フランス・パリ在住のミュージシャンで作家の辻仁成さんが3月28日、Webマガジン「designstories」で公開している滞仏日記を更新。新型コロナウイルスの感染拡大による都市封鎖(ロックダウン)が続く現地の様子を伝え、16歳の息子のメンタルや健康面を心配する親心を吐露しています。

都市封鎖から10日、フランス全土の学校が休校になってから約2週間が経過した現地から、「その間、息子は一歩も外出せず自分の部屋に籠り続けてきた」と息子の状況を伝えた辻さん。平日はオンラインによる授業を受けているそうで、「ネットの学校の中では、テストもあるし、質疑応答も出来る。ネットを通して、勉強を前に進めるシステムがもともと整っていたということだ」と学習面は問題ないとしつつも、「勉強が終わると、仲間たちとゲームサーバを介して仮想空間で集まり、遊んでいる。なので、息子は外に出る必要がなかった。ただ、親としては家にいることは安心だが、健康面が心配だ」と親心をつづっています。
さらに、息子と同世代の若者に新型コロナによる死者が出たことで、「疾患もない健康な若いジュリーさんが死んだことでフランス全土に衝撃が走った。この子の死は瞬く間にフランスの中高生たちにさらなる恐怖を植え付けることになる」と息子のメンタル面も心配している辻さん。「ロックダウンが進むにつれ、ウイルスを怖がる子供たち、そんな子供たちを心配する親たち。この先の展望が見えないせいで、誰もかれもが鬱々としている。この結果、家庭内暴力が僅かこの1週間でこれまでよりも30%も増えた」と悪循環が生まれている現状も危惧していました。

そんな中、外出を怖がっていた息子を説得し、都市封鎖のガイドラインの範疇で外に連れ出したことを報告した辻さん。2人で30分ほどランニングしたそうで、「逞しい身体を持っているが、まだまだ16歳である。30億人もの人が家から出られないこのような世界を前に怖がるのは当たり前のことだ」と息子の恐怖心に理解を示しつつ、「走ったことで、なんとなく、息子の顔つきが変わった。『明日も走ろう』と言ったら『うん』と戻って来た」と我が子の変化に親としては一安心したようでした。

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