
ことさらに暑かった印象の2024年の夏が、少しずつ涼しくなってきました。気温が穏やかになりつつあるのを感じると、お出かけしたり、新しいことをやってみようかな、なんてあれこれ気になったりします。今回は、はじめての味との出会いを楽しむ同人誌です。
今回紹介する同人誌
『南の魚は美味しい!』B5 28ページ 表紙、本文カラー
著者:生うに

南の魚を料理する
このご本には、作者さんが南の地方で獲れる魚のおいしさを探求してみたいという思いのもとに、ご自身で購入した魚を調理する様子が載っています。ハマダイ、ナンヨウブダイ、シロブチハタの3種の魚を、学生時代に調理師免許を取得したという作者さんがさばき、刺身や竜田揚げ、アクアパッツァといった料理に仕上げていく工程が写真付きで紹介されています。

調理するための旅に出発!
出来上がった料理はどれも見事な出来栄えですが、実はそのうち2種の魚については、旅行先の沖縄で作ったものだとか。南の魚をおいしく食べたいという思いでキッチンがついているタイプの宿を選び、現地のスーパーでお買い物をして調理に臨んだそうです。
魚釣りならその場でさばいたり、大人数の旅行であればキッチンでごはんを作ったりするイメージも湧くのですが、調理そのものが旅の主な目的なのは、なんとも新鮮に映ります。

知らない味わいと出会い、親しむ
初めて出会う食材は、どうやったらおいしくなるのか、ともすれば困惑してしまいそうな気もしますが、そこは料理好きの作者さんのバランスが光るところ。旅先ということもあって調味料や道具も限られているなかで、これまでの経験から、この調理法ならきっとおいしくなるという予測をしながら作り進めていきます。
ご本からは作者さんが初めての食材とどう向き合ったかの様子が、そこかしこににじみ出ます。魚の皮の色を生かすといいかな? 身はもっと厚めの方が良かったかな? と試行錯誤する様子が短いコメントからうかがえたり、時には出来上がった料理を前に、もっともっとおいしくできたかも……と反省点も添えながら取り組む姿に、料理ってチャレンジする楽しさがたくさん詰まっているんだ、と気付かされました。調理手順は明快で分かりやすく、そして料理をする上で気を付けるポイントにも触れられているので、やってみようかなという気分が高まります。
シンプルに見える調理紹介の中にも、作る楽しみ、食べる楽しみを自分で見つけに行く、そして食材の良さを探るっていいなぁ、というのが伝わってくるご本でした。

サークル情報
サークル名:シロサバフグ
現在入手できる場所:とらのあな通信販売
次の参加予定イベント:おもしろ同人誌バザール(2024年11月3日、場所:ベルサール神保町)
今週の余談
その土地ならではの材料と、流通に注目しての旅、とても楽しそうです。南方面は魚の色すら華やかそうなのもわくわくします。
みさき紹介文
公共図書館、専門図書館に勤務していた元司書。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えたあたりで数えるのをやめました」と語る。
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