Xbox 360「ライオットアクト」の開発現場を視察――GTAを作った男の最新作(4/4 ページ)

» 2005年10月05日 02時47分 公開
[加藤亘,ITmedia]
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シンジケート

 プレーヤーは街に潜むシンジケートのトップを捜し出し葬るという目的がある。ギャングの総元締めとして存在するシンジケートは、ゲーム中に3つ存在。それぞれに下っ端から幹部、そしてリーダーがいる。このシンジケートを壊滅させるためにプレーヤーは、様々な手段を使って弱体化をはかる。

 シンジケートは、スペイン語で“死”の意味を持つ「ラ・ムエルタ」(La Muerta)、ロシア語で“狼”と訳される「ザ・ヴォルグ」(The Volk)、そして中国語で“地獄の神”もしくは“死神”の意味を持つ「カイ・シェン・コーポレーション」(Cai-Shen Corporation)の3つ。それぞれ数千のギャングたちで構成されており、それぞれ得意分野を持つ7人の幹部によって取り仕切られている。幹部は例えば銃器であったり、車であったり、情報であったりをコントロールしており、幹部を倒すことでその組織はその分野での力を失うことになる。エージェントに特殊な力があるように、彼らは“専門としている分野”に秀でているという設定だ。

プレーヤーが彼ら幹部を、そしてゆくゆくはトップのボスを倒さんとしていることは相手にもバレているので、街中で油断はしていられない

 幹部が取りまとめるシンジケートの力の象徴は、武器、車、情報、肉体、リクルート力、麻薬、そしてボスの持つ組織力。車を取り仕切っている幹部を倒すと、ギャングたちへの車の供給がおぼつかなくなり、麻薬を取り仕切る幹部を倒すとプレーヤーが強化されたりと世界に変化を与えることになる。最初弱い武器しか持っていないプレーヤーも、徐々に強くなっていくのはこういう理由もあるという。

  • ラ・ムエルタ(La Muerta)

 スペイン語で“死”の意味を持つラ・ムエルタ(La Muerta)は、特に車と肉体的に強い特徴を持つシンジケートである。肉弾戦を得意としている。ラ・ムエルタ(La Muerta)は、下層地域を活動の場としており、クラシックアメリカンスタイルの車を好んで使用している。

  • ザ・ヴォルク(The Volk)

 ロシア語で“狼”と訳される「The Volk」は、武器や爆発物に強い。中層レベルの場所に住んでおり、炭坑や油田といった工業地帯を縄張りとしている。彼らは直情的で、あまり深く考えない性格なようで、プレーヤーがちょっかいを出すと、すぐムキになって向ってくる傾向があるとのこと。このように、それぞれのシンジケートによっての性格づけも細かく設定されている。

  • カイ・シェン・コーポレーション(Cai-Shen Corporation)

 中国語で“地獄の神”もしくは“死神”の意味を持つ「Cai-Shen Corporation」は、政治にも関与する秘密組織といった設定。テクノロジーを武器とし、街の中心地・高層ビルのあるオフィス街を縄張りとしている。非常にインテリジェンスで、手下が何人倒されようが冷静に対処を施してくるという。ある日突然、遠くから狙撃される……なんてこともあるかもしれない。どのシンジケートから倒していくかも、ゲーム展開に関わってくる要素となる。それぞれのシンジケートは3者3様の特性を持つことが分かってもらえただろうか。

 彼らシンジケートの識別という点では、音声からのアプローチもされている。それぞれシンジケートが支配するエリアに入ると、音楽も変化するという。ラ・ムエルタならばスパニッシュ系、ザ・ヴォルクならばロシア系、カイ・シェン・コーポレーションならばチャイニーズ系と、さまざまな楽曲を用意。どの地域にいるか感覚的に確認することができる。

ギャングカー

 エージェントがカスタマイズできる車を持っているように、ギャングたちも車を持っている。ギャングたちの車はシンジケートごとに特徴があって、ゲーム中どこの所属の車かわかるようになっている。

 ゲーム中の車は一般人、ギャング、そしてエージェントの車と3つに分類されており、種類は60種類ほど。プレーヤーはもちろんギャングの車を奪って乗ることもできる。

こちらがギャングたちが乗る車。それぞれコンセプトがあり、こちらもスポーツカータイプやSUVタイプなどがある。左下の車などは日本車という設定らしい
もちろんギャングカーもモノに当たったりすると壊れていく。バンパーやタイヤなども分解したのちは武器となる。中にギャングを乗せたまま持ち上げて投げれるようになると、なんでもありの力を手にいれたということらしい

 エージェントカーも含め、エンジン音は本物の乗用車から採取。30種類の車から録音されている。車の中で音楽がかかっていた場合、ドアを締めていると低く響く程度だったものが、ドアを開けると音量が上がるなどのリアルの追求は当然なされている。現実にそこにいるかのように思えるよう音響にもこだわっている。

その他のキャラクター

上段左からassasin、Swat、DefenceSquad、中央左からSciFem、rafael、Defence、下段左からquick、intel、Snatcher。今のところ、誰がどこのシンジケートの所属なのか、それとも一般市民なのかどうか判明していない

最後に

 インタビューの最後にジョーンズ氏は、この作品が日本人に受け入れられるかどうかと投げかけた。この質問は至極当然のことで、開発者としたらやはり気になるところだろう。Xbox 360で開発を進めている「ライオットアクト」だが、やはり次世代機ではネットワーク構想に重きを置いていると語る。「SCEのプレイステーション 3は、きっと中身を知り何ができるかを把握できれば難なく開発できると思うが、現段階では何もわからないし難しい機械といった印象。任天堂のレボリューションに関してはまだ本当にわからない。だから現状ネットワークが面白そうなXbox 360を選択したんだ」と次世代機を比較する。Xbox 360だからこそ、これほどのキャラクターと街を構築できたとも説く。

 日本でのヒットはやはり単純な話、Xbox 360がどれだけ普及したかにかかっている。「ライオットアクト」が発売された時に、どれだけの台数を出荷しているのか……。日本での発売日と価格が発表され、東京ゲームショウ2005では多くのタイトルがプレイアブルで出展されるなど、いよいよ次世代機関連が騒がしい。現在、アムステルダムにて行われているXbox 360の欧州向けプレスイベント「X05」が開催されている。「ライオットアクト」に限らず、Xbox 360タイトルの新情報が多数発表されているだろう。

(C) 2005 Microsoft Corporation. All Rights Reserved.
※画像は開発中のものです。


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