え、むっちゃんも出撃していたの!
艦これ秋のイベント“決戦! 鉄底海峡を越えて”に連動した“作戦的”プロフィール。これまでは、鉄底海峡で実際に起きた「第一次ソロモン海戦」「サボ島沖海戦」「ガ島艦砲射撃」「第三次ソロモン海戦第1次戦闘」「第三次ソロモン海戦第2次戦闘」、そして、「ルンガ沖海戦」と、激しい砲雷撃戦を交わした夜戦を中心に紹介してきた。
この時期、鉄底海峡ではないけれど、ガダルカナル島を巡って、航空母艦同士の戦いも2回発生している。その第一回戦となったのが、1942年8月24日の「第二次ソロモン海戦」だ。米軍では「The Battle of the Eastern Solomons」(東部ソロモン海戦)と呼ぶ。
ガダルカナル島に増援を輸送する船団を守るために起きたこの海戦に参加したのは、航空母艦「翔鶴」「瑞鶴」に軽空母の「龍驤」だ。ミッドウェー海戦で「赤城」「加賀」「飛龍」「蒼龍」を失ってから2カ月半。第一航空艦隊は第三艦隊と名前を変え、4人の先輩たちから未熟者といわれた第五航空戦隊の翔鶴と瑞鶴が、いまや第一航空戦隊となって日本の空母部隊を引っ張っていく立場になっていた。
日本の空母部隊は、翔鶴と瑞鶴の本隊と、その前方20海里(約36キロ)先で本隊を守る前衛部隊、そして、龍驤の支援部隊に分かれていた。本隊で空母を守るのは、駆逐艦「初風」「夕雲」「秋雲」「巻雲」に「風雲」「秋風」。前進部隊には、戦艦「比叡」「霧島」姉妹に、真珠湾攻撃から空母部隊の索敵を担ってきた重巡洋艦「筑摩」、第7戦隊生き残りの重巡「鈴谷」「熊野」、軽巡「長良」がいた。そして、支援部隊で龍驤を守っていたのが重巡「利根」と駆逐艦「天津風」「時津風」の“陽炎型四股名”姉妹だ。

龍驤たち支援部隊は、ガダルカナル島で米軍に奪われた飛行場を攻撃するため、本隊から離れて敵に向かって突撃していく。命令には書いていないけれど当事者たちは「こりゃ、俺たち囮じゃないの」と悟ったという。案の定、龍驤がガダルカナルへ攻撃隊を発進させた直後に米軍も龍驤に攻撃隊を発進させ、集中攻撃をうけた龍驤は沈没する。米軍攻撃隊に被害なし。しかし、龍驤のおかげで、翔鶴と瑞鶴は攻撃を免れることができた(ただし、輸送船団を護衛していた「睦月」も攻撃を受けて沈んでいる)。
日本軍は、1208(12時8分。以下同じ)に筑摩の索敵機が敵空母を発見したが位置を知らせる前に撃ち落とされてしまう。発見した時間から推測した敵の予想位置に向けて、翔鶴と瑞鶴から零戦10機と九九艦爆27機の第一次攻撃隊が1255に出撃、比叡の索敵機が再度見つけた敵艦隊を1420に攻撃した。米海軍は53機の戦闘機と戦艦、防空巡洋艦の強力な対空砲火で迎え撃ち、攻撃隊はその半分を失いながらも、空母「エンタープライズ」に3発の爆弾を命中させた。翔鶴と瑞鶴からは1400に零戦10機と九九艦爆27機の第二次攻撃隊も出撃したが、攻撃指揮官だった瑞鶴艦爆隊長機の通信機不調で敵を発見できずに引き返してしまう。
このほかにも、輸送船団を守る第2水雷戦隊の軽巡「神通」と駆逐艦シスターズや、第4戦隊第5戦隊の重巡たちで構成する「前進部隊」が参加していたが、この前進部隊には、日本で入浴……、いや、整備中の「金剛」「榛名」の代打として、なんと、戦艦「陸奥」が加わっていたりする。ただ、低速戦艦だけに重巡シスターズと行動を共にすることはできず、前進部隊が残敵を夜戦で撃滅するべく敵に向かって突撃したときも、後方に取り残されてタンカーの護衛を行った。とはいえ、栄光の第一戦隊で唯一ソロモン海域で作戦行動をしているのだから、「むっちゃんえらい! 」とほめてあげたい俺提督であった。

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