わくわくな列車、へぇぇ! なアイデア、実は第三セクター鉄道からたくさん登場しているのです。
第三セクター鉄道の、常識にとらわれない「新アイデア」「楽しい・乗りに行きたくなる企画」に期待
多くの第三セクター鉄道は経営環境が苦しくても、何とか存続させよう、乗ってくれるお客さんを増やそうとがんばっています。鉄道車両よりもコストを抑えられるバス型車両「レールバス」の導入、観光客を誘致するイベントの実施、名物となる列車の開発、企画列車本数の増発など、各社ともいろいろな工夫で路線の魅力を伝えています。

鳥取県の若桜鉄道は2009年、線路などの鉄道施設の保有を地元自治体(若桜町、八頭町)が持ち、運行を若桜鉄道が担う「上下分離方式」を導入しました。市町村が線路施設も保有する「公有民営化」は若桜鉄道の例が全国初となり、注目されました。
また京都府北部、兵庫県北部を走る京都丹後鉄道は、列車の運行を旅行業・高速バス会社のWILLERグループ(WILLER TRAINS)が、鉄道施設の保有を第三セクターの北近畿タンゴ鉄道が担うことで運営される鉄道会社です。2020年には日本の鉄道では初とする「Visaのタッチ決済」に対応したシステムを導入するなど、これまでの常識にとらわれないアイデアや工夫も取り入れながら運営しています。


感染症の流行とともに「移動」の概念、あたり前だったことが大きく変わった人も多いと思います。顧客の需要に沿った変革の努力はもちろん大手鉄道会社も行っています。しかし、第三セクターの鉄道会社も小回りが効く分動きは早いかも、また、思いもつかなかった別方向での施策が登場するかもしれません。
従来は国鉄ローカル線からの逆転劇が注目されがちだった第三セクター鉄道でしたが、これからは第三セクター鉄道のあっと驚かせる新しいサービスや仕組み、アイデアにも期待・注目し、そして乗ったり、見たりする旅に出掛けてみてはいかがでしょうか。
新田浩之(にったひろし)
1987年神戸市生まれ。関西大学文学部卒、神戸大学大学院国際文化学研究科修了。主に鉄道と中欧、東欧、ロシアの旅行に関する記事を執筆。2018年からチェコ政府観光局公認の「チェコ親善アンバサダー2018」を務める



