ドット絵職人の技にシビれながら、果てなき数字と思考の旅へ「ピクロスDS」レビュー(1/2 ページ)

任天堂から「ピクロスDS」が発売された。ニンテンドーDSで新たな局面を見せる「ピクロス」の世界。1人でやるもよし、大勢でやるもよし、全国の誰かと対戦を繰り広げるもよし、ボリューム無限大の楽しさがつまっているタイトルだ。

» 2007年02月06日 00時00分 公開
[仗桐安,ITmedia]

お久しぶりね――定番パズルがニンテンドーDSに登場

 2007年1月25日に発売されたニンテンドーDS用ソフト「ピクロスDS」は、任天堂の「ピクロス」シリーズ最新作だ。「ピクロス」とは「ピクチャークロスワード」の略で、「お絵かきロジック」、「イラストロジック」などとも呼ばれている思考型パズルゲーム。縦と横にずらっと並ぶ数字を頼りに、マスを塗りつぶしていくのみ、というシンプルなルールながら、難易度の高いものはかなり奥が深く、高度な思考が要求される。クロスワードパズルや数独などと並ぶ定番のパズルだと言っていいだろう。

 任天堂から世に出た「ピクロス」シリーズの第1弾は、1995年にゲームボーイ用ソフトとして登場した「マリオのピクロス」だ。マリオとパズルと言えば「Dr.マリオ」などを思い出すが、この「マリオのピクロス」も当時はかなりの人気を博し、全世界合計でミリオンタイトルになったヒット作である。

 その後スーパーファミコンで「マリオのスーパーピクロス」、ゲームボーイで「ピクロス2」がリリースされた。スーパーファミコンのサテラビューで配信された「タモリのピクロス」やニンテンドーパワー専用タイトルとして発売された「ピクロスNP」というタイトルもあったが、長らく任天堂から「ピクロス」シリーズの新作は出ていなかった。長い年月を経て満を持しての登場となった「ピクロスDS」について、お伝えしていこう。

画像
画像 定番パズルがニンテンドーDSにやってきた!

今日も明日もあさっても――ピクロス三昧になれる豊富な1人用モード

 1人で遊べるモードは大きく分けて「ピクロス」、「今日のピクロス」、「マイピクロス」の3つがある。

画像 いきなり始めてもバッチリ分かるほどにていねいな説明をしてくれる

 「ピクロス」は、その名の通りに「ピクロス」を思いっきり楽しめるモードだ。「ピクロス」メニューの中には「イージー」、「ノーマル」、「フリー」の他に「遊び方」という項目がある。チュートリアルに相当するこの「遊び方」を見れば、基本的なプレイ方法は理解できるだろう。

 「イージー」と「ノーマル」は、塗りつぶすマスを間違えた場合にペナルティとして経過時間が加算されるノーマルルールが採用されている。間違えるたびに加算されるタイムは増えていくので、慎重かつ迅速にクリアしたいという思いから、ほどよい緊張感が生まれるルールだ。「フリー」では間違えてもペナルティがないフリールールでプレイすることになる。フリールールだとまったりと時間を気にせずにプレイできるが、塗りつぶしを間違えたまま進むとどこかで詰まってしまうこともあるかも。

 「ノーマル」、「フリー」の各モードはさらにレベルによって分けられており、最初はレベル1からレベル4までの問題がプレイできるが、問題を解いていくことでより高いレベルの問題も登場する。問題のボリュームは相当なものなので、1日何問と決めて少しずつ遊べばかなり長い間楽しめるはずだ。

画像画像画像 最初は10×10でプレイしてみよう。慣れてきたら15×15や20×20に挑戦だ!

画像画像画像 各レベルには果物、海の生き物などテーマが決まっていることも。クリアするとそれらのできあがったキャラがちょっとしたアニメーションで動いてくれる

 毎日本作を遊びたくなる要素として「今日のピクロス」が用意されている。これは簡単なピクロス問題をいかに早く解くかという、いわゆるタイムアタック的なモード。1日に1回しか記録を残せない上に、毎日の記録が折れ線グラフで表示されるので、自分の調子の良し悪しが1カ月単位で見られたりして面白い。しかも最初は「連続早解き」しか選択できないが、継続して何日もプレイしていくと「×なし」(×をつけられないルール)や「間違い探し」(完成図の間違いを指摘して正しい完成図にする)などが追加されていくのだ。

 いわゆる“脳トレ”系のアプローチをパズルゲームで応用したと言える「今日のピクロス」は、「今日の自分は昨日の自分に勝てるかな」という継続のモチベーションをうまく促進している。ただ少し残念だったのは、問題がランダムに選ばれるので、問題の難易度でタイムも大きく変わってくるということだ。これはゲームの特性上いたしかたないかとは思うが「たまたま簡単な問題が連続で来たからタイム更新しちゃった」というケースも出てくるので、多少運も作用してくるだろう。それを差し引いても簡単な問題を短い時間で連続で解くという作業には、どこか「メイドインワリオ」シリーズにも似た単純プレイの快感があって、筆者は毎日必ず「今日のピクロス」をプレイしてしまっている。

 「マイピクロス」には「エディット」と「クラシック」の2項目がある。「クラシック」はWi-Fi通信でダウンロードした問題が遊べるモード。そして「エディット」では自ら「ピクロス」の問題を作ることができる。タッチペンで直感的に絵を描くようにして問題を作れる上に、色塗り画面ではクリア後に表示される絵を描くこともできてしまう。例えば問題の方は単純な熊の絵が出来上がるようにしておいて、クリアしたらリアルな熊のイラストが上画面に表示されるようにするなど、色々と凝った演出ができるのだ。

 これは筆者にとって予想以上に楽しい作業で、自分がドット絵職人になったかのような感覚をお手軽に味わうことができた。1マスずらすだけでもずいぶんと絵の印象が変わることとか、細かい描写をするためには色々計算して描かなくてはならないことなど、改めてドット絵の面白さに気づかされることが多かった。人によっては、本編よりもこのモードで絵を作ることにハマってしまうかもしれない。最大100問まで保存できるのがうれしいところだ。

画像 簡単だと思って油断しているとたまにミスってしまいます。悔しい!
画像 筆者が作ってみた作品の一部をご紹介。ドット絵の楽しさと難しさを堪能できます
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/05/news100.jpg 「直ちに投稿削除を」と警告  FRUITS ZIPPERの動画巡り所属事務所が“異例の声明” 「法的措置を検討」
  2. /nl/articles/2412/05/news031.jpg 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
  3. /nl/articles/2412/04/news023.jpg 動物ギライだった父、愛猫の涙が出るほど“けなげなお出迎え”にたまらず…… グッとくる再会シーンに「こんなにされたら愛おしくて…」「鼻の下が3mくらい伸びそうw」
  4. /nl/articles/2412/01/news003.jpg パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  5. /nl/articles/2412/04/news197.jpg 辻希美の高2長女・希空のデビューについて杉浦太陽が語り涙…… 赤ちゃん時代の姿や秘蔵エピソード明かす「そういう世界に入る気ない、と言われていた」
  6. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  7. /nl/articles/2412/05/news178.jpg イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  8. /nl/articles/2412/04/news040.jpg 「戦闘機に乗って一番怖いことは?」 “予想外すぎる”パイロットの回答に「あとで怒られるw」「正直でよろしいw」
  9. /nl/articles/2412/01/news031.jpg 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  10. /nl/articles/2412/04/news196.jpg 複雑すぎて「プラモ化は無理」とするも……“エヴァチーム”が手掛けた新作ガンダムのプラモ発売に大きな反響 「この価格でこのクオリティーはすごい」
先週の総合アクセスTOP10
  1. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. 「中学生で妊娠」した“14歳の母”、「相手は逃げ腰」妊娠発覚からの経緯を赤裸々告白 母親の“意外な反応”も明かす
  4. 勇者一行が壊滅、1人残った僧侶の選択は……? 「ドラクエでのピンチ」描くイラストに共感「生還できると脳汁」
  5. 「笑い止まらん」 海外産アプリで表示された“まさかの日本語”に不意打ち受ける人続出 「何があったんだw」
  6. パパが好きすぎる元保護子猫、畑仕事中もくっついて離れない姿が「可愛すぎる」と反響 2年以上がたった現在は……飼い主に話を聞いた
  7. アグネス・チャン、米国の自宅が“度を超えた面積”すぎた……ゴルフ場内に立地&門から徒歩5分の豪邸にスタッフ困惑「入っていいのかな」
  8. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  9. 「車が憎い」 “科捜研”出演俳優、交通事故で死去 兄が悲痛のコメント「忘れないでください」
  10. PCで「Windowsキー+左右矢印キー」を押すと? アッと驚く隠れた便利機能に「スゲー便利」「知らなかった」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」