“エブリパ”でオンラインデビューすることは、この上なく幸せなことである「エブリパーティ」レビュー(2/4 ページ)

» 2006年01月12日 12時00分 公開
[小泉公仁,ITmedia]

多種多様なルーレットと“ちからっ子”の存在が痛快

 ゲーム本編の基本的なルールはすごろくと同様で、順番にルーレットを回して、一番に“あがり”マスに止まった人が勝ち。ルート上には、メダルやルーレットを獲得できるマスや、先のマスへ一気に進むといった特殊効果をもたらすマスなどが配置されている。

画像 マップ上で、青色のマスはメダルを獲得できるなどの良い効果をもたらし、赤色のマスは後ろに戻されるといった悪い効果をもたらす。たとえば、メダルマークに「2」と書かれた青色のマスは、そこに止まるとメダルを2枚獲得できるという意味。マップも多彩で、分岐ルートがあるものや、一定の条件(メダルを7枚以上持っているなど)を満たさないと通り抜けできないものもある

 おもしろいのは、ルーレットの種類が37種もあって、出目や確率が異なるということ。さいころと同じく出目が1から6までの“きほん”ルーレットのほかに、1と5のどちらかしか出ない“いちご”や、盤面のほとんどが1で占められている“1すすみたい”など、実にバラエティに富んでいる。また、ルーレットの中には、一度使うとなくなってしまう使い捨て型や、使用の際にメダルを消費するコスト型もある。運に頼るばかりでなく、多種多様なルーレットの効果や確率の違いを考慮しつつ、どのように使い分けるかという戦略性も含み持つ。

画像 1から6までの“きほん”ルーレットは全プレーヤーが常に所持しており、そのほかに最大で4つのルーレットを持つことができる。たとえば、この“だっしゅ”は、メダルを1枚消費する代わりに、最高で8マス、最低でも4マスは進むことができる

 もう1つ、このゲームで特徴的なのが“ちからっ子”の存在。これは、プレーヤーの手助けをしたり邪魔をするサブキャラクターで、なるたけ多くの“ちからっ子”を味方に付けることでプレイを有利に進めることができる。たとえば、自分が配置した“ちからっ子”のマスにほかのプレーヤーが止まると、メダルやルーレットなどを横取りしてくれたり、後ろのマスに戻らせたりする。

 この“ちからっ子”たちが個性豊かで、その風貌といい会話といい、とにかくユニーク。たとえば、独自のことわざを作り続けているという「加字山作字郎」のいるマスに止まると、「はんがくセールは昨日」などとわけのわからないことわざを聞かされた挙げ句、次のターンではあらゆるコストが倍額になってしまう。ただ、“ちからっ子”から何かいやなことをされても不思議と憎めないあたり、さくらももこキャラの真面目といった印象で、エブリパーティならではのゲーム性や雰囲気を決定づけているように思える。

画像 「神のちからっ子新聞」でおなじみのキャラクターたちが、プレーヤーを手助けする“ちからっ子”として登場。どんな効果を発揮するかはキャラクターごとに決まっているが、誰が出てくるかは配置してみるまでわからないところがミソ

 さらには、折々に挿入されるミニゲームも、単調になりがちなボードゲームにアクセントを添える。大別すると、ランダムで発生する「ノーマルミニゲーム」、マップ上のある地点を通過すると始まる「イベントミニゲーム」、特定の“ちからっ子”がいるマスに止まるとプレイできる「ちからっ子ミニゲーム」の3タイプがある。オーソドックスなアクション系あり、記憶力を求められるものありと、種類もいろいろ。ミニゲームというと“箸休め”のような印象も受けるが、エブリパーティのそれはひとつひとつがよく練られた内容で、シンプルながらとても楽しい。

 ミニゲームで勝利すると、メダルやルーレットがもらえるなどのご褒美があるので、その後のプレイで有利に立てる。そうなると、対人戦ではミニゲームに強い人だけがすごろくでも常勝となってしまいそうだが、ミニゲームの中には初めてプレイした場合でも勝てるチャンスがあるものも多く、上級者の一人勝ちにはならない。

画像 ノーマルミニゲームの1つ、「おぼえておかたづけ」。棚から落ちたものを元の場所にしまうというゲームで、記憶力と素早さが要求される。時折、猫がやってきて、せっかく片付けたものを落としてしまうので、猫を追い払いながらテキパキとしまっていくのがポイント
画像 こちらは、アイスキャンデーのバーに「アタリ」と書かれたものを早押しで選ぶというノーマルミニゲームで、その名も「あたりかも〜アイス」。ところが、“ア”の文字が見えて「これだ!」と思いきや、実は「アタマがいたい」だったり、「ハズレ……ません」(=アタリ)なんてものも……

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