桃太郎で行っとけ!「桃太郎活劇」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/2 ページ)

» 2005年07月26日 10時00分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]
前のページへ 1|2       

誰でもクリアーできるゲームにするための工夫

 各ステージの最初には村がある。桃太郎はここで刀や防具、道具を買ったり、宿で体力を回復したりできる。

画像 村人に話を聞くと、アドバイスや、そのステージの目的を聞くことができる。中にはダジャレしか言わない人もいるが

 村を出るといよいよ、鬼たちとの戦いになるわけだが、簡単だからといっても、決して単調なわけではなく、ステージの構成も、出てくる鬼たちも、バラエティーに富んでいる。

 「桃太郎伝説」からの伝統で、ちょっと遊び心の入った敵キャラクターが多い。

 ラインダンスする鬼や、入れ歯を飛ばす鬼。転がってくる金太郎飴。

 新体操をする鬼。シンクロナイズドスイミングをする鬼。傘でマスを回す太神楽の鬼。

画像 敵キャラクターばかりではなく、ステージ自体にもいろいろな工夫が凝らされている。氷のステージや、鬼の体内に入るステージには、ワナや仕掛けが多い

 ステージの途中、区切りとなる場所に、地蔵が立っている。

 地蔵に話しかけると、「一曲聴いてもらえんか?」と言われるが、この“曲”というのがパスワード。一度ゲームをやめても、再プレーのときにその位置からスタートできる。

画像 「天の声」などのバックアップユニットか「CDロムロム」があれば、バッテリーバックアップでデータをセーブすることも可能

 ステージ中盤には仙人の家がある。

 ここに立ち寄ると、“仙術”が使えるようになるのだが、ただ立ち寄るだけでは仙人も術を教えてくれない。

 仙人の出す昔話クイズに答えたり、仙人と「あっちむいてホイ」をやったりして、新しい術を覚えていくのだ。

 仙術のうち、最初のステージで覚える「ももひえん」は特に重要だ。

 ももひえんは、今まで立ち寄った村に戻る術。これを使えば、ステージの途中でピンチになっても、村に引き返して、宿に泊まることができる。

 宿に泊まった後、もう一度ももひえんを使えば、最後に立ち寄った地蔵の所へ戻れるのだ。

 繰り返し、敵を倒してお金を貯めれば、強い刀や防具を買える。

 RPGのように、敵を倒してピンチになったら宿に帰るというプレーが可能になっているわけだ。

 ちなみに「GENJI」も、途中で前のステージに戻って、主人公を強化できる。

 「GENJI」にある経験値とレベルアップが「桃太郎活劇」にはないなど、両者のシステムには違いがあるので、「GENJI」が直接「桃太郎活劇」を参考にしたなんてことはもちろんない。

 だが、アクションの苦手な人でも、主人公の強化によって、先へ進めるようになっているという点で、「桃太郎活劇」と「GENJI」は似ていると言える(無理やりだが)。

画像 各ステージの最後には、巨大なボスキャラがいる。足柄山のボスは金太郎飴を投げてくる
画像 「きびだんご」を使って、犬、猿、キジを呼ぶこともできる。足場の悪いステージは、キジにつかまって空を飛べば一気に進める

 テレビゲームにおいて、「難易度」はきわめて大きな要素である。

 私もゲームを買う上で、そのゲームの難易度がとても気になる。だが、買う前に難易度の分かるゲームは、ほとんどない。

 買ってから「難しくてクリアーできなかった」では嫌なので、難しそうに見えるゲームはついつい敬遠してしまうのだ。

 だから「桃太郎活劇」のように、難易度を売りにしてくれるゲームはありがたい。

 冒頭でも書いたが、難易度が低いというのはそれだけで、ゲームに興味があるけどやらない人(新規期待顧客)や、昔ゲームをやっていたけど今は離れた人(休眠顧客)にとって、大きな売り文句の一つとなるのではないだろうか。

 「2005 CESAゲーム白書」によると、新規期待顧客・休眠顧客は、合わせて約2000万人存在すると見られる。その全員がゲームの難易度でためらっているわけではないが、難度が低くて、操作が簡単なゲームは、こうした人々をゲームに呼び戻す可能性があると思う(もちろん、難度が低くて操作が簡単なことを、広告などで積極的にアピールしなければ意味がないけれど)。

画像 かんたんモードのエンディング。「桃太郎活劇が誰でもクリアできるゲームと あなたは証明してくれました」。ちなみに、「かんたん」「ふつう」「むずかし」それぞれのモードに、別々のエンディングが用意されている

 「桃太郎活劇」のような取っつきやすいゲームが、今のゲーム界に、もっともっと増えてくれば、ゲームを愛好する人々も増えてくるだろうし、テレビゲームに偏見を持つ人も減るだろう。

 そう考えると、谷中の貧乏神の像も、ゲーム業界の進むべき道を照らし出す、福の神に見えてくるのであった。

 ……と、ここまで書いたところで気づいたが、実は「桃太郎活劇」に、貧乏神は出てこない。

 何のために谷中まで行ったのだ私は。

(C)2004 HUDSON SOFT

取り上げてほしいなつかしゲー募集

思い出のあるゲームについて、ゲイムマンと語ってみませんか? あのゲームが好きだったのに今はもう手元にない、けどもう一度見てみたい! とか、俺が好きだったこのゲームを紹介しないなんて許せない! というあなた。是非こちらから、取り上げてほしいゲームをリクエストしてください。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/25/news189.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  2. /nl/articles/2411/25/news134.jpg 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. /nl/articles/2411/26/news089.jpg 「最高の人間」 大谷翔平が現地で“神対応”見せる 写真家の投稿に反響…… 「息子はまだ信じられないみたい」
  4. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  5. /nl/articles/2411/26/news184.jpg 「中学生で妊娠」した“14歳の母”、「相手は逃げ腰」妊娠発覚からの経緯を赤裸々告白 母親の“意外な反応”も明かす
  6. /nl/articles/2411/07/news027.jpg 百均で多肉植物を購入→半年以上放置してしまったが…… 驚きの結果に「すごーい!」「品種は何ですか!?」
  7. /nl/articles/2411/26/news188.jpg 「ハリー・ポッター」の“レプリカ剣”を回収 銃刀法違反の可能性か…… 運営謝罪「申し訳ございません」
  8. /nl/articles/2411/26/news052.jpg 日本に1店舗のみの“完璧なマクドナルド”が778万表示の話題 地元民も「そんなすごい店やったんか…」「たまに使ってるけどそんなすげぇとこだったのね」
  9. /nl/articles/2411/25/news193.jpg 辻希美の高2長女、「明日皆さんにご報告があります」 16歳最後の日の意味深投稿に注目集まる
  10. /nl/articles/2411/25/news160.jpg 「これを見て退団するとは……」 楽天・田中将大、最後に見せた“衝撃の姿”にファン複雑 「ほんと辛い」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  2. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  3. 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  4. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  5. 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  6. 「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
  7. 川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
  8. 大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
  9. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  10. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた