スマートタグ「Fizzly」で人類のクリエイティビティが可視化する?:妄想ウェアラブルの午後
IoT(モノのインターネット)を日常に取り入れるスマートタグ、「Fizzly」。これは単なるおもちゃに留まらず、人類の創造性をより豊かに、そしてそれを可視化する可能性をも秘めているのかもしれない。
連載:「妄想ウェアラブルの午後」とは
近年急速に普及し始めたウェアラブルデバイス。腕時計型やメガネ型などさまざまな種類が登場してきているが、それらが「人々の生活をどう変えるか」についてはまだまだ議論の余地が残されている。本連載では、製品のスペックや機能比較にとらわれず、ウェアラブルの正しい(?)未来を「妄想」することに全力を注ぐ。
Udoo「Fizzly」
イタリアのチームUdooが開発したスマートタグ「Fizzly」は、身の回りにあるあらゆるものを“スマート”にしてくれる。加速度センサーを持ったFizzlyを付ければ、動いたり回転したりすることがシグナルとなり、スマホ上でさまざまなアクションに変えてくれるのだ。
例えば普段使っているバッグに取り付ければ、忘れ物をしたときに教えてくれる。サッカーシューズに取り付ければ、リフティングの回数を数えてくれる。ハサミや絵本や何の変哲もないドアを、光ったり音が出たりするおもちゃに変えてくれる。
Fizzlyはそれ単体で何かができるというものではないが、「何に取り付けて」「それがどんな動きをしたときに」「スマホ上でどんなアクションを起こすか」を簡単にカスタマイズできるので(これはつまり「プログラミング」だ)、僕らの想像力と創造力次第で、どんな使い方だってすることができる。
Fizzlyでクリエイティブが可視化する社会に
いまは単なる娯楽や生活を便利にするもの、くらいの認識のスマートタグも、将来は教育分野で欠かせないものになるかもしれない。
まずは楽しみながらプログラミングを覚えられる。そしてなんといっても、無限の使い方を考えることで創造性を伸ばしてくれる。図工や理科の授業で、Fizzlyが取り入れられるのもそう遠くないかも。そうなったらきっと、未来の小学校でモテるのはかけっこが速い男の子ではなく、かっこよくFizzlyを使う男の子に違いない。
高校や大学でも「Fizzly検定」をとっておけば受験や就職に役立つし(なんたってクリエイティビティがあることの証だ)、専門に学びたい人は理工学部Fizzly学科に進学することもできる。きっとカンヌライオンズにはFizzly部門ができるし、「Fizzリンピック」では世界中の頭脳が一堂に会することになるだろう。
「アイデアはアメリカの資源である」とケネディ大統領は言ったけれど、アイデアはアメリカに限らず人類の資源である。そして未来のFizzly社会では、一見測ることのできない人々のクリエイティビティを、誰もが簡単に形にすることができるのだ。そのとき尊敬されるのは、年上でも芸能人でもお金持ちでも権力者でもなく、クリエイティブな人々なんじゃないかと思う。
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