今年度の「第19回デジタルコンテンツグランプリ」は豊作でした

毎年名を変えながらも続いている「第19回デジタルコンテンツグランプリ」贈賞式をちょっと覗いてみた

» 2005年01月27日 00時03分 公開
[加藤亘,ITmedia]

「第19回デジタルコンテンツグランプリ」贈賞式開催

 財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAj)と経済産業省が共催の「第19回デジタルコンテンツグランプリ」贈賞式が1月26日、都市センターホテルにて開催された。

 本年度から新たにノミネーターを導入し、国内を対象にしたサービス・システム創出部門では72件、ヒットコンテンツ部門では67件の推薦案件を評価した。

受賞の理由は……

 ヒットコンテンツ部門は、高水準のため選考に苦慮したとのことだが、「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」が国民的シリーズでありながら新しい試みに果敢に挑戦し、その表現力と完成度を評してDCAj会長賞に。優秀賞には日本デジタルアニメーションの最高水準作品として「イノセンス」、世界中のスタッフを集め日本で制作された点とSIGGRAPHでのCGの完成度の高さを評価して「鬼武者 3」のオープニング シネマティクスが。ネットから生まれたテキストコンテンツの中での成功モデルとして「電車男」が。インディーズCGクリエイターが海外へと活躍の場を広げた点を期待して「MINI CONVERTIBLE."How to Jump"」が選ばれた。

 表彰にあたり、河口洋一郎ヒットコンテンツ部門審査員長は今年の内容の濃さに触れ、パチスロ「北斗の拳」の受賞もあり得たとも語り、日本のデジタルコンテンツの将来に大きな期待を寄せていた。

DCAj会長賞に選ばれ代表で賞を受けた堀井雄二氏。トゥーンシェーディングの採用により、フィールド画面やキャラクター、モンスターをすべて3D化するなど、新しい試みを評価された
左は現在50万部を突破し、漫画化・朗読劇化も決定している「電車男」。右は「スキージャンプ・ペア」の真島理一郎が監督したMINIを生産したいるオックスフォード工場研究室内での、衝突実験人形達のMINIの乗り方研究をしている映像
受賞者は左から「イノセンス」制作を手がけたプロダクションI.G石川光久氏、「鬼武者 3」のオープニング シネマティクスを手がけたROBOTの倉澤幹隆氏、「電車男」を代表して、2ちゃんねるより西村博之氏。そして「MINI CONVERTIBLE."How to Jump"」からはビー・エム・ダブリュー大喜多寛氏と監督の真島理一郎氏

 またサービス・システム創出部門では昨年、同じく経済産業大臣賞を受賞した「RETAS」に続き、セルシスが2年連続の受賞となった。アニメ制作のデジタル化を進めてきた同社が、そのノウハウを活かし漫画の制作ツールを作ったことが評価。「ComicStudioEX Ver.3.0」は2001年8月にVer.1を発売以来、あらゆるユーザーからの意見を反映。70以上の新機能と300以上の昨日改良を行い、大手印刷会社までもが「ComicStudioEX Ver.3.0」を使用するに至り、今後のさらなる発展を期待しての受賞だ。

 EZ「着うたフル」は昨年度のサクセス賞だった「着うた」とはクオリティ・著作権保護などの点で一線を画す新たなサービスだった点を、「jigブラウザ」は携帯によるWebブラウザの表示を可能にした技術力と、携帯独自のコンテンツだから課金するとした従来の常識を覆し、ユーザーの利便性を向上させたサービスとして評価。ソーシャルネットワーキングサービス「mixi」(ミクシィ)は今も膨らみ続ける会員の関係性の可能性と、インタフェースの良質さはもちろんのこと、現在の無料サービスの先にあるビジネス化を期待して。「ニンテンドーDS」のワイヤレス・システムは、多機能でありながら誰でも簡単に楽しめる試みがされている点が受賞の理由とされた。

 表彰者でもあったサービス・システム創出部門審査委員長の浜野保樹氏は、やはり審査は難航したものの、大変満足な受賞だったことを語った。ゲーム機のくだりでは、携帯ゲーム機のインタフェースの簡略化が今後さらに促進されることを期待しているとも述べた。

受賞の挨拶をする「ComicStudioEX Ver.3.0」のセルシス川上陽介氏。アナログ作品の雰囲気を再現しながらも、デジタルならではの効率と品質を実現したことを評価された

 この「デジタルコンテンツグランプリ」は、国内部門においてはデジタルコンテンツ産業の新市場創出と人材発掘を目的に、商品化されたコンテンツやサービス・システムなどのうち、特に優れたものを発掘、評価し功績を称えることを目的に、海外部門では海外のデジタルコンテンツ産業振興に関わる組織との理解促進・連携強化、海外のクリエイターと日本のクリエイターとの相互啓発を目的に、海外の若いクリエイターの優れた作品を評価し、日本での活躍を期待することを目的としている。

サービス・システム創出部門受賞作品

作品名受賞者(敬称略)
グランプリ(経済産業大臣賞)ComicStudioEX Ver.3.0株式会社セルシス
優秀賞EZ「着うたフルTM」KDDI株式会社
優秀賞jigブラウザ株式会社jig.jp
優秀賞ソーシャル・ネットワーキング サービス「mixi(ミクシィ)」株式会社イー・マーキュリー
優秀賞「ニンテンドーDS」のワイヤレス・システム任天堂株式会社

ヒットコンテンツ部門受賞作品

作品名受賞者(敬称略)
DCAj会長賞ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君株式会社スクウェア・エニックス/堀井雄二/すぎやまこういち/株式会社レベルファイブ
優秀賞イノセンス監督:押井守/制作:プロダクション・アイジー
優秀賞「鬼武者3」オープニング シネマティクス株式会社ROBOT
優秀賞電車男株式会社新潮社/男たちが後ろから撃たれるスレ/2ちゃんねる
優秀賞MINI CONVERTIBLE. "How to Jump"ビー・エム・ダブリュー株式会社 MINIディビジョン/有限会社イディオッツ代表取締役 真島理一郎

海外部門受賞作品

国名作品名受賞者(敬称略)
優秀賞韓国Wild roseHan Byung A
韓国文化コンテンツ振興院長賞韓国ESPERANTOOh Ja-Kyun
台湾デジタルコンテンツ産業プロモーションオフィス院長賞台湾THE FASHIONABLE VS. THEANTIQUARIAN BROGENTTECHNOLOGIES INC.
特別賞カナダTockie, The Blue RabbitBrogent Technologies, Inc.

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