「ポートピア連続殺人事件」の舞台を巡るゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/2 ページ)

今回取り上げるのは、「ポートピア連続殺人事件」です。神戸、京都、洲本と、実在の場所が舞台となっているこのゲーム。それらの場所へ実際に行ってみて、ゲームの雰囲気を感じ取ってみました。

» 2005年09月06日 15時45分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]

ファミコン初のアドベンチャーゲーム

画像 ゲイムマン「ここが じけんの あった はなくまちょう です」

 今回は、「ポートピア連続殺人事件」の舞台となった場所を巡ってみようと思う。

 もともと「ポートピア連続殺人事件」は、エニックスがPC版で1983年に発売したアドベンチャーゲーム。1985年にファミコンに移植された。

 作者は堀井雄二氏。堀井氏の作品といえば「ドラゴンクエスト」シリーズがあまりにも有名だが、このファミコン版「ポートピア連続殺人事件」も、70万本を売り上げたヒット作だ。

画像 こちらがゲームに出てくる花隈町。実際には花隈町から海は見えない(かわりにポートタワーが見えるが)

 ファミコン版とPC版の大きな違いは、助手「ヤス」への指示(コマンド)を出す方法である。

 PC版では、キーボードから直接「キキコミ シロ」「ゲンバニ イケ」などの指示を打ち込んでいた(コマンド入力方式という)。

 これは当時のアドベンチャーゲームでは一般的な方法で、単語そのものを探すことも謎解きのひとつとしてとらえられていたのだが、キーボードのないファミコンでは使えない。

 そこでファミコン版に採用されたのが、あらかじめ用意されたコマンドの中から1つを選ぶ「コマンド選択方式」である。

 本来はPC版「オホーツクに消ゆ」用に開発されたシステムだったが、文字を打ち込む必要がなく、ファミコン向きということで、ファミコン版「ポートピア連続殺人事件」にも採用されたのだ。

 また、コマンドが最初から14種類に絞られていることで、難度が下がった。これも、初めてアドベンチャーゲームが発売されるファミコン向きといえた。

 そのかわり、「むしめがね」で画面上の証拠品を探す要素が新たに加わっている。

 その他、PC版との主な違いとしては、設定がやや異なること(俊之の住んでいる場所など)、途中に出てくる暗号が違うこと(PC版でも機種ごとにすべて違う)、そして地下迷宮の存在が挙げられる。

画像 ファミコン版にのみ存在する地下迷宮。こういうメッセージや、壁にぶつかったときのリアクションなど、「ウィザードリィ」を意識した演出が見られる

意外と神戸の観光名所に行ってないのだが……

 神戸市内でボスとヤスが訪れた場所は意外と少なく、花隈町(山川の屋敷)、新開地、そして神戸港くらい。

 北野の異人館にも、有馬温泉にも行っていないし、「ポートピア連続殺人事件」というタイトルに反して、ポートアイランドにも行ってない。

画像 ゲームに出てくる新開地。今のレーティング制度なら、これだけで18禁になってしまうかもしれない……

 行ける場所が少なかった理由の1つは、容量が少なかったからだろう。

 当時ファミコンのデータ容量は、なんと256キロビットしかなかった。32キロバイトである。

 特にグラフィックは容量を食うので、アドベンチャーゲームでは、表示できる絵の枚数が限られてくるのだ。

 DVD-ROMの容量がギガバイト(キロバイトの1,048,576倍)単位で表記される今となっては、32キロバイトというデータ量がどんなものか、想像もつかない。

 そんな制約の中で、神戸らしさを表現しているのが、事件現場となった山川の屋敷だ。

 その外観は明治時代の洋館を思わせ、港町・神戸の歴史を感じさせる。

画像 山川の屋敷は花隈町にあるという設定だが、北野の異人館街の、英国館とシュウエケ邸を合わせたような洋館

 もう1つ、神戸らしい風景といえば、やはり神戸港だ。

画像

 ゲームの神戸港からは、ポートアイランドにある観覧車がよく見えるのだが、実際の神戸港ではどうだろうか?

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/24/news092.jpg 「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
  2. /nl/articles/2412/24/news037.jpg 毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
  3. /nl/articles/2412/23/news157.jpg 【編み物】黄色の毛糸で5つの四角いパターンを編み、つなげると…… 鮮やかな大作の完成に驚き
  4. /nl/articles/2412/24/news089.jpg 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」【大谷翔平激動の2024年 愛犬もすっかり“大スター”に】
  5. /nl/articles/2412/23/news078.jpg そば屋の看板のはずが…… 雪で“別の店”みたいになってしまった光景が北海道の豪雪のすさまじさを物語る
  6. /nl/articles/2412/19/news140.jpg 甥っ子に貸したらボロボロの廃車で返ってきたリトルカブ バイク好きの本気修理と“思い”に「なんか涙出ちゃう」「思わず全部観てしまった」
  7. /nl/articles/2412/22/news047.jpg 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  8. /nl/articles/2412/24/news010.jpg 酔った彼女に花束を渡してみたら…… まさかの行動が660万表示「躍動感エグいwww」「ずっと待ってたんだよ、きっと」
  9. /nl/articles/2412/24/news042.jpg 絵師が4年間イラストを描き続けたら…… 劇的な成長に思わず感動 「努力の賜物」「素晴らしい」
  10. /nl/articles/2412/24/news017.jpg ワンコのために中古住宅を購入した女性、寝室をDIYすると…… ロマンティックな空間誕生に「わくわくが止まりません」「イイなぁ〜!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  3. 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  4. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に【大谷翔平激動の2024年 「お菓子」にも注目集まる】
  5. 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  6. “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  7. 「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
  8. 「昔モテた」と言い張るパパ→信じていない娘だったが…… 当時の“驚きの姿”が2900万再生「おおっ!」「マジかよ」【海外】
  9. トイレットペーパーの芯を毛糸でぐるっと埋めていくと…… 冬に大活躍しそうなアイテムが完成「編んでるのかと思いきや」【海外】
  10. “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」