大仏とは、どれくらいの大きさの仏像? 詳しく解説
ニッポン放送のラジオ番組『羽田美智子のいってらっしゃい』では、身近だけれど知らないことも多い『大仏』についての情報を紹介しました。
大仏とは 大きさの定義
大仏の大きさは、一般的に立っている仏像だと「高さが約4.8m以上」。座っている仏像はその半分、「約2.4m以上」のものを「大仏」と呼ぶそうです。「4.8m」という数字は、お釈迦さまの身長に由来すると言われているとか。
このように、大仏には大きさの基準とされるものがありますが、実際にはそれを満たしていなくても、「大仏」と呼ばれている仏像がいくつもあるそうです。
例えば、千葉県の「鎌ケ谷大仏」の高さは1.8m。沖縄県・球陽寺の「コザ大仏」は1.5m。そして、岐阜県・善学院の「神戸大仏」に至っては1.22mだそうです。いずれも先ほどご紹介した「大仏の大きさの基準」には及びませんが、それでも「大仏」という名前で親しまれています。
日本には全部で100を超える大仏があります。そのなかには、奈良・東大寺の大仏のように、約1300年もの歴史を誇るものもあります。それに対して、東京・西多摩郡の「鹿野大仏」は2018年の完成ですから、まだ4年の歴史です。
奈良の大仏の正式名称と高さ、誰が作ったか
奈良の大仏は、聖武天皇の願いで奈良時代の752年、東大寺の仏殿につくられました。高さは約15mあります。
正式名称は「銅造盧舎那仏坐像(どうぞう・るしゃなぶつざぞう)」。銅でつくられた、お座りになっている盧舎那仏という意味です。「盧舎那仏」とは、宇宙の中心で全世界を知恵と慈悲で照らす、太陽のような仏さまのことです。
当時、政治的な争いや、水不足からくる飢饉、地震、さらに天然痘の大流行など、たいへん苦しい時代でした。そこで聖武天皇は「仏教の力によって、すべての人々が心安らかに暮らせる世の中になるように」という思いから、大仏をつくることを決意されました。
奈良の大仏は、戦に巻き込まれて燃えてしまったこともありましたが、何度も修理されて現在に至ります。
聖武天皇の思いから誕生した奈良の大仏ですが、完成したあと、「魂を入れるための法要」が行われたのが4月9日です。やがて4月9日は、「大仏の日」と呼ばれるようになっていきます。
鎌倉の大仏は、いつできたかが分からない
奈良・東大寺の大仏と並んで、古くから知られているのが鎌倉の大仏です。神奈川県鎌倉市・高徳院のご本尊「阿弥陀如来坐像」のことで、高さは約11.3mあります。
しかし鎌倉の大仏には、わからないことがたくさんあるそうです。一説には、東大寺の大仏をお参りして感動した鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝が、「鎌倉にも大仏をつくろう」と計画したものだと言われています。
その後、頼朝が亡くなってしまい、遺志は受け継がれていきますが、完成したのは木造の大仏だったそうです。しかし、台風などで壊れてしまったため、1252年ごろに今度は銅を金でメッキした「金銅の大仏」がつくられるようになりました。ただ、これがいつ完成したのか、明確にはわからないそうです。
そんな鎌倉の大仏は屋外にありますが、もともとは東大寺の大仏と同じように、大仏殿のなかに安置されていたそうです。ところが台風や大きな津波によって大仏殿が壊れてしまい、15世紀の終わりごろには、現在のような状態になったと考えられています。
また、当時の大仏殿の大きさは、境内に残る石などからある程度は想像できるようです。
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