ワイドナショーの“HSP”特集に「自分のことだった」「言葉だけ一人歩きしませんように」など反響が続々

　9月20日、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが、フジテレビの番組「ワイドナショー」の中で自身がHSP（Highly Sensitive Person）であると語り、注目を集めています。

　番組の中で、HSPは「場の空気を読み過ぎて疲れ切ってしまうなど、生まれつき感受性が強く敏感な体質を持つ人」として紹介されています。この概念は1996年、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱し、世界へ広まりました。

　アーロン博士の許諾を得て運営されているWebサイト「The Highly Sensitive Person」によれば、HSPは4〜5人に1人の割合で見られ、病気ではなく生まれながらに持った特性とのことです。田村淳さんは、2019年12月に自身のTwitterで、「カウンセラリングの先生にHSPだと言われました（原文ママ）」と告白しています。

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「HSP」の評価は？

　SNS分析ツールで調査したところ、52%がポジティブな反応に分類されました。「特性を知って、生きやすくなる手がかりになったらいいね」「芸能人が積極的に発信してくれるのは非常に嬉しい」といった声が聞かれました。一方、48%はネガティブな反応でした。こちらは「項目が簡易的過ぎるから、あれに当てはまっただけでHSPって宣言してる人は、HSPではない」「HSPとかADHDの簡単診断ってグレーに診断されるから嫌い」など、番組内の診断項目に対する疑問の声などが聞かれました。

「HSP」の盛り上がりは？

　9月20日から23日までのトレンドです。番組が放送された20日に大きく盛り上がりました。その後は徐々に落ち着いていきますが、23日にも少し反響が見られます。

「まさに自分のことだった」「気持ちが少し楽になりました」など、共感が相次ぐ

　20日のワイドナショーを見た人たちからは、HSPについてさまざまな声が寄せられました。まず、番組で紹介されたHSPの特徴が当てはまった人は多かったようで、「まさに自分のことだった」「ワイドナでHSPを取り上げていて、内容を聞いて自分もHSPだと思った」といったコメントがSNSにたくさん投稿されています。

　田村淳さんのTwitterアカウントにも、たくさんのリプが寄せられました。その多くは「ワイドナショーで話していただき、ありがとうございます！　正しい理解が広まることを願いたいです！」「淳さんがテレビで言ってくださったことで、気持ちが少し楽になりました」など、悩みや苦しみを共有できてうれしかったといった内容でした。

　ちなみに田村淳さんは、2019年4月20日にTOKYO MXのテレビ番組「田村淳の訊きたい放題！」でもHSPについて特集していました。

「嫌味が1〜2週間、頭をぐるぐるする」「ドアの開け閉め激しい人が苦手」など、気持ちの共有も広がる

　今回HSPが注目されたのを受けて、この気質について少しでも理解してもらおう、気持ちを共有しようという動きも活発になっています。

　たとえば、ハッシュタグ「#HSPあるある」には、HSPの特徴がたくさんシェアされています。寄せられたツイートを見てみると、「嫌味なんて言われた日には、一日中どころか1週間も2週間もそのことが頭の中をぐるぐるなんてことも多々」「チームみんなで努力して高い目標を達成しよう、みたいなマインドを強要してくる先輩や上司が苦手です」「ドアの開け閉めが激しい人が苦手。心臓に悪い」といったコメントが見られました。

　こうしたツイートには、共感の声が多く寄せられています。またハッシュタグ「#HSPの人と繋がりたい」を付けたツイートもたくさん投稿されており、多くの人が一人で抱え込んできた辛さや息苦しさを共有したいと考えているのかもしれません。

「言葉だけが一人歩きしませんように」「ファッションHSPが増えそう」といった懸念も

　一方で、「恐れていたHSPブームが来てしまいました。メディアを信じ、自分がそうなのかもと思ってしまう人に罪はありません。しかし存在しない病名や耳障りのいいことだけつぶやき安心させる専門家は罪です」「最近HSPがテレビで取り上げられていますが、どうか言葉だけが一人歩きしませんように」と、話題性だけが先行するのを懸念する声も多く聞かれます。

　また、番組を見て自分もHSPだったと気づいた人が多くいる現状に対して、「ファッションHSPが増えそうで嫌だなあ……」「ADHDの次はHSPがファッション化しているのか……本当の当事者が困るから止めてほしい」「ただ当てはまるだけのファッションHSPは止めて。それで生き辛さ感じてる？　悩んでる？」といった声も聞かれます。

　ワイドナショーの特集で、HSPという気質の存在を知って安心感を得た人がいた一方、メディアの伝え方に疑問や危機感を覚えた人も見られたようです。

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