エヴァから11年――GAINAXのロボットアニメ「天元突破グレンラガン」見参(1/2 ページ)
GAINAXからロボットアニメがひさびさに登場する。「天元突破グレンラガン」は、未来の世界が舞台の物語。発表会ではスタッフのほか、樋口真嗣監督も登場したトークセッションも開催された。
2007年新春スタート予定――天元突破グレンラガン
「天元突破グレンラガン」(以下、グレンラガン)は、「新世紀エヴァンゲリオン」から11年を経たGAINAXが、現代社会に新たなロボットアニメーション叙事詩を送り出すべく制作されたアニメだ。GAINAX代表取締役の山賀博之氏は「ロボットアニメはたくさん作られているように見えるが、最近は数を減らしているジャンル。5年前に新しいロボットアニメを作らないかと言われて企画を立てたのが始まりだが、当時はロボットアニメについて否定的だった」と語る。
「ロボットアニメはおもちゃを売るためにアニメを作ることから発生したジャンルだと思うが、SFという観点からロボットアニメを考えてしまうと作りづらい分野でもある。“なぜ人型の巨大な戦車が戦うのか?”、“どういう戦争なんだ?”と、ベースの設定自体からつまずいてしまう。大きなロボット同士で戦うのが楽しい、という普遍的な楽しみに入れないでいるのが現状だと思っていた」(山賀氏)
ただ、GAINAX自体は“マニアが集まって作った会社”であり、オタクブームとともに歩んできたのがGAINAXだった、と山賀氏。「ガンダムの拡大再生産でしかないロボットアニメを作っているだけだったら、会社をやっていく意味がないと思った。何とかもう一度、ガンダムよりさらに原初的な部分に戻って、純然たるロボットアニメを作れないものかとこの5年間考えていた。何とか会社をたたまないでやっていけるような作品ができたと思っている」(山賀氏)。タイトルの“天元突破”にも、この作品を突破口にして歩んでいきたいという意味だとのこと。
グレンラガンは、GAINAXおよびアニプレックス、コナミデジタルエンタテインメントの3社が製作委員会を作り、制作していくことになる。アニプレックスの取締役執行役員専務 夏目公一朗氏からは、グレンラガンのビデオパッケージがアニプレックスから発売されることや、海外展開および全体的な宣伝プロモーションを担当することが発表されたほか、ソニー・ミュージックのアーティストがオープニング曲およびエンディング曲を担当することも紹介された。
また、コナミデジタルエンタテインメントの工藤陽二郎氏からは、ゲームおよびトイホビーのほか、オンラインサービスを展開することが発表された。
ストーリー
舞台は地中の村、ジーハ。人々は掘られた穴の中に家畜を飼い、時折起こる地震におびえながらも、もう何百年もそこで暮らしていた。
そのジーハで黙々と穴を掘る少年シモン。村を広げるために横穴を掘ることが生き甲斐だった。深く深く掘り進んでいく中で、ある時偶然小さなドリルを見つける。クリスタルのように輝くドリル――コアドリルだ。
そんなシモンの唯一の理解者は、カミナという若者だ。グレン団というチンピラグループを率い、村の天上の上にある地上に行こうとしている。
そんなある日、すべてを覆す事件が起こった。天上が破れそこから巨大なロボが落ちてきたのである。その跡には大きな穴が開き、そこから光が差している。太陽の光だった。 「やっぱり地上はあった!」
だがそれどころではない。胴体が顔状の奇怪な巨大ロボは、容赦なく村を破壊していく。
一本気なカミナは、その巨大ロボに身体1つで立ち向かう。とはいえ、生身の人間がロボにかなうわけもない。
危機一髪のところでカミナたちを救ったのは、地上から来た若い女性ヨーコだった。彼女の超伝導ライフルが火を噴き、巨大ロボの攻撃を食い止める。彼女は、巨大ロボをガンメンと呼んだ。
しかし、ライフルの威力では足止めするのが精一杯。ピンチの続く中、シモンは顔だけのロボットを2人に見せる。以前、地中から掘り出したものだ。
カミナは「お前が掘り出したものだからお前が乗れ」と、シモンの背中を押す。おそるおそるロボに乗るシモン。無意識にコアドリルを差し込むと起動する。しかも、なぜかシモンには操縦方法が分かるのだ。コアドリルを通じて頭の中に自然と入ってくる。
カミナは、そのロボをラガン(裸顔)と名付ける。
巨大ロボが迫り来る中、果たしてシモン、カミナ、ヨーコはこの危機を脱出できるのか!?
また、なぜ地上からこの巨大ロボが落ちてきたのか!?
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