あまりに華麗なスルーっぷり。でも、すごく「愛され」ているんです。
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そして終点へ…… 「湯玉駅」に到着 やっぱりここにも不思議が
では、いよいよ県道270号の終点まで行きましょう。
宇賀本郷駅を華麗にスルーした県道270号は、国道191号に隠れたまま進みます。宇賀本郷駅から300メートルほど進むと、ちょっと紛らわしい字面である「県道260号」が表れ、左方へ分岐しますが、県道270号はやっぱり国道191号に隠れたまま直進します。

ここから約300メートル、県道270号はようやく国道191号との重用区間から離れて姿を見せます。先ほどの県道260号との分岐点は信号付きの比較的立派な交差点でしたが、ここは信号もなく、ただの脇道です。この扱いの差は何なんだ……。









ついに県道270号の終点「湯玉駅」に到着しました。おつかれさまでした。

なぜ県道270号の終点は「湯玉駅」なのか
あらためて、県道270号の終点はなぜこの「湯玉駅」なのでしょう。
県道270号が指定されたのは1958年10月1日。宇賀本郷駅はその直前の1958年7月19日にできました。ルートの計画段階では宇賀本郷駅は恐らくまだ存在していなかったことになります。一方の湯玉駅は1925年にできた歴史のある駅で、既に主要な駅として使われていました。

小さな宇賀本郷駅に対して、湯玉駅のホームは2面2線で列車交換もできる比較的大きな駅です。待合室には「長門市/京都方面のりば」の看板もありました。2022年現在、湯玉駅から京都駅へ直通する列車はありませんが、ここから京都方面へ行くのに重宝されたと思われる当時の賑わいを感じさせます。

このことから、県道270号はやっぱり「湯玉駅へのアクセス」を目的につくられた道なのでしょう。でも、この他にもいくつか不思議項目があります。
県道270号と直接つながっているのは湯玉駅の長門市方面ホームに続く海側の駅舎です。反対側の小串・下関方面ホームに隣接する山側の駅舎は県道270号より前の1953年に制定された国道191号に面しています。別にここが終点でもいいのに、県道270号はなぜ直前でわざわざ海側へ分岐したのでしょうね。


もう1つ、県道270号の起点はなぜ国道435号だったのでしょう。県道270号の延長は約12キロです。生活道路としての役割は別にして、湯玉駅付近の国道191号から分離した県道だとすれば延長は1キロ程度で済みます。停車場線と付けられる県道は、一般的に駅と最寄りの国道を結んでいることが多いです。停車場線と名付けるならば国道191号を起点とする方が自然なのですが、どうなのでしょうね。
なぜ宇賀本郷駅をスルーしてひと駅ぶん線路と並行するのか、なぜ起点があんなに遠いのところなのか。もしこんなルートでなければ、この道に興味を抱き、訪れなかったかもしれません。
鉄道移動が活況だった60年も前の不思議なルート設定の謎に思いを馳せながら、わたしはこの道を後にしました。

(少年B)



