手塚治虫の全400冊が3日間限定で無料読み放題! 全部読み切れるわけがないのでオススメ作品を選んでみた
人間が72時間で400冊読み切ろうなんておこがましいとは思わんかね……。
世界最大級のマンガ品ぞろえを誇る電子書店「eBookJapan」が、2018年11月2日(金)〜11月4日(日)の72時間限定で実施する大キャンペーンだ。
・特設サイトはこちら⇒【eBookJapan 手塚治虫全作品400冊が無料読み放題!】
手塚治虫の生誕90周年記念だからこそできた快挙。しかし、マンガの神様であり、スポ根以外はあらゆるジャンルに手を出す暴れん坊の手塚治虫作品は膨大な数がある。72時間で全作品読み切るのは、ムリだ。
そこで、手塚治虫入門セレクションとして名作中の名作、王道中の王道作品を5作品選んでみた。
「宇宙のなかに人生など いっさい無だ!」 『火の鳥 鳳凰編』のスケールがスゴイ
『火の鳥』
手塚治虫が漫画家の活動初期から晩年まで描きつづけたライフワークが『火の鳥』だ。血を飲めば永遠の命を得られる火の鳥を狂言回しに展開する長編群である。
過去、未来、過去、未来と交互に描き、遠くはなれた時系列から、徐々に「現在」に近づいていくという驚愕の構成で、各長編を生み出し、かつ各長編は独立した作品として楽しめるという力技。この壮大なスケールで描かれた作品群のなかでも、大傑作とたたえられるのが「鳳凰編」だ。
『火の鳥 鳳凰編』の舞台は、奈良時代中期の日本。
主人公は、2人。1人は、右目と左腕を失っている我王(がおう)。醜く大きな鼻を持つ男だ。ひどいイジメに耐えられず、村人を殺し、人質にとった幼い子も殺してしまう。
というか、まあ、幾度も人殺しを繰り返す残忍な男を主人公にしながらも、嫌悪感にひるませぬように描くのが手塚マジック。
逃亡中に出会うのが、もう1人の主人公、茜丸(あかねまる)。
仏師として活躍している茜丸の右腕を、邪智暴虐の我王は手刀で刺す。「まともな二本の腕を自慢されるとがまんがならねえんだっ」というむちゃな理由で。
残った片手で仏を彫り続ける茜丸と、怒りをコントロールできず彫らざるを得ぬ我王の仏師対決をクライマックスに、ふたりがたどる数奇な運命を描く長編作品だ。
宗教と政治、人は何によって救われるのか、人の罪と創作は結び付けて考えるべきことなのか。多層的なテーマを含みながら、大娯楽作品としてイッキ読みさせるパワーを持つ。
手塚治虫作品は「生命賛歌」だとよく言われるが、それは、単純なポジティブ思考なんかじゃない。死の無常さ、人間なんてごみみたいなもんだ、といった圧倒的な虚無、ニヒリズムを基盤にしたうえでの賛歌だ。
自分自身から宇宙人まで手術できぬものなし 『ブラック・ジャック』がトンデモない
『ブラック・ジャック』
死の無常さに立脚した生命賛歌といえば『ブラック・ジャック』だろう。
1973年に連載スタートし、短期間で終わる予定が、10年近く続く長期連載となった手塚治虫の代表作。神業をもつ天才外科医だが、無免許医で高額な治療費をふっかける悪魔でもあるブラックジャックを主人公にした連作短編、全242話。
1編20数ページで、サクッと読めるが、内容は濃い。
そして、全部、面白い。
どのエピソードが好きか語りだせば、一晩中、激論できそうなほど傑作ぞろいなので、しぼりきれぬ。今回は、トンデモない手術ベスト3をセレクションしてみた。
【1】自分で自分を手術「ディンゴ」
オーストラリアの荒野の外れにブラックジャックが訪れるが、家族全員が謎の死を遂げている。ガソリンもなく車も動かず、荒野の中をさまよっているうちに、謎の症状が自分自身の体にもあらわれてしまう。
そこで、ブラック・ジャックは、激痛のなか、カガミを使って、自分で自分の手術を開始するのだった。
家族全員の死、飛行機の墜落、小屋の爆発、放浪、自分で自分の手術、さらに血のにおいを嗅ぎつけてディンゴ(狼)たちが襲ってくる。23ページの短編にこれでもかと詰め込んだ危機的状況でありながら、苦い警告を残すエンディングで余韻を残す名短編。
【2】1時間で40人の手術「こっぱみじん」
泥沼の戦争が終わりをつげようとしているある国の大統領。自分が暗殺されると思い込み錯乱状態だった。こっぱみじんにでもならなければ手術してなおす約束をするブラック・ジャック。150億円をふっかけて!
という状況下で、戦争孤児を載せた飛行機が墜落。およそ150人のこどもが死に、40人が重体。その40人のこどもの手術を、ブラック・ジャックは1人で行う。
将棋の多面指しならぬ、手術の40人同時多面執刀である。
【3】宇宙人の手術「未知への挑戦」
異国の寺院、坊さんに呼ばれて地下に降りる。そこで対面する患者は、宇宙人だった。
こんなトンデモない設定を真面目に展開し、説得力をもたせる。漫画すごい。
からだの仕組みは原則的に人間と同じだと言いつつ、切開してみると未知の器官が出現し、「こんな器官は地球の人間にはないぞ……なんだこれは……」と戸惑うブラックジャック。その器官が何であるかを推理し、手術を成功させ、ちょっとした感動を経て、しかも気の利いたオチに導いていく構成は見事。
【番外編】
タクシー運転手を主人公にした連作短編の『ミッドナイト』。
この作品に、ブラック・ジャックが登場し、脳死の患者を手術して生き返らせるエピソードがある。このときのせりふがいかにも手塚治虫らしい。
「そんなことはマンガだからできるんだ 手塚治虫というバカがかくんだからこっちは責任はない」
「マンガでもいいですから手術を…」
シリアスな展開のなかでシレーっと言わせて、そのまま展開していくのだ。
他にも、人間を鳥にする手術(19巻第2話 人間鳥)や、人工知能の手術(18巻第8話 未知への挑戦)、ひからびたミイラの手術(8巻第4話 のろわれた手術)など、どんな展開をするのか予想のつかぬ奇想天外なエピソードがたっぷりある。もちろん感動できるやつもたっぷりある。
尻からガスだして飛ぶ怪鳥と大冒険 『三つ目がとおる』の活劇が楽しすぎる
『三つ目がとおる』
三つ目族の末裔(まつえい)である写楽保介は、額に貼られたバンソーコーを剥がすと、三つ目が解放され、悪魔的な古代人超能力を発揮する。
バンソーコーを貼ったときの甘えんぼう写楽くんと、悪魔的能力を持つ三つ目写楽くんのギャップ(と、写楽くんに翻弄(ほんろう)されつつコントロールするお姉さん的存在の和登さん)が魅力的だ。
生と死のテーマが前面にでてくる設定でないためか、ショートストーリーと長編が混在し、イキイキと楽しい物語が多い。
その中でも、楽しいのが、怪鳥モア編。
尻からガスを噴射し、ロケットのように飛ぶ怪鳥モアと写楽くんの友情や、意外とひょうきんな殺し屋ケツアル、和登さんそっくりのセリーナさん、ティオティワンカン大遺跡の決闘。メキシコに海外取材した手塚治虫が、旅情たっぷりに描く大冒険活劇。
代表作がいくつあるのか手塚治虫よ
『アドルフに告ぐ』
「ヒトラーはユダヤ人の血が流れている」という機密文書を巡って、「アドルフ」の姓をもつ3人の男(アドルフ・ヒットラー、アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミルの3人)が繰り広げる大河ドラマ。1983年から『週刊文春』に連載。
ベルリン・オリンピックの取材に訪れている語り手、峠草平。
約束の時間に遅れて、弟の部屋に着くと弟は死んでいる。警察が連れていった遺体は消え、住んでいた形跡も持ち物も喪失、誰も弟を知らない。不条理な状況に陥った峠草平は、真相を究明するために動きはじめる。
という魅力的なオープニングから、一気呵成(かせい)。第二次世界大戦当時の日本とドイツを舞台に、たくさんの人間の思惑と運命が激動し交錯する。
手塚治虫のストーリーテリングのスキルを全部つっこんだような大きくうねるストーリーに翻弄される。
『ブッダ』
手塚治虫の代表作を3本あげるとしたら『火の鳥』『ブラック・ジャック』、そして『ブッダ』だろうか。
仏教の開祖ゴータマ・シッダルタの生涯を描いた物語。最初の9ページに渡るせりふのないエピソードは、いつまでも記憶に残る。
72時間では読みきれない!
まだまだ傑作がいくらでもある。
- 『どろろ』(からだの四十八か所を取り戻す妖怪退治モノ)
- 『きりひと讃歌』(手塚版エレファントマン)
- 『アポロの歌』(女の子とHする直前に死んで転生するダーク&エロ)
- 『ダスト8』(かわいいキャラクターが死んでるべき人間を殺しにいく黒手塚の傑作)
- 『時計仕掛けのりんご』(首相暗殺、自衛隊テロ、美少女ロボ妊娠、刺激強すぎの短編集)
- 『奇子』(犬神家の一族をさらにダークにしたヤバイやつ)
- 『人間昆虫記』(天才美少女作家が次々と男を餌食にする)
- 『陽だまりの樹』(幕末期の日本を舞台にした大河ドラマ)
ああ、キリがない。何しろ400冊、168タイトルあるのだ。
72時間限定、無料読み放題では読みきれないとお嘆きのあなたには、400冊全てを網羅した特別セットおよび厳選7タイトルについて、全巻セット30%OFFのまとめ買い割引も実施している。
「手塚治虫作品をあまり読んだことがない」という人は幸せだ。
こんなにもたくさんの楽しい物語を浴びるように読めるのだから。
全巻セット30%OFF対象作品(7作品+全作品セット)
- 「ブラック・ジャック」
- 「アドルフに告ぐ」
- 「火の鳥」
- 「三つ目がとおる」
- 「どろろ」
- 「陽だまりの樹」
- 「ブッダ」
- 「手塚治虫作品 (全400巻)」
アプリ版「ebookjapan」もあります。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
消波ブロックの隙間にカニカゴを仕掛けたら…… 「うそでしょ!」“想像を絶する結果”に大興奮「見てて声出た」
-
「許されると思ってんの?」 スマホのアラームを設定→翌朝…… “絶望の通知内容”が430万表示 「ほんとこれ」
-
「正直破格です」 成城石井の元店長が辞めてからも買い続ける“名品”がリピ必至 「ヨダレが出そう」
-
これは“1秒”で解きたい! 「8×2×0÷4」の答えは? 【算数クイズ】
-
【編み物】彼氏のために、緑と黄緑の毛糸を正方形に編んでつなげると…… 圧巻のおしゃれな大作完成に「息をのむほどすばらしいよ」
-
「レベル間違えてる」 イオンの“1944円恵方巻”、衝撃ビジュアルにネット大騒然 「なにこれ」「本気かよ」
-
100均ビーズをどんどんテグスに通していくと…… うっとり見入る完成品に世界が注目「これは傑作」「どれも可愛いいい!」
-
「こんなお母さんになりたい」 北海道で暮らす67歳女性の“手作り料理”がすてき 「参考にしたい」「ぱぱっと作ってみな美味しそう」
-
「この子はきっと豆柴サイズ」と言われた子柴犬、4年後の姿が大きな話題に…… それから約1年たった“現在の様子”を聞いた
-
親の反対を押し切り、17歳で同棲を開始→それから13年後…… 若くしてママとなった女性の“現在”が話題
- 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
- DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
- 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
- スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
- 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
- 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
- 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
- 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
- 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
- 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
- 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
- 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
- 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
- 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
提供:株式会社イーブックイニシアティブジャパン
アイティメディア営業企画/制作:ねとらぼ編集部/掲載内容有効期限:2018年11月4日