夏といえば怖い話。とても古い時代から続く夏の風物詩で、もともとは「お盆に現世へと帰ってきた、少なからずいる浮かばれない霊へ対する鎮魂」という意味を持っていたそうです。
そこで今年は「ねとらぼ怖い話特集・2023年」として、読者やライターが実際に体験した怖い話を、5夜連続で皆様にお届けします。過酷な暑さが続いていますが、ほんの少しでも涼を取っていただければ幸いです。
さて、第2夜は読者の匿名希望さんが寄せてくれた、海の近い駐車場で起きた、偶然とは思えないお話です。

ある海岸近くの駐車場にて
これは私と妻が結婚する前のこと……30年以上前に体験したお話です。
当時は妻との交際を始めて間もないころでして、深夜のドライブを2人で楽しんでいたんです。道中で運転に少し疲れたので、ちょうど見つけた海岸沿いの駐車場に車を止めまして、2人で楽しく会話をしていたんですよ。
しばらくは楽しい会話が続いていたのですが……とつぜん妻の顔が真っ青になり、うつむいて身体をこわばらせてしまったんです。一体どうしたのか尋ねたところ「早くここから離れよう、ここにいたくない」と言うんですね。
言われた通りにすぐ車を発進させましたが、妻の様子は相変わらずうつむいたままで……もう一度様子を尋ねたらですね、こう言ったんです。「のぞいてる……まだのぞいてる……」って。
しばらく車を走らせ、あの駐車場からかなりの距離を取ったところ、ようやく妻が落ち着きを取り戻しました。そこであらためて何があったのか聞いてみたのですが……いわく「運転席の窓に幽霊が張り付いて、私たちをずっと見つめていた」そうです。

この話には続きがありまして。それから数年後、私は義母と義弟夫婦と一緒に食事をしたんです。その帰りにあの事件が起きた駐車場に車を止めまして、海を眺めながら釣りの話をしたんですよ。
すると義母が血相を変えて「こんな場所で釣りなんてやめなさい、引っ張られる!」「ほら、そこらじゅうにいっぱいいるじゃない!」と大声を張り上げたんです。
後に知ったことなのですが、あの駐車場がある海岸辺りは「海が荒れると非常に危険で、釣りをしている人が波にさらわれる事故が何度も起きている」という場所だったんですね。
妻があの日に見た「何か」、釣りなんてやったこともない義母から出た「こんな場所で釣りなんてやめなさい」という発言、義母に見えていた「そこらじゅうにいっぱいいる何か」……2人が口裏を合わせているとは思えませんし、あそこにはきっと「何か」が潜んでいるのでしょうね。
投稿者:匿名希望さん
構成・記事:たけしな竜美(@t23_tksn)
ねとらぼ怖い話特集・2023年
- 第1夜:墓園で目撃したおじさんが……
- 第2夜:とつぜん妻の顔が真っ青に……
- 第3夜:金縛りを引き起こしたものは……?
- 第4夜:部屋の外から自分を呼ぶ誰かの声が……
- 第5夜:窓の方から「ちりん、ちりん」、音がだんだん大きく……
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