わたしたちがふだん利用する一般道路は、管理者別に国道、都道府県道(以下、県道)、市町村道……といくつかの種類に分けられています。

その中で「県道」は、さらに2種類に分けられているのをご存じでしょうか。
一般的に、国道や県道には路線番号が付番され、路線番号が書かれた「案内標識」が立っています。その形状から道路ファンは、国道の標識を「おにぎり」、県道の標識を「ヘキサ」と呼んで親しんでいます。


では、道路番号に注目してみてください。5とか29などの若い番号から、いきなり「280」と3桁の番号に飛ぶことがあります。
県道番号は、1〜100番までは「主要地方道」、101番以降は「一般県道」と分けられています。
もっとも、これはあくまでも原則で、広大で道路の本数も多い北海道では200番までを主要地方道としており、東京都も300番台の路線を特例主要地方道に指定するなど、例外はあります。
付番ルールについての詳細は、過去記事「神奈川県道には明快な付番ルールがある」もぜひ一緒にご覧ください。

主要地方道とは、国道や高速道路とともに広域交通を担う幹線道路として位置付ける道路です。建設大臣(現・国土交通大臣)が数年おきに指定することになっていますが、国土交通省発足後、新規認定はされていません(2020年現在)。
“主要”の名前通り、2つ以上の自治体/主要都市を経由したり、起点・終点の少なくとも一方が駅、インターチェンジ、港湾、空港などの主要拠点や施設であることがほとんどです。単独の自治体だけを通る路線もありますが、こちらは指定後に沿線の自治体が合併したためであることが多いです。
主要地方道は県道のほかに、主要な市道が指定されることもあります。例えば神奈川県では横浜市道17号環状2号線などが主要地方道となっています。

一般県道は「それ以外」の県道です。各都道府県によっても違いますが、主要地方道の2〜5倍ほどの道路が指定されています。例外もありますが、一般県道よりも主要地方道の方が優先的に整備される傾向にあります。
クルマではとても通れないくらいに道幅が狭かったり、路面が舗装されていなかったり、そもそも通行止めだったり……。そんな状態の県道、道路ファンが愛称として使う「険道」は一般県道に多いです。


実は「色分け」されています
とはいえ、ふだん通行するときにそこまで県道の違いを意識することは少ないかもしれません。でも、実は意外なところでこの2つは明確に区別されるようになってきています。
「交差道路・路線番号標識」という標識があります。こちらは、横長の長方形、正確には方向を示す六角形や五角形の標識で「○○通り」や国道、県道の路線番号とともに、「国道=赤」「主要地方道=緑」「一般県道=黄」で色分けされています。
これは土地に不慣れな旅行者や、外国人観光客などに対しても分かりやすく案内ができるよう、路線番号による表示の充実を図るため、近年設置が進んでいる標識です。


この色分け、実は多くの道路地図やカーナビにも採用されているカラーパターンでもあります。
地図やカーナビを見る時に、道路の色にも注目してみると、より目的地へ行きやすい道を選べたり、いつもと違った発見があったりするかもしれません。

(少年B)



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