自由なカスタマイズと軽快な戦闘アクションをDSで――3人で冒険できる“協力”アクションRPG「ソーマブリンガー」レビュー(3/3 ページ)

» 2008年03月12日 00時00分 公開
[仗桐安,ITmedia]
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マルチプレイで真の“協力アクションRPG”を

画像 本編とは別にクエストが発生することもある。すべてを解決できるか?

 本作のジャンルが“協力アクションRPG”となっているのは、シングルプレイでの仲間との協力を意味するのと同時に、いや、それ以上の意味で、マルチプレイでの“協力”のことを言っているのだろう。本作では最大3人によるDSワイヤレス通信によるマルチプレイが実現している。2人でも4人でもなく、3人というバランスでパーティーを組ませるというのはユニークだ。

 本作で大事に育てたキャラを持ち寄れば、友人とのプレイも熱くなること間違いない。3人のクラスが違えばなおのことよし。回復中心に動くプレイヤー、近接武器でとにかくガンガン殴るプレイヤー、遠隔攻撃で確実に仕留めていくプレイヤーという作業分担ができれば、チームワークがいかんなく発揮される。

画像 マルチプレイの際にはキャラの配色を10通りから選ぶことができる。同じヴェルトでも配色によって印象がガラリと変わる

 マルチプレイではシングルプレイと同じシナリオを進めることができるのだが、プレイヤーごとにシングルプレイでの進行状況は違う。それを配慮して、まだ見ていないイベント、すでに見たイベントはスキップできるようになっている。また、マートルに話しかけることでトレードも可能だ。友人のキャラにアイテムやお金をあげたり、逆にもらったりできる。本作では自キャラが得意ではない武器を宝箱から拾うことが多いので、たいていはショップで売ってしまうのだが「お、この武器ならアイツにあげたら喜ぶかな……」などと考えて倉庫に預けておくというのも面白いかもしれない。ともに遊ぶ仲間がいれば、プレイのモチベーションも上がるというものだ。

物足りなさもあるが……安心して遊べる良質アクションRPG

画像 用語解説も収録されている。独特の言葉がたくさん出てくるので読んで理解を深めておくといいだろう

 世界観や雰囲気、グラフィックやサウンドなどの演出面はバツグン。豊富なクラスやアビリティ、武器や防具の数々や、2周目プレイを前提にした隠し要素、ブリキというキャラが扱うオーブ(武器に特殊能力や耐性をつけるアイテム)など、とにかくやり込み要素が多い。それでいてシステムが複雑すぎずとっつきやすいので、本作の間口はかなり広いように思う。

 元々アクションRPG好きな筆者としては、やはり戦闘の難易度に物足りなさを感じ、戦闘にマンネリ感を感じる局面もあった。だが、少しずつキャラが成長していくさまはRPGの楽しさを体現しているし、物語も戦闘もなかなかに楽しむことができた。総じて平均点以上のしっかりとしたアクションRPGには仕上がっているという印象だ。戦闘が易しいということはアクションRPG初心者でもプレイを進められるということで、その点は評価していいだろう。

画像

 本作は「ニンテンドーDSでRPGやりたいんだけど、何かあるかなあ」という人には迷わずオススメな一作だと言える。できれば回りの友人にもススメて、3人でプレイしてほしい。シングルプレイとは違う本作の魅力を感じることができるだろう。任天堂の新しいRPGシリーズとして続編にも期待したいタイトルだ。次回作ではWi-Fiで見知らぬ人と冒険に出られるようになっていたりなんかしちゃったりして、と淡い夢を抱きつつ、筆者もソーマを巡る冒険に戻るとしよう。

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