俳優・声優らが所属する協同組合「日本俳優連合」は6月13日、公式サイトで「生成系AI技術の活用に関する提言」を発表。声の肖像権の新設を含む法整備や新たなガイドラインの策定の必要性を唱えています。

発表では、AI技術の発展が世界中で議論を巻き起こしている現状について触れ、「私たち実演家としても、新しい技術の進化による人間社会の発展は望ましいことであると考えます」とする一方、「新しい技術が私たち実演家の、表現の模倣・盗用を安易に促し、職域を侵害する恐れがあるのではと危惧しております」と指摘。それを踏まえた上で下記5項目を提言として掲げました。
- 国内外での意見交換を活発に行うとともに、EUによるAIACTの考え方に大いに賛同し、これを参考にしたガイドラインの策定を行う
- 学習素材は著作者が許可を与えたもののみを使用可能として、著作権法新30条4の運用の見直しを諮る
- 機械学習の結果によるアウトプットのイラスト、写真、映像、音声など全てのものにAIによる生成物であることを必ず明示する
- AIの「表現」分野への進出については、一定のルールを設ける。具体的には、人間の代替としてのAIによる表現※をしてはならないと規定する ※ただし情報の伝達は可、福祉的な利用はこの限りではない
- 「声の肖像権」の設立を目指す。これまでは声と表現が切り離されて使われることが想定されていなかったため、外見だけではない「声の肖像権」の新設を急ぐ
同連合は、「闇雲にAI技術を含めた新たな技術の規制を行うことを目指しているわけではありません」と説明した上で「芸能芸術分野を含むあらゆる分野でAIと人間が共存するために、今は一度立ち止まって、使い方を考え、ガイドラインを制定する必要があると考えます」「あくまで主体は人間であり、その補助的な役割をAIが行うという主旨のもと、業界内に留まらず多くの皆様の議論が活発となり、新たなガイドライン、法律の制定を強く望みます」と考えを明らかにしています。

提言は、国際的な取り組みと調和を図ろうとしている点や、声優や俳優などの演者の権利を守ろうとする姿勢は意義深いですが、一方で、「人間の代替としてのAI表現の禁止」のように、一見合理的に思えるものの制約としては厳しく、また、具体的な方法論や運用の方法には踏み込んでいません。ネットでは肯定的に受け止める声だけでなく、「声の肖像権」の設立に懐疑的な声、今後の法整備について意見する声などさまざまな意見があがっています。
《実物に意図的に似せているものについては規制が必要だろうなぁ》
《今はRVCもあるし悪用しようと思えば幾らでも出来ちゃうからな》
《これはむつかしい。Aに似ているとして、それが本当にAに由来しているかどうかをどのように判明させるのか》
《声の肖像権に至っては、そもそも肖像権本体が未だに法文化されてない》
《声の肖像権って形で保護したとしても、誰にも似せていないオリジナルの声をAIで作られたら意味ないんじゃないのか?》
《自分達の食い扶持に関わる話だから気持ちはわかります。だけど特定産業の保護のために法規制するのは、社会にとってマイナス》
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