老朽化やサービス向上を理由に、古い国鉄型車両の引退が相次いでいます。しかし2020年春のダイヤ改正で、そんな国鉄型車両を使う「新しい列車」も登場します。

なぜこのタイミングで新たに国鉄型が……? その理由と楽しみどころを紹介します。
「185系」を使う踊り子号が新宿から出発
2020年春のダイヤ改正で大幅な変化があった「踊り子」号(関連記事)。引退したスーパービュー踊り子号に代わり、サフィール踊り子号、「新宿駅あるいは池袋駅を発着する踊り子号」が登場しました。その中でも新宿発(土曜と休日は池袋発)の踊り子5号は、国鉄型電車である「185系」による運行です。

踊り子号は新型車両の「E257系2000番台」の投入が進んでいます。踊り子5号への185系の充当は、新しいE257系が入ってくるまでの代打とされます。
登場早々に置き換え予定が見えている運命の踊り子5号ではありますが、東京圏の主要駅である「新宿駅か池袋駅を発車する数少ない国鉄型」として、昭和世代の人やファンにとって、非常に貴重な存在です。2019年11月に新宿への乗り入れを開始した相鉄・JR直通線の「相鉄12000系」(関連記事)とすれ違う場面など、置き換わるまでの今しか見られないシーンも期待できそうです。
踊り子5号は平日は新宿駅を9時25分に、土曜と休日は池袋駅を9時14分に発車する
E257系による踊り子号も2020年3月14日から運行開始
「115系」の本気が楽しめる、しなの鉄道・軽井沢リゾート号
しなの鉄道では、快速「軽井沢リゾート」号の運行を開始しました。土曜と休日に軽井沢駅と妙高高原駅を1往復します。軽井沢リゾート号は新型車両「SR1系」を使用する全席指定の有料快速列車ですが、2020年7月までは無料の快速として「115系」が代わりに運行します。


妙高高原駅発の軽井沢リゾート4号は、上田駅から軽井沢駅まで33分ノンストップで走行します。しなの鉄道で30分以上走り続ける列車は軽井沢リゾート4号のみであり、上り勾配が連続する区間での115系の力強い走りを体験できます。
しなの鉄道の115系は車体カラーが7種類あります(関連記事)。しなの鉄道のオリジナルカラーから、なつかしの「湘南色」、「スカ色」、台湾鉄路管理局との交流事業から登場した「台鉄自強号色」など、バラエティに富みます。なお、しなの鉄道は公式Webサイトのお知らせ欄で毎回各カラーの車両運用行路表を公開してくれます。乗りに行くならば要チェックです。

軽井沢リゾート4号は、かつて特急列車も停車していた小諸駅を通過する
ダイヤ改正のたびに数を減らす国鉄型車両ですが、今回は「新列車」として新たに活躍しはじめる国鉄型電車もあったのにはちょっと驚きです。ただ、今回紹介した2つの列車はどちらもタイムリミットがあります。昭和の国鉄型電車、気になった人は早めに準備して、予定を組んでおくことをお勧めします!



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