原点回帰となったアトリエシリーズ最新作は、世の言うところのいわゆるツンデレ系か?:「リーズのアトリエ 〜オルドールの錬金術士〜」レビュー:(2/5 ページ)
シナリオも、1作目のように身近に?
錬金術中心のタイトルは「ヴィオラート」までの5作品がラインアップとして並んでいるが、シリーズが進むほど調合などが難しくなり、結果的に投げ出してしまったという人の話を思ったより聞く。最初は材料同士を選ぶだけだったのが、0.2単位で調整できたり、アイテムが腐ったりと、よりジグソーパズルのピースが複雑に、数多く増えていったという印象を受けた人も多いだろう。とはいえ、中にはそういった方向へ進んでもらったことで、より長い間堪能できると歓迎したユーザーもいたことは事実だ。このあたりのバランスは人それぞれといったところだろうが、一番数多く売れたと言われているのが1作目だけに「マリーのアトリエ」ライクな難易度を、ユーザーが求めていたことだけは確かなのではないだろうか。
Aというアイテムを作るためにはBとCというアイテムが欲しいが、そのためにはDという材料を採取してこなければならなくて……という、あの絶妙のバランスと、やるべきことが数多くある中毒性、それでいてイベントもほどよく発生するため飽きも来ない、あれこそが錬金術中心アトリエシリーズのあるべき姿ではないだろうか。そんな要望があったかなかったかは分からないが、今回発売された「リーズのアトリエ オルドールの錬金術士」では、これまでの複雑だったシステムが見直され、1作目以来の中毒性が復活していると筆者は感じた。
1・2作目はアカデミーの卒業、3作目はアカデミー建築、4作目は200年前への帰還、5作目が住んでいる村の再興と、様々な趣旨を懲らしてきたシリーズ。今回は、リーズがリゼット王女として暮らしていた国、ランデル王国が負った借金の返済が目的だ。
特に何事もなく、日々平穏に過ごしていたリーズたち。ところが、リーズの父親である国王の浪費が過ぎて、銀行に莫大な借金を背負ってしまう。ランデル王国は国を丸ごと差し押さえられ、王様たちも国民たちと同じく働いて借金を返すことになるが、いっこうに金額は減らない。そんな生活から1人逃げ出したリゼット王女は、隣のオルドール王国まで何とかたどり着くことに成功する。そこで出会ったアルフから、錬金術でアイテムを創り出し、それを売ることでお金を稼げることを教えてもらう。リゼット王女はリーズと名乗り、錬金術のライセンスを見事に取得し、新しい(?)借金返済生活を始めるのだった。
国が背負い、返せないほどの借金だけに、その金額は莫大なもので、なんと8億コールにも及ぶ(コールは、この世界でのお金の単位)。1日1コールずつ返しても8億日と、気が遠くなってしまうことをリーズは考えるのだが、さらには銀行から返済期限も提示されてしまう。その限られた期間内に、果たして借金を返せるのか?
ノリのいい掛け合いが楽しい
今回のシナリオでは、従来シリーズの「ザールブルグ」や「グラムナート」の世界とは異なり、新たな舞台が用意された。ただ、ノリは相変わらずコミカルで元気でにぎやか! ちょっと冒頭をのぞいてみよう。
――王のぜいたくが過ぎて、借金で破綻してしまったランデル王国。王と王妃、そして可愛いリゼット王女も慣れない肉体労働をして借金を返さなくてはならなくなった。ある日、銀行の目をかいくぐって、こっそり城を抜け出したリゼット王女は、リーズと名乗り、隣国・オルドール王国の首都ミスリーンで生活を始める。
最初に出会ったのが錬金術士の少年アルフ。「錬金術をつかえばいろんなモノが作り出せるんだ。ベンリなんだぜ」と教えられ、リーズは錬金術でお金儲けしようと決める。アルフに勉強を教わり、錬金術のライセンス試験に見事合格したリーズ。
「よーし、これから錬金術でがっぽりかせいで、あたしの国を取り戻すぞー」
主人公のリーズは、もとはお姫さまだが、苦労を重ねているうちに、すっかりがめつくなってしまった。お金儲けの話を聞くと、目が$マークに変わる。これにはつい笑ってしまう。でも、明るく一生懸命に借金を返そうとするリーズの性格は憎めない。見ているとこっちも元気が出てくる。
そして、町に住む人たちも魅力いっぱいだ。今回はイベントも充実していて、キャラクター同士のかけ合いも多い。真面目な顔して意外な趣味があったり、男の子から恋の相談を受けたり、いきなり告白されたり……。町の一員になったつもりで楽しもう。
- アルフ:リーズが一番最初に町で出会った元気な錬金術士の少年。ビッグになる夢を持っているが、リーズやロロットにはまったく頭が上がらず、こき使われている。
- ロロット:ちょっと高飛車なお金持ちのお嬢様。見た目はかわいいが、リーズには「女の外見は、男をオトす武器なんだから」とアドバイスするなど、なかなかしたたかな女の子。
- マリウス:オルドール王国を守る騎士団ヘクセンリッターの隊長。人付き合いが苦手で、前隊長にもっと他人と交流したほうがいいといわれ、リーズと友達になる。戦闘では非常に強いので、レベル稼ぎのお供にオススメ。
- エイリー:23歳の若さにして莫大な財産を築いた超大金持ち。キザな俺様系の青年で、お金目当てに集まってくる女性も多い。しかし、なぜかリーズに一目ぼれ。「リーズ……美しいあなたにピッタリの名前だ」と口説くが……。
- ヒルダ:リーズの買った屋敷に住み着く管理人さん!? いつもどこからともなく現れる、おっとり優しい性格の女性。その正体は?
隣町のロッドマルクやフレールにも、個性的なキャラクターが住んでいる。魔法少女ヒロインになりきり、リーズを一方的にライバル視する錬金術士ポワン、図書館にいる、頭が良くて小生意気な少年マノンなど。彼らとは会話を交わすうちに仲良くなり、採集地での戦闘にも参加してくれる。パーティはリーズを含めて最大3人まで。キャラごとに装備できる武器や必殺技も変わるので、いろんなキャラと仲良くして、自分だけのお気に入りパーティを組もう。
ここで本作の物語に触れている。順番的にも妥当な紹介の仕方ではないだろうか。シリーズの説明のあとは、やはり本作そのものについて触れるのは道理。ぱっと見、気がつくのは篠崎氏がここで前作の問題点などに言及している点だろうか。シリーズをすべて遊んでいるからこその視点で、本作がどう進化しているのかを俯瞰して眺めていることが分かる。こういう視点で紹介しているライターは多く、前作やシリーズを通してプレイしているライターは前作との対比を用いて、本作の魅力を解くことが常套手段となっている。篠崎氏は前作までの不満を愛してやまないからこそあえて挙げ、本作が歓迎すべき改良が施されていることに満足してみせる。
一方、柚木氏はより世界観を紹介しようと試みている。キャラクター紹介など、これから遊ぶ人への情報を与えることに終始している。すでに発売されているタイトルのレビューの場合、すでに購入済みのユーザーがレビューを見ることもあり、この手の紹介は省かれる傾向にあるが、柚木氏はていねいにゲーム紹介から始めようとしているのは興味深い。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「現場を知らなすぎ」 政府広報が投稿「令和の給食」写真に批判続出…… 識者が指摘した“学校給食の問題点”
-
「なぜ今になって……」 TikTokで“15年前”の曲が大流行 すでに解散の人気バンド…… ファン驚き 「戸惑いが隠せない」
-
ガチ“別人級”……凄腕メイク術駆使したビフォアフが「日本の頂点」と話題、“フォロワー数580万人”の美容系インフルエンサー
-
0歳娘がはじめて歩けた瞬間、パパの顔を見て…… 号泣必至の“表情としぐさ”に「やったねえ!すごいねえ!」「かわいくて涙が」
-
「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
-
「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出
-
死んだはずのスズメバチ、お尻をよく見てみると…… 「亡者の執念発動してますね」「だから怖いんだよな」油断できない生命力におののく声
-
『HUNTER×HUNTER』の冨樫義博がXで怒り 立て続く“誤配”で「三度目です」「次はもう知らん」
-
トリミングでシーズーを「ハムスターにしてください」とお願いしたら…… インパクト大の完成形に「可愛いーーー」「なんて愛おしい鼻毛カール」
-
妻が作ったキャラ弁にフランス人夫と3歳娘が大爆笑! 「怖い」と言われた完成形に「蓋開けた瞬間w」「一緒に笑っちゃいました」
- JR東のネット銀行「JRE BANK」、申し込み殺到でメール遅延、初日分の申込受付を終了
- 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は…… 斜め上のキュートな活用術に「超ナイスアイデア」「こういうの大好きだ!」
- 「ずっと小児」 グランスタ東京の“母の日広告”に賛否…… 運営会社が撤去「違和感覚える方もいた」
- 「今までなんで使わなかったのか」 ワークマンの「アルミ帽子」が暑さ対策に最強だった 「めっちゃ涼しー」
- 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
- 「車庫にランボルギーニがいて駐車できない」→見に行くと…… 「電車の中で絶対見ないほうがいい」衝撃の光景が195万表示!
- JR東日本、ネットバンクサービス「JRE BANK」を発表 JREポイントがたまるなどの特典も
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「900円は安過ぎる」 喫茶店でプリンアラモード購入→見本と違いすぎる“激盛り”に仰天 「逆写真詐欺」
- 森の中で発見された“謎の物体”が618万件表示 「何これ!」「暗号?呪物?」集まる推測や知見と“驚きの事実”
- 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
- 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
- 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
- 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
- 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
- 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
- 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
- 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評