ニュースで、JRや大手私鉄の会社名とともに「第三セクター」と分類される鉄道会社があるのを聞いたことがあると思います。大都市部よりも地方に多い傾向です。「第三セクター」とは一体何なのでしょうか。

1980年代、JR各社の前身である国鉄は巨額の赤字に悩んでいました。「少しでも何とかしなければ」。そこで、利用客や収入が少なく、鉄道ではもう無理と判断した地方ローカル線を「特定地方交通線」(関連記事)に指定します。これに指定された路線は、鉄道よりも運営コストを抑えられるバス路線などに転換してなんとかする、あるいは廃線となってしまう岐路に立たされました。
「廃線だと? それは困る!」。沿線住民は廃線反対運動を展開します。それでも事業環境が厳しいのは変わりません。
そこで、国や地方自治体(第一セクター)と、地元などの民間企業(第二セクター)が共同出資して事業体(会社)をつくり、路線を引き受けることにしました。このような、第一セクターと第二セクターが共同出資してできた事業体を「第三セクター」と呼びます。「公的支援とともに、住民や沿線のために努力してなんとか路線を維持・存続させましょう!」と、この頃に多くの第三セクター方式鉄道会社が誕生しました。

地方を今なお元気に走る第三セクター鉄道の多くは、そんな廃線の危機を乗り越えた鉄道会社です。東日本大震災被害からの復興で感動を呼んだ三陸鉄道(旧国鉄盛線、宮古線、久慈線/関連記事)や2016年の熊本地震で甚大な被害を受けて現在も復旧工事中、2023年夏の全線復旧を目指している南阿蘇鉄道(旧国鉄高森線)などもそうです。
しかし存続したとはいえ、何もしないのでは状況が変わることもなく赤字のままでしょう。当初から第三セクター鉄道を取り巻く経営環境は厳しいものがありました。残念ながら、努力しながらも廃止になった第三セクター鉄道もあります。例えば、国鉄三木線を引き継いだ兵庫県の三木鉄道は2008年に廃止となりました。

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