北米のゲームプロモーションは日本と同じなのか?:くねくねハニィの「最近どうよ?」(その6)(1/2 ページ)
海外のゲーム動向で日本の市場が見えてくる。2007年もゲーム業界にするどくメスを入れるハニィの「最近どうよ?」6回目は、新年のご挨拶とともに“ゲームの売り方”についてまとめてみたのでよろしこ。
今さらだけど「あけおめ、ことよろ」でございまする。いよいよ2007年、また1つ年をとるのはイヤだけど、本年こそダイエットするぞと誓うくねくねハニィが送る、海外ゲーム市場を語る「最近どうよ?」新年第1号(第6回目)よん! 今年もどぞどぞよろしくお願いしますね。お正月は引きこもって「風来のシレンDS」をやりまくってたんだけど、おかげでお尻に根っこが生えちゃって一歩も外に出なかったわ……。あ、コンビニさまを除く(笑)。お餅の食べすぎは防げたんですが、昼夜逆転の生活が続き、再起不能気味のくねくねハニィ。「ご飯→ゲーム→寝る→ご飯」を繰り返したところ、何と3キロ増! 記事の内容を厚くするところがおなかの肉を厚くしてしまったわ。トホホ……。気を取り直して、今年も張り切って海外事情を書きまくるので、一読の程よろしこ!
1月の第2週はネバダ州ラスベガスでCESが行われていたんだけど、ハニィは諸般の事情で今回は参加できなかったの。ごめんちゃい。でも、CESではいろいろな発表があったね。昨年は大きなブースの中にひっそりあったゲームソフトコーナーも大きくなったみたい。マイクロソフトさん、ソニーさん、それぞれそれなりのスペースを取っていたみたい。家電ショーなので、大きな音を出したり、派手なパフォーマンスができる雰囲気ではないので、E3とは大きく違うよね。CESの基調講演やリポートはココを見てね〜。まぁ、ハニィは行ってないから、雰囲気が伝えられなくて残念。来年は行くぞ!
そうそう、やっと、2006年の北米市場の数字が出てきたの。北米の2006年の年間(1月〜12月)のゲーム業界の総売上額(ハード、ソフト、周辺機器を含む)は、何と125億ドル(約1兆5千億円)! 前年の2005年の105億ドル(約1兆2千5百億円)に比べると約20%の拡大が見られたのよ。すごいね〜。過去最大の伸びだそうですわ。ただし、この数字、有形のものだけでダウンロードで課金されたものなんかは含まれてないから、実際にはもっと大きくなってるんじゃないかしらん。2006年末現在で北米に出回ってるハード総計も明らかにされたんだよ!
- プレイステーション 2:3710万台
- ゲームボーイアドバンス:3510万台
- ニンテンドー DS:920万台
- PSP:670万台
- Xbox 360:450万台
- Wii:110万台
- プレイステーション 3:68.7万台
また、2006年に北米で売れたゲームソフトのトップ5は次の通り。
- 1.Madden NFL 07(PS2)/Electronic Arts:280万本
- 2.New Super Mario Bros.(NDS)/Nintendo America:200万本
- 3.Gears of War(Xbox 360)/Microsoft:180万本
- 4.Kingdom Hearts II(PS2)/Square Enix:170万本
- 5.Guitar Hero 2(PS2/Xbox 360)/Activision:130万本
12月単月の売上に関しても速報が出てきたのでお知らせしておくね。12月単月で2006年総売上の約30%弱を叩き出しちゃったみたいで、37億ドル(約4400億円)だって! 次世代が盛り上げたのは事実だけど、すごいよね!
予想通り、一番売れたハードはニンテンドーDS。160万台も売れたんだって。PSPもそれほどは負けてないぞ95万台。ニンテンドーDSはともかく、一番売れた据え置き型のゲーム機はなんと次世代機ではなく、プレイステーション 2。なんと単月で140万台も売り上げたの。続いてXbox 360が110万台。WiiとPS3はもちろんタマ不足だからなんでしょうが、Wiiが60万台、PS3が49万台とのこと。年明けはいよいよ次世代競争が激化かなぁ。プレイステーション 2がすごく売れているところを見ると、やっぱし無視できないハードだよね。
ソフトは年間トップ5に並んでる、「Gears of War」82万本、「Guitar Hero 2」が80万本、「Madden NFL 07」が73万本がランキングされてる。それにしても、Xbox 360の450万台のユーザーに対して、11月に発売されたばかりのミリオンタイトル、「Gears of War」の180万本はすごいね。3人に1人以上のXbox 360ユーザーはこのソフトを買ったってことでしょう? ITmedia +D gamesを訪れた人の3人に1人以上が「最近どうよ?」を読んでくれるといいなぁ……ってくらいすごいことよね。
さて、2006年の実績報告が長くなっちゃったけど、今回は北米のゲームソフトのプロモーションについて書きたいと思ってまする。ゲームソフトを発売するにあたり、告知したり、認知度をあげたり、ユーザー購買意欲をあげるために、CMや雑誌、Webサイトのバナー広告、または、店頭で販売する際にポスターやチラシなど(POP=Point of Purchaseというの)、様々なプロモーション手法を用いるのは日本と同じなんだけど、事情がちょっとだけ違うの。この他にもパブリッシャー独自のプライベートショーや、地方でのイベント(ほら、アメリカって広いから)などパブリッシャーがタイトルの特性に合わせて、選別したり組み合わせたりしてマーケティングプランを作り上げているのですわ。
テレビCM
日本だと現在のところ、全国ネットってものが存在していて民放と言われるものが限られた数しかないから、ある程度のCMをすれば、認知度は上げられるよね〜。でも、海外、特に北米の場合はケーブルTVってもので見ていることが多くて、これがまた数千チャンネルあるわけですわ。しかも、カテゴライズ(専門チャンネル化)されてたり、地域別のローカル局なども散在してて、全部にCMをかけるとなると莫大な費用がかかるわけで、パブリッシャーは、タイトルの特性を見て、ターゲットマーケティングをせざるを得ないわけよ。例えば、スポーツゲームならESPN(スポーツ専用チャンネル)に、アニメライセンスタイトルならCartoon Network(アニメ専用チャンネル)にってな具合で戦略を練るわけですねん。
日本では、ある程度大きな規模のCMをすれば、ゲームをやらない人でさえ認知してくれるけど、北米ではとうていムリなことなんだよね〜。「CMでやってるアレ!」ってのは日本特有だってことも知っておきたいよね。ハニィは数年前に日本ですごく有名なゲームキャラクターのぬいぐるみを持って「グッズにしませんか?」って仕事をしに北米に行ったんだけどさ。そのゲーム、北米でもミリオンタイトルだったし、テレビCMも大きくやってるって聞いてたので、当然みんな知ってるものだと思ってたんですよ。しか〜し! 北米の方々から「それ何?」の連発。あちゃ〜ってことに。認知度をあげることが非常に難しい土壌だからこそ、映画とかのライセンスものに頼ったりするっていうのも理解できるよね〜。
日本のパブリッシャーは、大きなタイトルや話題性のあるタイトルを発売するにあたって、○月○日発売! って発売前にCMを展開することが多いけど、北米の場合はそれはほとんどないのだ。ユーザーはテレビCMを見て「やりたい」と思ったらすぐにお店へ行くわけで、せっかくお店に行ってもそのタイトルがなかった場合は、機会喪失となってしまうわけっすな。ってことで「Now on sale」状態でCMが流れるのが基本。ユーザーの期待感を煽る発売前広告は、主に雑誌やWEBで行われるんですよぉ。
もう1つ、日本と大きく違うところ。たとえばアニメのライセンスゲームを発売するときに、日本だったらそのアニメの番組時間枠にCMを持ってくるのって当たり前でしょ? なんと、これが法律的にNGなのだ。ゲームだけじゃなくておもちゃとかグッズなんかもそうで、要は、アニメとかドラマとかのファンに対して、その関連品全部買ってくれ〜、と誘導するのを防ぐためらしいんだけど、これってマーケティング的には非常にイタいよねぇ。こんなことがあるので、パブリッシャーは似て非なるアニメやドラマの枠とか、その当該番組の直前直後の番組中にCMを入れたりするのよね〜。
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