【連載:サラリーマン、プリキュアを語る】まさか「ミスティックストライク」に泣かされる日が来るとは思いませんでした。
ゲストプリキュアにも注目
今作には、ゲストプリキュアとして「わんだふるぷりきゅあ!(わんぷり)」と「キミとアイドルプリキュア♪(キミプリ)」が参加しています。
「1999年の世界にどうやってわんぷりやキミプリを登場させるの?」と誰もが首をかしげたはずですが、これが見てみれば本当にうまい具合に処理されています。
そして「わんぷり」も「キミプリ」も、単に映画の“にぎやかし”で戦うのではなく、それぞれの作品が持つテーマやキャラクターの持ち味にしっかりと沿った演出とアクションが展開され、違和感なく物語に溶け込んでいるのです。個人的にはキュアウインクの活躍がうれしかったのです(ちなみに「わんぷり」の兎山悟、大福のファンには、うれしいサプライズも用意されているので、ぜひその目で確かめてみてください)。
劣等感を持つ少女、かりん
本作のゲストキャラ、14歳の少女「かりん」は、自分に自信がなく、周りの友人たちと自分を比べては劣等感にさいなまれる姿が描かれます。
周りと自分を比べ「自分なんてダメダメだ」と自己嫌悪に陥ってしまう経験は、多感な子どもたちだけでなく、日々を生きる大人にとっても大きく共感できるものです。
さらに本作では、“キラキラで輝いているプリキュア”の姿が、かりんの劣等感を大きく誘発してしまいます。マイナスな思考下では“まぶしすぎる光”は逆に闇になってしまう、ということが描かれるのです。
そして、本作の敵キャラ「ダメダメ」がつけるバツ印は、人間に付くとその人は動けなくなってしまいます。そのためバツを自分で取ることはできずに、誰か他の人に取ってもらう必要があります。
この「バツを自分で外せない」という設定がとても面白いのです。
「自己否定」におちいると、一人では解決することはできない。
プリキュアたちがバツ印をつけられ身動きが取れなくなったとき、そのバツ印を取るのは誰なのか?
身動きがとれなくなるほどの「自己嫌悪」に、プリキュアたちはどんな解答を出していくのか? も本作の見どころの一つです。
「頑張ってもうまくいかない」
「周りがすごく見えて、自分だけが置いていかれる気がする」
そんな、立ち止まってしまう子どもたち(そして大人たち)に向けて「一歩踏み出すことの大切さ」をこの映画は伝えているように感じます。
小林みくるの活躍がうれしい
この映画、個人的には小林みくる(キュアミスティック)が活躍しまくるのが最高に良かったのです。
物語の序盤、ずっとプリキットブックを持ってメモとりながら一生懸命推理している姿がけなげでステキですし、ジェット先輩をずっと気に掛けているのもみくるです。
中盤、キュアアルカナとふたりで行動している時に、とっさの行動でキュアアルカナに褒められるシーンのみくるの「アルカナに認められた笑顔」はこの映画の僕的ナンバーワンです。
そして、なんといってもバディであるあんなの大ピンチを助けるのもみくるの役目です。
まさか「ミスティックストライク」で泣かされるとは思わないじゃないですか。
最高の場面で放たれる「ミスティックストライク!!」をぜひ映画館で体験してほしいのです。
そして終盤のあんなに向けたみくるの心からの叫びは、本作の最大の見せ場となっています。この「みくるの叫び」から映画の雰囲気は一変、クライマックスに向けて急加速していくのです。

「一歩進む勇気」をもらえる映画
キレッキレで豊富なアクションシーンの連続はさすがの劇場版。作画も最高です。
ゲストキャラは妖精2人と女の子1人の3人なのに、なぜサブタイトルが「2人の秘密」なのか?
わずか71分の中で物語が組みあがり、その謎が解けていくカタルシス。
終盤の「プリキュア3世代オールスターズ」の総力戦は最高にカッコイイ。
ここはもう理屈じゃないんです。たくさんのプリキュアが総力をあげて戦う姿はいつだって美しいのです。
そして脚本の成田良美氏の真骨頂「戦いながら敵と問答する」いわゆる「プリキュア問答」も健在です。プリキュアの会話を通して、今を生きる子どもたちに、真っすぐなメッセージを届けます。
“フューチャーフォーム”とはすなわち、未来の子どもたちの、そしてあなたの姿。
「自分はダメダメな人間だ」と、いつも自分の長所を見失ってしまうそこのあなた。
「周りの凄さに、つい落ち込んでしまう」そこのあなた。
一歩踏み出して、この映画見てみませんか?
本作では「ダメダメ」であることを否定しません。
ダメダメだって思っちゃう日もあるけど、また立ち上がるための勇気をプリキュアがくれる。そんな物語だと僕は思います。
頑張っている自分に悲観しないでほしい。
まずは一歩進んで、この映画を見てみるのも良いのではないでしょうか。
あんなの最後の言葉は、きっとあなたを勇気付けてくれるのです。
(C)2026 映画名探偵プリキュア!製作委員会
(C)ABC-A・東映アニメーション
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