて思い知らされました」と、種の保全の難しさを痛感する反応も多く見られます。「この件が他の絶滅危惧種保全のために生かされることを強く願います」と、他の種の保全に生かして欲しいと願う声も聞かれました。

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「複数拠点、独立複数系統樹立が望ましい」「全てが手遅れだった感が強い」など、対策について意見も

 NHKによれば、環境省は「近親交配によって有害な遺伝子が蓄積され、オスの精子の量が極端に減ったこと」が、繁殖失敗の原因と分析しています。

 この点について、「いざとなれば雑種強勢が使えるよう、複数拠点、独立複数系統樹立が望ましい」など、対策の改善が必要と指摘する人も見られました。中には、「域外保全すればいい、動物園などで飼っていれば絶滅したことにならないという考えがいかに甘いか」など、対策の不備を指摘する厳しい意見も聞かれます。

 一方で、「そもそも野外での個体群サイズが致命的なレベルまで小さくなっていて、もう全てが手遅れだった感が強い。やはり、その場で、その環境を守り続けるのが一番なんだろう」と、対策以前に課題があったのではと指摘する人も見られました。

 ただ、まだ絶滅と確定したわけではなく、野生のオガサワラシジミが生息している可能性は残っています。いつかその姿を見せてくれることを祈るばかりです。

調査概要

調査期間2020年8月27日〜8月28日
調査対象Twitter
調査件数6557件(10%サンプリング)
調査キーワードオガサワラシジミ
調査方法対象期間のTweetを「SocialInsight」によるテキストマイニングにより分析
備考実数に近づけるため件数を100%に補正

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

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