
昨年の東日本大震災の傷跡はいまだに癒えてはいない。そんな中、誰でも簡単に協力できる、Webで復興支援をしているサイト「後藤家の食卓」を発見した。似たような名前の番組があったな、と一瞬懐かしい気持ちにもなる、親しみやすいネーミングのECサイトだ。
後藤家の食卓は、宮城県石巻市の牡蠣漁師を支援するためのプロジェクト。広島に続く牡蠣の生産量を誇る同市だったが、震災の影響で多くの漁師が仕事を失ってしまった。牡蠣の出荷に必要な処理をするための処理場が損壊し、復旧していないためだ。この現状を打開するために、牡蠣愛好家の個人、オイスターバーなど、牡蠣をメインに扱う飲食店に直販している。
同サイトは牡蠣を購入できるだけではなく、コンテンツも充実していて見応えがある。牡蠣漁師である後藤さん一家が出演し、牡蠣の特徴やレシピを教えている。イベントのリポートなども、キレイな写真とともに掲載されているのが魅力的だ。牡蠣についてもっと知ってほしいという願いが込められている。
プロジェクトの中心として動いているのは、デザインなどを手がける企業ASOBOTのクリエイティブディレクター、近藤ナオさん。「社会課題をクリエイティブに解決する」という理念を掲げて活動している。近藤さんにプロジェクトへの想いを聞いた。
石巻牡蠣の現状

石巻の牡蠣は収穫後、処理場で処理され、仲買人の元へ出荷される。牡蠣には生食用・加熱用のむき身牡蠣、生食用・加熱用の殻付き牡蠣の4種類があるが、出荷される牡蠣の大半は、スーパーなどへ販売しやすく運送コストの安いむき身牡蠣。だが震災で処理場が損壊したためむき身処理ができず、出荷できない状態だ。
震災前、石巻市側のむき身牡蠣は仲買人へ1350トン出荷されていた。今期(2011年11月〜2012年5月)の出荷予定は250トンと、例年の5分の1に落ち込む見通しという。一般的には4月に稚貝を海に沈めて9月末から出荷するが、昨年は震災の影響で出荷ができたのは11月からと1カ月遅れた。出荷時期の遅延を理由に、大手スーパーなどから契約をキャンセルされる漁師もいた。
また袋詰めなどを行う仲買人の工場が復旧していない場合もあり、そのため販売量が落ち込んでいるのも大きな痛手だ。さらに、出荷できても風評被害が続いているため、都内スーパーなどで余ってしまう事態もあるという。


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