イ・ビョンホン氏「ゲームのキャラクターになりたかった」――「LOST PLANET」制作発表会(2/2 ページ)
イ・ビョンホン氏がゲームへ初参加、その感想は……
Xbox 360だからできる最高峰のグラフィックと、リアリティを持ち合わせたタイトル「ロスト プラネット」。会場で上映されたプロモーションビデオは、まだ開発段階とはいえ“さすがは次世代”と思わせてくれるものに仕上がっていた。ただし、本作のウリはそれだけではない。何と主人公のモデルに、韓国の人気俳優であるイ・ビョンホン氏を起用しているのである。
イ・ビョンホン氏の起用について稲船氏は、「ロボット(VS)とエイリアンが出てくるゲームですが、その点だけに注目してほしくなかった。ストーリーもかなり凝ったものを用意していますし、人間ドラマもしっかりと描いているんです。ただ、『鬼武者』でも感じたことですが、人間ドラマを伝えようとした場合、人間の生の演技であったほうが伝わりやすい。どうしようかと考えていた時に、イ・ビョンホンさんがゲームに興味があるという噂を聞いたんです。そこからコンタクトを取らせていただき、お会いした時には“すごくゲームが好きだ”と興味を持っていただいて、これなら一緒に仕事ができると考えました」と語る。
一方のイ・ビョンホン氏も、「私は本当にゲームが好きなんです。特にアドベンチャーが好きで、『鬼武者』や『バイオハザード』など、数カ月のめり込んでプレイしたこともありました。その時に常に感じていたのは“自分がゲームのキャラクターになれたら楽しいだろうな”というものでした。そんな時に稲船さんから今回のお話をいただきまして、プロジェクトに参加することになりました。すばらしい偶然の一致だったと思います」と、相思相愛のもとプロジェクトがスタートしたことを明らかにしてくれた。
その後のステージでは、3Dスキャンでイ・ビョンホン氏の顔モデルができあがるまでのメイキング映像が上映される。終始笑顔のイ・ビョンホン氏が映っていたのだが、どうやら本人も気になったようで、「ずっと笑っているのは、(ゲームの開発機材が)とにかく不思議なものだらけで、驚いて笑っているんです。中には正面から1枚撮影しただけで、後ろ姿の映像も作ることができるというものもありました」と説明するなど、ゲーム制作への参加が、とても楽しいものとなっている様子がうかがえた。
とは言え、楽しいばかりではなく、苦労している点もあるとイ・ビョンホン氏は語る。「映画ならストーリーが決まっていますし、そのシーンの雰囲気や相手役も目の前にいます。状況設定が分かったうえで感情移入できるのですが、今回は見て分かる通り、私はずっと座っている状態。スタッフから“ここは笑ってください”、“相手を信頼している表情で”と言われるのですが、私自身はただ座っているだけなので、これには戸惑いながら演技をしました」
ただ、この問題も“こじつけでも良いのでディテールを詳しく教えてください”とイ・ビョンホン氏がお願いし、スタッフが細かい説明を行ったことで解決したという。これには稲船氏も、「こちらが求めるというよりは、微妙な表情のひとつをとっても“これはどのような感じで演じたら良いでしょうか?”とイ・ビョンホンさんのほうから聞いてきてくださって。演技に対する真剣さと感じました」と絶賛。さらに「これからのゲームでは人間ドラマという部分をしっかりと描いていきたいと考えています。ドラマや映画で活躍している方に参加していただいているからには、よりそれに近づく形にしていきたい」と述べた。
最後には、イ・ビョンホン氏が「このタイトルに私がほれこんだのは、好きなジャンルであり、ストーリーを聞いた時に“普通よりもはるかにすばらしい、まるで1本の映画を見るような思い”を感じたことにありました。これは本当に映画にしてしまっても遜色のない、完璧なすばらしいものになるのではないかと期待しています」と笑顔で語れば、稲船氏も「イ・ビョンホンさんにここまで褒められたんですから、これまで以上にがんばって制作します」と笑顔で対応。ビッグプロジェクトの船出は順調のようだ。
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