知らないかも知れないが老舗です――ディズニーのゲーム部門ブエナビスタゲームズを行くブエナビスタゲームズブース

旧社名から数えて15年以上の歴史を持ち、E3も皆勤のブエナビスタゲームズ。年末公開の映画を中心としたラインナップを展示していた。数々の仕掛けがディズニーらしいブースをご紹介。

» 2005年05月21日 02時03分 公開
[岩井省吾,ITmedia]

 ディズニーのコンシューマプロダクツ部門に所属し、ゲームソフト開発・発売を行うブエナビスタゲームズ(Buena Vista Games)は今年もエレクトロニック・アーツの隣という一等地に居を構えて大々的な展示を行っている。

 10年前はPCソフトを主に開発し、コンシューマソフトは監修を行うという、いわゆるライセンサー業務がメインだった。しかし、コンシューマゲームの台頭によってPC部門は縮小、2002年から始めたGBAタイトルの自社発売をきっかけにコンシューマタイトルの製作・発売に軸足を移し、去年の「TRON 2.0 Killer App」からは据置機向けの自社発売を開始した。

 今年に入っては開発力を確保するためにソルトレイクのゲーム会社「Avalanche Software」を買収したり、EAカナダの社員を引き抜いて新スタジオを作ったことでも注目を集めている。

 つい先日、アクレイム社のFPSゲームが人気だったアメコミ「Turok」の版権を確保したこともあり、Mature(大人向け)タイトルへの参入も考えられる。

 先月にはSIMPLEシリーズでおなじみのD3パブリッシャーが、日本での同社タイトルの発売権を確保したというニュースが入った。これはパブリッシャーへの移行により、日本の販路が必要に迫られているBVGの事情と、フルプライスタイトルの拡充を望むD3Pの思惑が一致した、という感じだ。

 とはいえ、日本においてはディズニータイトルの訴求度は低い。そんな中で今年は紹介を見送ろうと思ったのだが、なんと今年の新作ディズニーアニメ映画「チキン・リトル」の監督とプロデューサーが来るという情報が。

地球の危機はニワトリが救う?

 ディズニーアニメ最新作「チキンリトル」はディズニーが本格的に3DCGアニメーションに参入する最初の作品で、その意気込みも半端じゃない。なんと、映画公開前なのにディズニーランドにキャラクターが登場するという、極めて異例なプロモーションを展開している(ディズニーランドにキャラクターが登場するのは慣例では映画公開と同時)。

 そんなわけで、プロモーションの一環としてE3でも監督とプロデューサーがやってきてサイン会を開くことになった。筆者もいろいろあってサイン会に並ぶことに。

左がプロデューサーのランディー・フルマー氏。「ライオン・キング」や「ノートルダムの鐘」などを手がける。右が監督の「マーク・ディンダル」氏で「ラマになった王様」の監督

 ちなみに筆者は「ラマになった王様」のDVD(コレクターズエディション・日本未発売)にサインをしてもらう。家宝がまた増えた。

 さて、忘れないうちにゲーム紹介を。ゲーム自体は3Dのアクションゲーム。主人公のチキンリトルや仲間たちを操作して様々な冒険をするというアクションゲーム。映画のネタバレになるので詳しいことは書けないのだが、宇宙人が襲来するということもあるので、宇宙面なんかもあるらしい。アメリカでは11月の映画公開直前に発売され、日本でも映画公開に合わせてゲームが発売される予定だ。

本作はこの前BVGが買収した開発スタジオ・Avalanche Softwareによって開発されている

一押しはナルニア国物語

 今年の一押しは日本では多分「キングダムハーツII」と言われそうだが、BVG的には「ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女」となるらしい。ブースには1時間間隔で映画の予告編が流れ、終了後には映画の舞台をイメージさせるように雪が舞う。さすがはディズニー(ディズニーランドではクリスマスシーズンに雪が降るのだ)。

ディズニーの技術をフル活用。わかりづらいが会場に雪が降る
映画のプロップやキャラクターの等身大フィギュアなども置かれていた
キングダムハーツファンの方々へ。1ピコセカンドでもいいですから、この人のことをたまには思い出してあげてください。我らのリーダーもちゃんと存在感を出してます

 ゲームはロードオブザリングのようなアクションゲームになるようで、E3バージョンでは2人のキャラクターを交互に操作して敵を倒すシステムになっている。

本作はディズニータイトルとしてはやや対象年齢が高いタイトルになりそう。画面はDS版
開発は「ファインディング・ニモ」や「クラッシュバンディクー4&5」のTravellers Tales。このようにグラフィックなどの技術は非常に高いのだが、ゲームシステム・バランス設計に難のある会社として知られる。注目作なだけにライトゲーマーにも配慮したゲーム作りをお願いしたい。こちらはGBA版

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