およそ1世紀にわたり、確かな生息記録が途絶えていた鳥がアフリカで再発見されました。

 見つかったのは、サハラ砂漠南縁部のサヘル地域に生息するヒバリの一種「Rusty Lark(学名:Calendulauda rufa)」。1931年に標本が採集されて以来、科学的に確認された記録がなく、“失われた鳥”の一種とされていました。

 ところが2026年2月、チャド中部で調査中の国際チームが偶然その姿を発見。約94年ぶりとなる生息確認に加え、生きた個体の写真と動画を世界で初めて撮影することにも成功しました。

advertisement

水鳥を調査中、見慣れないヒバリを発見

 歴史的な発見があったのは、2026年2月2日。場所はチャド中部ゲラ県にあるアブ・テルファネ野生生物保護区です。

 調査チームは、もともとRusty Larkを探していたわけではありませんでした。水鳥の調査でチャドを訪れ、別の鳥を探していた際、地上にいるヒバリの仲間に気づいたそうです。

 当初は現地で比較的よく見られる鳥と思われましたが、よく見ると特徴が異なります。そこで撮影した画像を複数の専門家が調べた結果、Rusty Larkであることが確認されました。

 確実な記録としては約94年ぶり。さらに2月15日にも、同じ個体とみられる鳥が現地で確認されています。

画像はWestern African Bird Database(Credit:Julien Birard)からの引用
advertisement

1931年以来、確かな記録が途絶えていた

 Rusty Larkは、乾燥したサバンナや半砂漠を好む小型の鳥で、ニジェールやチャド、スーダンなどに分布すると考えられています。最後に確実な記録が残ったのは1931年5月。現在のニジェールにあたる地域で複数の標本が採集されました。

 その後も目撃例はあったものの、種を確定できる証拠には至りませんでした。2017年にはRusty Larkとみられる写真も公開されましたが、後に別種だったと判断されています。

 こうした状況から、Rusty Larkは「Search for Lost Birds」が定める“失われた鳥”の基準を満たしていました。

 ただし、正式に絶滅種とされたことはありません。IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは「軽度懸念(Least Concern)」に分類されています。

 生息するとみられる地域は広い一方、立ち入りが難しく、治安などの事情から調査が十分に行われてこなかった場所も少なくありません。長年姿が確認されなかった背景には、こうした事情もあるとみられます。

画像はWestern African Bird Database(Credit:Julien Birard)からの引用

生態には今も多くの謎があるRusty Lark

 Rusty Larkは体長およそ14センチ。細長いくちばしや淡い眉斑、赤みを帯びた耳の周辺、うろこのように見える赤褐色の背中などが特徴です。オスとメスの外見には大きな違いがなく、主に昆虫や節足動物、植物の種子などを食べるとされています。

 一方、繁殖や鳴き声については分かっていないことも多く、今回の再発見でも鳴き声を録音することはできませんでした。

 約94年ぶりに、生きた姿が確認されたRusty Lark。長い間、記録が途絶えていただけに、今回の再発見をきっかけに、これまで謎に包まれていた生態が少しずつ明らかになっていくかもしれません。

advertisement

参照