デベロッパーの形態の違いに気づいてた? くねくねハニィの「最近どうよ?」(その23)(1/2 ページ)

「モンスターハンターポータブル 2nd G」がブレイクする日本にいると、「GTA IV」が海外で爆発的にヒットしてるって聞いても「ふ〜ん」な感じだけど、どうやら行きそうですね、北米だけで1000万本。どうやら開発費は100億円以上との噂。開発費も販売本数も、ケタが違う。そんな日本と海外の違いを「開発会社のかたち」って切り口から語ってみたくねくねハニィの「最近どうよ?」第23回目です。

» 2008年05月09日 13時00分 公開
[くねくねハニィ,ITmedia]
もう子供の日は終わってますよ?

 ガソリンを満タンに入れて終わった4月。いよいよ新緑の5月ですが皆様いかがお過ごし? くねくねハニィの「最近どうよ?」23回目でござんす。翻訳つきの「最近どうよ?」もものすごく深読みされてる方もいらっしゃるようですが、そんなに深い意図はないんですよね……。いろんなとらえ方をされるなって思っちゃった、ゴールデンウィークにヘビメタを大音量で聴きながら♪原稿を書いているハニィですの。

 さて。日本では「昭和の日」だった4月29日ですが、海外ではそうではなくて「Grand Theft Auto IV」(以下、「GTA IV」)発売の日でした。北米ではDay One(発売日当日)に600万本出荷したと言われているのだ。当然予想されたことですけど、北米のみならず英国でも前の晩から並んだ人たちがいっぱいだったそうですわ。日本で言う一時のドラクエみたいなもんですかね〜。英国の速報では、Day Oneのみで60万9000本英国内で販売されたとこのこと(Xbox 360版:33万5000本 、PS3版:27万4000本)。

 このGTAシリーズ、前作までのシリーズの全世界における累計販売本数は、な、な、なんと6600万本だそうですぜ。ひぇぇぇ。660万本じゃありません。まさにお化けソフト。さらに今回は初めての試みであるマルチプラットフォーム(PS3とXbox 360)。今回PSファミリー以外のプラットフォームにこのタイトルが供給されるためか、マイクロソフトは自社のアナザーお化けタイトル「Halo3」と同等のプロモーション費用を投入してXbox 360版「GTA IV」を盛り上げているそう。エクスクルーシブでもないサードパーティのタイトルをプラットフォーマーがここまでプッシュするのは異例のこと。

 さっそくPS3版にはバグが発生したらしいのですが、PS3版とXbox 360版、どういうシェアで売れていくのかが見ものですな。

3月の北米市場報告を!

 関係ない日本までとばっちりを受けてるサブプライム問題も何のその、2008年3月の北米ゲーム市場は前年同月比57%増とのこと。4月も「GTA IV」や「Mario Kart Wii」などが発売されるため、市場規模的にはかなりの規模になると思われます。バブルってるのかなぁと思いきや、一部のパブリッシャーを除く中堅以下のメーカーさんは「景気がいい感じがしません」とおっしゃってます。極端な勝ち組/負け組化が進んでいるようですね。出せば売れる! って状況ではないってことも肝に銘じないと……。

ハード

 まずは数字を見てもらおうかな。任天堂ハードが突っ走ってますね。

Wii72万1000
Xbox 36026万2000
PlayStation 325万7000
PlayStation 221万6000
Nintendo DS69万8000
PSP29万7000
NPDデータより

 Wiiが売れていると言うよりは、「Super Smash Bros. Brawl」(大乱闘スマッシュブラザーズX)が売れているようで、スマブラをやるためにハードを買っているとしか思えません。スマブラはなんと3月に発売して月中に270万本近くも売ってしまった。Wiiの3月までの累計販売台数870万台と考えると、実に3人に1人はスマブラを買ってることになります。他のハードは大きな動きもなく推移していますが、いよいよPS3が楽々とPS2の販売数を抜くようになったってことで、世代交代が進むのかPSハード! ってところですかね。携帯ゲーム機の販売台数ではニンテンドーDSが圧倒的ですけど、ソフトでちょっとした異変が!

ソフト

 言わずもがな、「Super Smash Bros. Brawl」(Wii)がダントツの第1位270万本。続いてUBISOFTの看板ソフトのひとつ、「Tom Clancy's Rainbow Six: Vegas 2」(box 360)が75万本、エレクトロニック・アーツのオリジナル新規タイトル「Army of Two」のXbox 360版が発売されて3位に飛び込んできて61万本。この「Army of Two」、PS3版も10位に入っていて22万本。新規のオリジナルタイトルがトータルで80万本超えしたことになりますね〜。すばらしい。今後のシリーズ化は必至と言えましょう。

 しかし、スマブラはすごい。何がすごいって300万本もの商品を思い切って出荷できているところがすごい。この数字の商品を一気に出荷しているところが、任天堂の小売店との信頼関係とメーカーとしての力を感じますね。「GTA IV」の発売であまり目立ってはいないんだけど、北米では4月27日に「Mario Kart Wii」が発売されているから、こちらも楽しみです。

「Army of Two」

 また、EAの「Army of Two」、日本でも発売されていますけど、なにげにEAのカナダ・モントリオールスタジオ初オリジナル作品だったりします。TPS(第三者視点のシューティング)ですが、タイトルの通り2人で軍隊を組んで戦うというもの。2人ならではのギミックなど新しい楽しさを提供しているんだけど、バリバリのオンラインゲームなので、スタンドアローンでの評判はイマイチ。ぜひとも、ネットで遊んでください。さて、どうでもいい話題ですが、このEAモントリオールスタジオ、その当時UBISOFTのスタジオ(「Rainbow Six」シリーズとか「Prince of Persia」、最近では「Assassin's Creed」なんかもある)の人員を引っこ抜いたことからUBIと訴訟してました。つまり、優秀な方々を奪い合った結果生まれた作品ってことですな。

 さて、異変の話。携帯ゲーム機のソフトで上位に入ってくるのはいつもニンテンドーDSのソフトだけだったんだけど、3月はニンテンドーDSソフトはトップ10入りしていない! しかーし! トップ5とトップ6にPSPのソフトがランクインしているのだ! PS2で大きく評価を受けていたSCEの「God of War:Chains of Olympus」が34万本、スクウェアエニックスの「Crisis Core:Final Fantasy VII」が30万本といい結果を出していますね。

 いよいよPSPの時代がアメリカもやってくるのか? できれば日本での「モンスターハンター」のようなお化けソフトが出てくれれば弾みもつくんですけどね〜。

 さて、今回のテーマは「デベロッパーの認識の違い」です。ひと言でデベロッパー(ま、開発会社のことですね)と言っても、海外の人が認識している形と、日本の現状ではズレが生じているのも事実。最近ハニィが感じるそんなズレについてつれづれに述べてみるね。

開発会社は委託先なのか

 日本では、パブリッシャーがデベロッパーでもある側面が多かった歴史から、デベロッパーを裏方と見なして「表に出ない」デベロッパーがたくさんいたの。最近でこそパブリッシャーがすべて自社で開発することが困難になってきたため、デベロッパーの関係が明確化されるようになったけど、日本においてはゲームソフトとは「パブリッシャー主導の賜物」であったのだ。ハニィも仕事をしていく中で、過去の日本の業界では「誰がお金を出したか」が重要視されていたと思う。

 従って、デベロッパーはパブリッシャーの委託先であって、パブリッシャーがお金を出してデベロッパーに作らせて買い取って売る、ってのが通常の形だったわけです。デベロッパーはパブリッシャーに囲われ、「あの開発会社は○○社(パブリッシャー名)系デベロッパーだから……」などと言われたもんですが、業界が成熟してくると、優秀なデベロッパーはパブリッシャーを超えて仕事を請けるようになったり、さらにデベロッパーと言う形から大成功をおさめたデベロッパー(古くはハニィが愛してやまないチュンソフトや最近ではレベルファイブなどもそうなんです)が、単なる委託先とも言えなくなったわけですね。

 ゲームのオープニングにデベロッパーロゴが出ないってことは今ではほとんどなくなったっていう意味では、開発会社は「下請け」ではなく、「パートナー」として認識されるようになったのが現状でしょう。

 では海外ではどうなのか? というと、とっくに「パートナー」なのだ。日本的な義理とか仁義とかではなく、極端に言うと合理的にお仕事をしている。ビジネス先行型とものづくり先行型との違いとも言えるかもしれないけど。

 合理的といえば、ちょっと前にコナミが日本プロ野球機構の独占契約を取って、日本的には「ありえない」と非難されたことがあったけど、アメリカ的に言うとごくごく普通に当たり前の話なのね。力のあるところが力(この場合はお金)を行使して排他的権利にしてしまうのは必然のことで、EAがNFLの独占権を取ったり、Take2(2K Games)がMLBを独占したりってのは「ビジネス」と考えればやむを得ないことって認識がある。「仲良くみんなで」ってのが基本の農耕民族の日本と、「弱肉強食」がベースにある欧米では根本の考え方に乖離があるのだ。文化の違いとしか言いようがないわけですな。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/01/news077.jpg ミュージカル『ディズニー くまのプーさん』、舞台が見えづらいとの指摘に謝罪 「視認性の改善を講じる」
  2. /nl/articles/2404/30/news015.jpg 【今日の計算】「500×99」を計算せよ
  3. /nl/articles/2404/30/news156.jpg 「葬送のフリーレン」の勇者一行、ネモフィラ畑に現る 名場面にちなんだコスプレが「これを花畑を出す魔法か」と23万いいね
  4. /nl/articles/2402/21/news158.jpg 業務スーパーの“高コスパ”人気冷凍商品に「基準値超え添加物」 約1万5000個販売……自主回収を実施
  5. /nl/articles/2405/01/news092.jpg “スケスケ成人式コーデ”が物議のモデル、「3度見される服」を披露 「コレは見ちゃうわ」「洗っても大丈夫なのか」の声
  6. /nl/articles/2405/01/news095.jpg 秋元康、AKB48卒業の柏木由紀に送った手紙が物議 “冒頭の一文”に「昭和丸出し」「嫌すぎる」
  7. /nl/articles/2405/01/news014.jpg 1歳娘、ちょっと目を離したら衝撃の光景が……! リアル過ぎるワンオペ現場が190万再生「わかりみすごすぎです」
  8. /nl/articles/2404/29/news009.jpg 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  9. /nl/articles/2403/21/news104.jpg 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  10. /nl/articles/2405/01/news011.jpg 息子「あしたから下敷きいるって」母「ええやつあるで(ドヤ」 母の愛がつまった手作り下敷きに「なにこれめっちゃほしい!」と注目集まる
先週の総合アクセスTOP10
  1. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  2. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  3. しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  4. 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  5. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  6. 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  7. 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  8. 顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
  9. 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  10. スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評