身体をリズムに乗せて、指先をリズミカルに心踊らせ「リズム天国」レビュー(1/2 ページ)

リズムに乗って操作するだけという、簡単なルールが斬新なGBA用タイトル「リズム天国」。「メイドインワリオ」などと同じ脱力系かと思いプレイしてみると、見た目はそうでも中身は全然違うものだった。で、その中身は?

» 2006年08月21日 00時00分 公開
[篠崎薫,ITmedia]

これまでにない、リズムのみに焦点を当てたユニークな1本

 今ではすっかりお馴染みとなったいわゆる“音ゲー”だが、リズムアクションと呼ばれるジャンルができたのは、そんな昔のことではない。プレイステーション用タイトルとして発売された「パラッパラッパー」に、その起源を見ることができる。これ以前にも、リズムに合わせてボタンを叩くと言った類のゲームもあったが、1ジャンルとして確立させたのは「パラッパラッパー」であることに異論はないだろう。

見た目がシュールな「リズム天国」。これまでの音ゲーと比べると、明らかに雰囲気が違うのが分かるだろう

 ジャンルができてから10年も経過していないが、その間に様々な音ゲーが登場した。中でも大ヒットとなったのが、曲に合わせてボタンを叩いていくという、コナミがリリースしている一連の「ビーマニ」シリーズだろう。これらは、シリーズを重ねるごとに洗練されていったものの、時期を逃すと取っつきづらいタイトルであったため、プレイしていない人もいるのではないだろうか。そのため気づけば、難しい譜面をミスなく叩きまくるのが音ゲーの本流となっている中、そのアンチテーゼとして現れたとも思えるのが、この「リズム天国」だろう。音楽を司る3要素「リズム」、「メロディ」、「ハーモニ」のうちの“リズム”にのみ焦点を絞り、誰もが手軽にプレイできるようにしたタイトルだ。実際、そこには敷居を下げるための、様々な工夫が凝らされていた。

ほとんどのゲームは、ワンボタン操作で、誰もが手軽に、すぐに遊べる

 中身は、数多くのミニゲーム集で構成された感じになっている本作。最初はステージ1-1しかプレイできないが、ランク平凡以上でクリアすると次のステージが表示され、新しく遊べるようになる仕組みだ。これを5回繰り返すと、1-6にこれまでの復習ステージとなる“リミックス”が出現。無事にクリアすれば、2-1が出現する。なお、ランクは“やりなおし”“平凡”“ハイレベル”の3種類。ハイレベルをゲットすればメダルがもらえ、後述するミニゲームなどが遊べるようになる。

一見すると力が抜けてしまうようなイラストだが、中身はかなり本格派。リズム感を養えることは間違いない
リミックスでは、それまでに出題されたミニゲームがシャッフルされて登場する。毎回順番は同じだが、唐突に違うゲームに変わるので、しっかりとやり込んでおかないと操作にとまどうことがあるのが残念
3段階あるランクのうち、ハイレベルの評価を得られればメダルゲット。序盤のゲームではハイレベルを出すのが難しいが、後半に行くと思ったよりも簡単に取れる

 ステージ数は全部で48あるものの、1ステージのプレイ時間はどれも3分以内と短いため、ちょっとした空き時間にプレイできるのは非常にうれしい。しかも、どのステージもルールは単純で、基本的にはリズムに合わせてボタンを叩くだけ。手順が決まっている場合は、事前に簡単な説明が挿入されるので、迷うこともない。ただし、48あるうちのいくつかは、序盤に出てきたものの難易度が上がったバージョンになっているものなので、実質的には30ちょっとのバリエーションと言えるだろう。

 どれも、リズムに合わせてボタンを押すのには変わりないが、その中身を分類すると大きく3種類に分かれる。1つは、一定のリズムを最後まで刻み続けていくもの。もう1つが、タイミングを合わせてボタンを押すパターンで、最後が曲のリズムに合わせてボタンを押す種類だ。最初のパターンに当てはまるのがウサギ飛びやナイトウォークなどで、ほかのゲームはどちらかというと、残りの2種類に大別される。とはいえ、そのどれもが一定リズムに沿ってボタンを押すだけなので、老若男女誰もがプレイできるはず。頭の中でリズムを刻みながらボタンを叩くのもいいし、身体を揺らしてリズムを取りながら、ボタンを押すのもいいだろう。一部のゲームでは、ちょっとしたボタン連打を要求されたり、A、Bボタンに加えて十字キーでの操作も求められるが、何とか操作にはついて行けるだろう。

ルールが単純なだけでなく、見た目もユニーク。それでいて、中身はしっかり作られているのだから、これには恐れ入る
少しでも複雑なゲームでは、最初に手順を教えてくれる。しかし、それをきちんと覚えないことには操作を失敗してしまう。特に、スペースダンスには悩まされっぱなしだった
意外に忙しいのが、序盤に登場するリズム脱毛。ヒゲが連続して並んでいるところでは、リズムに合わせてAボタンを連打。実はこれが難しい

最初に見たときは、本当に驚いた。ただし、非常にノリの良い曲なので、プレイするにはピッタリ。曲自体も覚えやすいので、身体にすぐに染みつくかも

 なお、リミックス3や4では、作詞作曲をつんく♂が担当している曲が流れる。しかも、リミックス3を歌うのは、アキバ系アイドルとして有名な時東ぁみ。これまでの任天堂ソフトからは考えられないような人選だけに、正直初めて見たときには我が目を疑ったほど。しかも、1曲丸ごと入っているのだから、それにも驚かされた。音質的にはちょっと厳しいと言わざるを得ないが、彼女やつんく♂のファンだというのであれば、これだけでも買いかもしれない。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2407/24/news014.jpg 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  2. /nl/articles/2407/25/news017.jpg 「これが生えたら庭終了」 プロも降参する“何をやっても全部ムダな最恐雑草”の正体が400万再生「ほんとこれ厄介」「土ごと変えないと不可能」
  3. /nl/articles/2407/26/news151.jpg イトーヨーカドー春日部店が閉店へ 「クレヨンしんちゃん」に登場するスーパーのモデル 「残念」「寂しい」惜しむ声
  4. /nl/articles/2407/25/news012.jpg 夜、山中の側溝をのぞいてみたら…… 思わず声がもれる“あらぬ生物”の姿に「ヤバいw」「生で見てみたい」
  5. /nl/articles/2407/25/news007.jpg 水槽の中で卵を発見→慎重に見守って1カ月後…… 小さな命の誕生に飼い主も視聴者もメロメロ「まじで可愛すぎるほんとに可愛い」
  6. /nl/articles/2407/25/news138.jpg 「お父さんはママのオタクだった」 母親が「元・おニャン子」のタレント、アイドルとオタクが“つながっちゃいけない理由”を問いかける
  7. /nl/articles/2407/25/news050.jpg 「立体的に円柱を描きなさい」 中1の“斜め上の解答”に「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」
  8. /nl/articles/2401/26/news015.jpg スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
  9. /nl/articles/2407/26/news119.jpg 工藤静香、15歳の愛犬が天国へ 感謝の言葉つづるも……「泣いてばかり」「心が追いつかない」と悲痛な思い
  10. /nl/articles/2407/26/news008.jpg 外国人が来日して“3年後”…… マクドナルドの“オーダーの変化”に「胃袋が日本人のそれなんよw」とツッコミ
先週の総合アクセスTOP10
  1. プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが360万再生「凄すぎて笑うしかないww」「チーズが、、、」
  2. 6年間外につながれっぱなしだったワンコ、保護準備をするため帰ろうとすると…… 思いが伝わるラストに涙が止まらない
  3. 「お釣りで新紙幣来た!!!!!と思ったら……」 “まさかの正体”に「吹き出してしまった」「逆に……」
  4. 赤いカブトムシを7年間、厳選交配し続けたら…… 爆誕した“ウルトラレッド”の姿に「フェラーリみたい」「カッコ良すぎる」
  5. ダイソーで買った330円の「石」を磨いたら……? 吸い込まれそうな美しさが40万回表示の人気 「夏休みの自由研究にもいいのでは?」
  6. 「これ最初に考えた人、まじ天才」 ダイソーグッズの“じゃない”使い方が「目から鱗すぎ」と反響
  7. もう笑うしかない Windowsのブルースクリーン多発でオフィス中“真っ青”になった海外の光景がもはや楽しそう
  8. アジサイを挿し木から育て、4年後…… 息を飲む圧巻の花付きに「何回見ても素晴らしい」「こんな風に育ててみたい!」
  9. スズメの首は、実は……? 「心臓止まりそうでした」「これは……びっくり!」“真実の姿”に驚愕の声
  10. 【今日の計算】「8×8÷8÷8」を計算せよ
先月の総合アクセスTOP10
  1. 18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」
  2. 日本人ならなぜかスラスラ読めてしまう字が“300万再生超え” 「輪ゴム」みたいなのに「カメラが引いたら一気に分かる」と感動の声
  3. 「最初から最後まで全ての瞬間がアウト」 Mrs. GREEN APPLE、コカ・コーラとのタイアップ曲に物議 「誰かこれを止める人いなかったのか」
  4. 「値段を三度見くらいした」 ハードオフに38万5000円で売っていた“予想外の商品”に思わず目を疑う
  5. 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  6. かわいすぎる卓球女子の最新ショットが730万回表示の大反響 「だれや……この透明感あふれる卓球天使は」「AIじゃん」
  7. 「これはさすがに……」 キャッシュレス推進“ピクトグラム”コンクールに疑問の声相次ぐ…… 主催者の見解は
  8. 天皇皇后両陛下の英国訪問、カミラ王妃の“日本製バッグ”に注目 皇后陛下が贈ったもの
  9. 「この家おかしい」と投稿された“家の図面”が111万表示 本当ならばおそろしい“状態”に「パッと見だと気付けない」「なにこれ……」
  10. 和菓子屋の店主、バイトに難題“はさみ菊”を切らせてみたら…… 282万表示を集めた衝撃のセンスに「すごすぎんか」「天才!?」