サッカーの面白さそのままに、しっかりとゲームに変化させる――これぞ“任天堂マジック”「スーパーマリオストライカーズ」レビュー(2/4 ページ)

» 2006年02月01日 14時10分 公開
[磯野正学,ITmedia]

反則を気にしなくていいという爽快感

 普通のサッカーゲームで重要なテクニックとなるのが、“いかにして相手からボールを奪うか”ということ。相手にボールを取られないようにするのは簡単だが、ボールを奪うのは少々難しい。

 また、反則になる、ならないの目安をつかむまでは、タックルやスライディングで数多くの警告を受けてしまうという人も多いのではないだろうか。当の筆者も、サッカーゲームで退場者を出しすぎて試合不成立になった、というホロ苦い思い出をトラウマのように抱えていたりする。

 しかし本作では、ボタン1つで簡単にボールを奪えるうえに、何度も述べているように、反則がいっさいないので相手にガンガン当たりにいける。リアル追及派のサッカーゲームでフラストレーションをためていた人には、もってこいの作品と言えるだろう。

 相手からボールを奪う手段は、スライディングとアタック、「こうら」などのアイテム使用の3つがあるが、どれも相手を吹き飛ばすアクションばかりだ。特に相手に体当たりをして吹き飛ばすアタックは、通常のサッカーなら1発退場間違いなしのラフプレイだが、本作ならまったく問題にならない。

photo すきの少ないスライディング。カウンターにはうってつけのテクニックだ
photo 近くの相手に向かって突進するアタック。間合いが広いので使いやすい
photo アイテムの種類によって性能が違うが、ボムへいなら複数の相手を一度に吹き飛ばせる

 3つのアクションにはそれぞれ特徴がある。スライディングは、ボールを奪ったあとにすぐ次の行動に移れるのが長所だが、相手に接近しないと届かないというのが短所だ。アタックは、少々離れた間合いからでも相手に攻撃を加えることができ、吹き飛ばしてしばらく行動不能にさせることが可能。ただし、相手がボールを持っていた場合、一緒にボールも吹き飛んでしまいやすいという面もある。アイテムは、相手を吹き飛ばすこうらやボムへいなどのアイテムを持っているときにしか使えないが、こうらなどはかなり遠くからでも使えるので便利だ。

 それぞれ特性が違うが、筆者はアタックだけでも十分に戦うことができた。とはいえ、相手のゴール前で相手を吹き飛ばすとボールも吹き飛んで、こぼれ球をゴールキーパーに捕られてしまう、ということも多かったように思う。危険なゴール前ではスライディングにするくらいの使い分けができるようにはなっておきたいところだ。

 また、こちらが自由に攻撃できるということは、相手も相当な勢いでこちらに攻撃してくることを忘れないようにしたい。シュートチャンスにアタックで吹っ飛ばされたりするとかなりヒートする。そんなときこそ、冷静さが大切……なのは分かっているのだが、やはりやり返したくなってしまう!!

photo ボールを持っていない相手に対してアタックやスライディングをすると、相手にアイテムを取られてしまうので無差別に攻撃するのは危険だ
photo アタックで相手を壁にぶつけると、電流でしびれさせることもできる

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