ある数が「○の倍数か」を見分けるための“万能”な方法
割り算とどっちが早いのだろう……
ある数が割り切れるかどうか、つまりnの倍数であるかどうかを知りたい場面は結構たくさんある。分数を約分するときや、身近なところだと割り勘を計算するときなどだ。
場面の多さに比して、ふつう倍数の判定は難しい。例えば「64811は11の倍数か?」に瞬時に答えられる人はそう多くないはずだ。
ただし、いくつかの小さい整数に対しては、その倍数に関する法則が広く知られていて簡単に見分けられることがある。
例えば、2の倍数なら必ず一の位は2の倍数(偶数)になる。3の倍数であれば、各桁の数字を足し合わせると和が3の倍数になる(例:357→3+5+7=15は3の倍数)。特に3の倍数の判定法は簡単なので知っておくと便利だ。
ほかのいくつかの素数に対しても、簡単な判定法があるので以下の画像にまとめてみた。また、合成数の判定はこれらを組み合わせて行えばよい(例えば6の倍数は2と3どちらの倍数でもあることを判定することと同じ)。
ここに挙げたような例は覚えやすいし楽な判定法であり、一般によく知られている。ところが、7や11の倍数の判定法はあまり耳にしない。
調べてみると、7の倍数ならこんな方法が出てくる。
数を3桁ごとに区切り、位が小さい方から引く→足す→引く→……を繰り返すと結果が7の倍数になる
(例:4534845→-845+534-4=-315で7の倍数、よって4534845は7の倍数)
うーん、ややこしい! 3桁ごとに区切って足し引きするのがもう大変だし、結局3桁の数を7で割ってみないと分からない。
11の倍数も13の倍数もこんな感じの役に立たなそうな方法が出てくる。もう少しシンプルにならないのか。
万能の判定法、現る
上の7の倍数の方法がなぜイヤかというと、「何桁で区切るんだっけ?」「どの順番で足すんだっけ? 引くんだっけ?」が覚えられないからだ。覚えてもこの方法は基本的に7の倍数にしか使えない(※)し、もう面倒くさいから割り算しちゃえと思ってしまう。
※この方法は1001=7×11×13であることに基づく方法なので、11と13の倍数には使うことができる
そこで調べてみると、どんな数の倍数でも同じような手順で判定できる方法があるらしい。なんだ、それを最初から教えてくれればいいのに。
その方法とはズバリこれ。
「一の位の数字に2をかけて、1の位を切り落とした残りから引く」→「nの倍数かどうかを見たい時、nで割って割り切れるかを見る」
ナンノコッチャなので、具体例を。例の7の倍数でやってみたい。ある数が7の倍数なら、「一の位の数に2をかけて、残った数から引いても7の倍数」。例えば294なら、一の位の4に2をかけた8を29から引くと21。これは7の倍数なので、294は7の倍数である。先ほどの方法では3桁の数字は割るしかなかったが、この方法なら簡単に判定できる。
さっきの4534845とかいうでかい数でも、4534845→453474→45339→4515→441→42と、同じ操作を繰り返せば7の倍数が判定できる。さっきの3桁区切りよりもだいぶ楽だ。
仕組みはこうだ
さて、どうしてこのようになるかを説明する。「ある数」が、0〜9の整数aと任意の自然数Aから「10A+a」と表せるとする。このとき、一の位の数に2をかけて、残った数から引いた結果は「A-2a」となる。
「ある数」10A+aが7の倍数ならば、等式7k=10A+a(kは自然数)が成立して、aについて解くとa=7k-10A。これをA-2aに代入して整理すると21A-14kとなり、14kも21Aも7で割り切れるから、A-2aは7で割り切れる。
ここからが本題。この説明の7をp、「一の位にかける数2」をnに置き換えれば、あらゆる数の倍数の求め方が見えてくる。
10n+1(赤字の部分)がpで割り切れれば、A-naはpで割り切れる。従ってnをpに応じて定めることで、どんなpでも同じ方法で倍数判定が行えるというわけだ。そんなnを見つけるのは一見大変そうだが、10n+1の一の位はnが正ならば1、負ならば9になることに着目すればそれほど難しくない。
例えばp=37なら、一の位を1にするなら3倍(37×3=111)、9にするなら7倍(37×7=259)。10n+1を111にするならn=11、-259とするならn=-26とすればよい。
なお、nを負とするなら、「一の位に負の数をかけて引く」ので結局足し算をすることに注意が必要だ。
まとめ
ここまでを整理すると、ある数がpの倍数かどうかを見分けるには次のようにすればいいことが分かる。
- 10n+1がpで割り切れるようなnを見つける
- ある数の一の位のn倍を、十の位より上の数から引く
- 結果がpの倍数かどうか分かれば終了、分からなければ再び2を行う
方法さえ覚えておけばnを決めるだけで使えるのがうれしいポイント。
参考までに、代表的な素数pに対するnの例を示しておく。p=3はn=-1で成り立つが、これは冒頭で挙げた「全ての桁を足し合わせる」と同じことになる。
nの絶対値が大きいと割り算と同じくらいしんどいが、特に19の倍数などは2をかけて足すだけなので使えそうだ。12065は、12065→1216→133→19で、19の倍数!
7の倍数とか13の倍数とか分かりにくいわ! とずっと思ってきたが、これで全て解決!
……と言いたいところだが、割り算するのとどちらが早いかといわれると微妙なところではある。ただし汎用性はある方法なので、覚えておいて損はないと思う。
関連記事
- 「40−32÷2=?」この問題、解けますか?
理系にはすぐ解けて、文系には解けない、とんち問答のような問題がネットで話題に。 - 21年前のワープロ「書院」で2018年にインターネットをしたら、無間地獄に突入した
ネット機能を搭載した21年前のワープロで、2018年のネットの世界を見てみました。 - これ12歳が解けるの!? 超難関「灘中学」の入試問題「初日の出を2回見るには?」を解いてみた
あなたは最強小学生に勝てるか? - 「16×4は?」「68−4だから64」 小学1年生の掛け算の計算方法が斬新だと話題に
発想が見事。 - 「カニミソ」はカニの何なのか?
カニミソって何だ? 脳ミソか? 僕は何を食べようとしているのだ?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
-
60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
-
「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
-
皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
-
真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
-
71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
-
新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
-
家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
- 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
- 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
- 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
- セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」