炎のコマはここから生まれた「ギャラクシーウォーズ」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/2 ページ)
連載第59回は、「ギャラクシーウォーズ」(ユニバーサル)。スペースインベーダーやギャラクシアンに比べると、やや知名度の低いゲームですが、あの必殺技“炎のコマ”を生んだゲームとして名を残しています。ゲーム自体も当時としては個性的でした。
あらしとギャラクシーウォーズが出会った場所
今回取り上げるゲームは「ギャラクシーウォーズ」。1979年にユニバーサル(現・アルゼ)から発売され、ポスト・インベーダーゲームとして期待された。
1970年代末から1980年代初頭のゲームを語る際、マンガ「ゲームセンターあらし」(すがやみつる作)に触れないわけにはいかないだろう。ほかに何も取り柄がないがゲームをやらせりゃ世界一という少年、石野あらしを主人公にした、コロコロコミック初期のヒット作だ。
さまざまな挑戦者と、「スペースインベーダー」(タイトー)で対決してきたあらし(第1回のみ、ブロック崩しの「スーパーブロック」)だが、あるとき“テレビゲームマシンショー”に招かれ、そこで新しいゲームに出会う。それこそが、当時登場したばかりの「ギャラクシーウォーズ」だった。
あらしは巨大スクリーンでこのゲームをプレイするが、強風でスクリーンが揺れて苦戦。しかし観衆がスクリーンのロープを支えてばたつきを抑えた。彼らの協力を受けて、あらしは33面をクリア。「GIVE UP」の文字を出している。
なお、登場人物のセリフの中では“テレビゲームマシンショー”となっているこのイベントだが、1コマめに出てくる会場の入口には、“第17回アミューズメントマシンショー”と書かれていた。アミューズメントマシンショー(AMショー)は、日本アミューズメントマシン工業協会(JAMMA)が主催する実在のイベント。
JAMMAのサイトで調べてみたら、第17回AMショーは1979年に行なわれている。場所は東京国際貿易センター新館。つまり晴海の見本市会場だ。コミックマーケット(コミケ)の会場としても知られていた場所だが、1996年に閉場となり、その役割は東京ビッグサイトに引き継がれている。
あらしが初めて「ギャラクシーウォーズ」と出会った、その場所へと行ってみた。当の新館も含め、見本市会場の建物はすべてなくなっていた。跡地の半分は清掃工場となり、もう半分は、現在東京都が招致活動をしている、東京オリンピックのスタジアム建設予定地となっていた。
左右から隕石が、上からはUFOの攻撃が
「ギャラクシーウォーズ」は、左右に動くUFOを撃つゲーム。「スペースインベーダー」と違うのは、プレイヤーがミサイルを操作することだ。レバーの左右と、ジェット噴射ボタンでミサイルを誘導して、UFOからの攻撃と、隕石の群れをかわしながら進み、UFOを撃つ。ミサイルがUFOに当たる前に、UFOの弾や隕石に当たるとミスとなる。
隕石地帯では、上から来る敵弾をかわすだけでなく、左右から来る隕石を避けて、しかも自ら上に進まなくてはならない。「スペースインベーダー」で“上から来る敵弾をかわす”というアクションが登場したばかりの当時、このゲーム性は斬新だった。
隕石地帯をすり抜けると今度は、UFOを狙ってミサイルを当てるという、別のゲームと化す。1つの画面に2つのステージが、無理なく収まっているのだ。
UFOの底の突起にミサイルを当てると、高得点。しかし当たる寸前に、そのUFOが弾を撃ったら避けられない。角度によってはUFOの弾をはじいて消すこともできるが、リスクが高い。
さらに、1面につき1つ、ボーナスUFOが存在する。第1面では4機め、第2面では5機め……のUFOの突起に命中させると、通常の150点ではなく、600点ものボーナス点が入るのだ。ボーナスUFOの突起を狙うときは、ほかのUFOより一層慎重になる。当てて600点が取れればうれしいし、ちょっとずれて100点になってしまうと悔しい。
ただしステージを進めるごとに、ほかのUFOの得点も上がっていく。5面以降は普通のUFOでも、突起に当たると550点入るので、ボーナスUFOの存在意義は薄くなっていった。
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