連載
» 2006年10月19日 00時00分 公開

「ドンキーコング」25年の歴史ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/2 ページ)

東京ゲームショウの「テレビゲームミュージアム」というコーナーにあった「ドンキーコング」に、あらためてハマっちゃいました。考えてみればこの連載では、今年に入ってから任天堂のゲームを取り上げていなかったので、今回は私が大好きな「ドンキーコング」の魅力について語ります。

[ゲイムマン,ITmedia]

樽に囲まれてプレイしてみた

 今週は、茨城県牛久市の、シャトーカミヤにやってきた。

 「ドンキーコング」といえば樽、樽といえばワインということで、ワインの樽を目の前にして、ファミコンミニの「ドンキーコング」をプレイしたら、リアリティが感じられるかもしれないと思ったのだ。

画像 シャトーカミヤは明治36年に設立されたワイン醸造所。創設者の神谷傳兵衛は、浅草の神谷バーを造った人でもある
画像 樽の大きさはさまざまだが、ドンキーコングが投げた樽は、だいたいこれくらいの大きさだろうか?

 実際にやってみると、予想していた以上に臨場感が得られて、びっくりした。樽があることで、マリオを中心とした視点の画を想像しやすいのだ。

 「ドンキーコング」(任天堂)は、1981年にアーケードに登場したアクションゲーム。樽や段差をジャンプで越えて、コングにさらわれたレディーを救い出すのが目的だ。

 マリオのデビュー作として知られている。このゲームのジャンプアクションが、後の「マリオブラザーズ」「スーパーマリオブラザーズ」につながっていく。

画像 画面はファミコン版。1画面の中に、さまざまな場面がぎっしりと詰め込まれている

 ただし、「ドンキーコング」のジャンプは、空中で着地点を調整できない分、「スーパーマリオブラザーズ」よりちょっと難しい。

 もっとも、実物の樽を見ると、“この大きさの樽だったら、やっとのことで飛び越えるような感じになるのも仕方がないか”と思えてくる。

 1つ1つのアクションに、適度な緊迫感があって、それぞれが映画のワンシーンのような、大事な場面に見えてくる。

 1981年といえば、映画「レイダース 失われたアーク」が公開された年でもあるが、マリオもインディ・ジョーンズに勝るとも劣らない、アクションヒーローだといえよう。

ときめき「ドンキーコング」

 私が初めて「ドンキーコング」を見たのは、この連載でも再三取り上げている、マンガ「ゲームセンターあらし」の中だった。

 1982年のことだから、「あらし」の中でもかなり後期になる(「あらし」のコロコロコミックでの連載期間は1978年〜1983年)。「熱闘!!ゲーム甲子園」の回で、あらし、一平太、さとる組と、大阪代表ラジゴンチームとの、決勝戦で使われた。

 ラジコン飛行機でレバーを操作するラジゴンチーム(なぜ「ラジコンチーム」でないのかは謎)に対し、あらしは必殺技エレクトリックサンダーとグレートタイフーンで、雷を呼んでラジコンを狂わせ、勝利している。この話は、太田出版から出された復刻版では、第3巻に掲載されている。

 私はその後、地元のデパートや遊園地のゲームコーナーで、「ドンキーコング」の実物を目にすることができた。

 このゲームが当時画期的だったのは、4つのまったく異なるステージから構成されていたことだ。

 1面では、上からコングが転がす樽を、ジャンプでかわしてレディーのもとへ向かう。

 2面では、ベルトコンベアを渡り歩いてレディーのもとへたどり着く。

 3面では、上下に動くリフトをうまく利用してレディーのもとへ。

 4面では、あちこちうろつく炎を避けながら、足場となる鉄骨のボルトを外していく。ボルトを全部外せば、コングが下に落っこちて、無事レディーを救い出すことができるのだ。

画像 1面は、樽を飛び越すタイミングと、ルート選択が勝負を分ける
画像 3面(ファミコン版では2面)はタイミング勝負。飛び跳ねるジャッキをよけるのが難しい

画像 4面(ファミコン版では3面)では、炎の動きを見極めて、挟み撃ちされないように気をつけよう。厄介な最上段を先に通過しておくのがいい
画像 ボルトを全部抜くとコングが落下。レディーとマリオの間に、ハートマークが浮かぶ

 個人的には、当時まだ少なかった、“さらわれた女性を救う”という設定も気に入っていた。ぽっかり浮かぶハートマークを見て、「なんか、いいなぁ」という、ときめきを感じていた。

 ただ、ちょっと気に入らなかったのは、主人公がヒゲのオジサンだったこと。

 今でこそマリオといえばゲーム界最強のヒーローだけど、まだ小学生だった私にしてみれば、ルックスが自分とはあまりにかけ離れていて、今ひとつ感情移入できなかった。

 そもそも、当時は小学生がテレビゲームをやることは禁止されていた時代。私は遊園地のゲームコーナーで、人がプレイしているのをながめていたことはあるが、自らプレイすることはなかった。

 そんな状況だった1982年。ゲーム&ウォッチ版「ドンキーコング」が発売された。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/1605/20/news111.jpg 絶対にプラスチックのカップで「焼きプリン」を作るという執念 森永「焼きプリン」の製法特許がすごいと話題
  2. /nl/articles/2312/09/news033.jpg 13年外につながれボロボロのおばあちゃんワンコを保護 人間を信じ始める姿に涙「今まで苦労した分以上の幸せな余生を送れますように」
  3. /nl/articles/2312/10/news011.jpg 犬同伴OKのビュッフェに柴犬と行ったら…… 全く別の楽しみ方をしてしまう姿に「かわいいいいい」「気持ちよさそう」
  4. /nl/articles/2312/10/news019.jpg 入院で2週間不在だったママを待ち続けた猫、再会の瞬間…… 涙を誘う喜びあふれる“お返事”に「深い絆に涙が」「嬉しさがひしひしと」
  5. /nl/articles/2312/10/news018.jpg 同居猫のおしりを嗅いで「テメェ屁こいたなぁ!!!!!??(怒)」と理不尽ギレする猫の姿に抱腹絶倒「夜中に爆笑させないで」「名作」
  6. /nl/articles/2312/10/news061.jpg 遠藤憲一、保護犬を家族に迎える 「保護時には栄養失調と足に怪我を」悲しい過去も、ウキウキお散歩ショットにほっこり
  7. /nl/articles/2312/08/news013.jpg 愛猫が息を引き取る直前「ありがとう、楽しかったよ」と声を掛けたら…… 家族みんなが久々に集った夜の奇跡に涙
  8. /nl/articles/2312/09/news081.jpg 短編ホラーゲーム「8番出口」で“開発者も知らない異変”が発生し笑いと恐怖 「マジでホラー」「本物の『怪異』だ」
  9. /nl/articles/2312/10/news033.jpg 捨てられて真っ黒だった元野良猫が、家猫になった今では…… 真っ白で幸せいっぱいの暮らしに「ほんときれいな美猫さんに」「胸が熱くなる」
  10. /nl/articles/2312/08/news180.jpg ミス東大の水着グラビアデビューに「東大まで行って」と失望の声 本人&現役グラドルも加わるネット論争に
先週の総合アクセスTOP10
  1. オール巨人、30年モノな“伝説の1台”に自負「ここまでキレイな車はない」 国産愛車の雄姿に称賛の声「気品がある」「凄くエレガント」
  2. 「明らかに写真と違う」 東京クリスマスマーケットのフードメニューが物議…… 購入者は落胆「悲しかった」
  3. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  4. 田中みな実、“共演した姉”の存在に反響「居るとは聞いていたけど」「激似やなぁ」 すらっとしたたたずまいに「品のあるお方」
  5. 藤本美貴、“全然かわいくない値段”のテスラにグレードアップ スマホ一つでの注文に「震えちゃ〜う!」
  6. マックで「プレーンなバーガーください」と頼んだら……? 出てきた“予想外の一品”に驚き「知らなかった」
  7. 伊藤沙莉、“激痩せ報道”の真相暴露→広瀬アリスの株が上がってしまう 「辱めったらない」告白に「アリスちゃん、ええ人や〜」
  8. 「あなたは日本人?」突然送られてきた不審なLINE、“まさかの撃退方法”に反響 「センス良い」「返しが秀逸」
  9. “鬼ダイエット”で激やせの「Perfume」あ〜ちゃん、念願の姿に「着れる日が来るなんて」と大喜び
  10. 900万再生のワンコに「電車で笑ってしまった」「つられてめちゃくちゃ笑っちゃうw」 “突然魔王になった犬”に腹を抱える人続出
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」