NHK「ごちそうさん」のレシピで話題に! 節米料理って何?

戦時中、食糧難だった時代。人々の知恵が生かされた「節米料理」はどんな料理なのでしょうか。

» 2016年01月15日 06時00分 公開
[石原亜香利ITmedia]

 戦時中は食糧難だったこともあり、米をできるだけ節約して小麦や雑穀などで代用する「節米料理」が作られていました。当時の人々が工夫を凝らした節米料理は、戦時中の厳しい食糧統制の時代を描いたNHKの連続テレビ小説「ごちそうさん」でも登場し、レシピ本にも掲載されました。そんな節米料理ですが、具体的にどのように食べられていたのか知っていますか?

節米料理

節米料理とは何か

 節米料理がさかんに作られたのは、日中戦争が1937年に始まってから発生した米不足が原因です。好きなものを食べるのは国策とは遠ざかるものであり、「米の節約」「食べすぎはよくない」などの呼びかけが起きたことから生じたといいます。米が配給制になり、決まった量の米しか各家庭で食べられなくなりました。このような食糧統制が起きる中、いかに米の代わりに主食を作るかがポイントになる「節米料理」がさかんに作られるようになりました。

代表的な節米料理

 米の代わりに使われたのは、主に小麦や雑穀、イモ類など。例えば、米にじゃがいもやさつまいもなどを混ぜて、炊きこみご飯や混ぜご飯、お粥・雑炊などを作る増量法などがありました。NHKの「ごちそうさん」でも、少ない米の量でも工夫された「じゃがいもと油揚げごはん」が紹介されています。他の具材を混ぜることでかさを増す方法です。

 また、米の代わりに食べられた、うどんや団子、すいとん、パンなどの代用食も今なお残されています。つけ汁をゴマと味噌で作り、コクと食べごたえを出したうどん料理などもあったといわれています。

米の炊き方を工夫して空腹を対処

 「国策炊き」「楠公飯(なんこうめし)」と呼ばれる方法も生まれました。これは、普通に米を炊くよりもかさが増す炊き方です。

 国策炊きとは、米一升と水二升を用いるもので、米は洗わず沸騰した湯に入れてよくかき混ぜたあと、ふたをして再度沸騰してきたところで、火を弱めて50分炊く方法です。

 また、楠公飯とは、玄米をあらかじめ炒っておき、水を一晩吸わせることで炊き上げる方法です。

 しかしながら、これらはかさ増しをするだけで、味や食感については落ちるといわれています。

 当時は味付けも薄く、かさを増すなどして空腹をいかに紛らわすか、さまざまな工夫がされていました。当時の主婦たちによる工夫には関心させられますね。

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