メスのサルによるシカへの性的なアプローチを観察した研究チームが、研究論文を発表しました。

論文はカナダのレスブリッジ大学の研究者が「Archives of Sexual Behavior」に寄せたもの。日本の箕面(大阪)で若いニホンザルのメスが、ニホンジカに乗って体を押し付けるなど性的な行為を行う様子が複数回観察されたとしています。
2017年1月にも鹿児島県屋久島でオスザルがメスジカと交尾しようとする行動を観察した論文が発表されました(関連記事)が、こちらは1つの事例の研究でした。レスブリッジ大学の研究は、明治の森箕面国定公園で2つのサルの群れを観察することで行われました(2014年11月〜2015年1月)。
その結果、サルとシカの間の性的な行動は、繁殖期に若いメスザルで見られたとのこと。マウンティングは258回観察され、成功したケースは12例だったといいます。これらの観察データを、過去のメスザル同士の性行為のデータと比較したところ、持続時間や頻度に優位な差はなく、メスザルのシカへのマウンティングは性的な性質を持つものだとしています。
メスザルはマウント中にシカに対してかむ、はねる、引っ張るなどし、またシカを見つめて甲高い声で鳴いたり、シカが去ると叫ぶなどかんしゃくのような行動を取ったりといった様子も観察されたそうです。またシカに乗っていたメスザルを別のサルが追い払う場面も見られたとのこと。

シカの反応はどうかというと、若いオスジカやメスジカはサルとの接触を避けようとした一方、多くの大人のオスジカはじっと立っていたり、えさを食べていたりしていたと研究者。サルがシカのグルーミングをするケースは過去にもあり、大人のシカそういったメリットからサルのマウンティングを受け入れるのではないかと示唆しています。

研究チームはシカへの性的アプローチの理由について、シカを使って交尾の練習をしている可能性や、未成熟なメスザルは大人のオスザルに拒否されるため欲求不満を解消するためにシカを代わりにしている可能性を指摘しています。また身体の小さな若いメスザルは、安全を求めて攻撃的なオスよりもメスを好む可能性があり、同様の理由で受け身のシカにアプローチしている可能性も示唆。

さらにこうした行動はそれまで箕面では観察されていなかったため、新しい習慣の初期段階かもしれないとも述べていますが、これが一時的な流行なのか文化的現象になるのかを確定するにはさらなる研究が必要としています。
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