所変えても健在だったSFミステリーアドベンチャー新シリーズ第1弾:「12RIVEN -the Ψcliminal of integral-」レビュー(1/2 ページ)
哲学的なシナリオと張り巡らされた数々の伏線……。あの傑作SFミステリーアドベンチャー「Ever17」の流れを継ぐ新作が登場した。その名は「12RIVEN」。2つの視点から世界の謎に迫れ!
“永遠”から“完全”へ
「Never7 -the end of infinity-」「Ever17 -the out of infinity-」「Remember11 -the age of infinity-」。キッドから発売された3本のノベルアドベンチャーをまとめて「インフィニティシリーズ」と呼ぶ。中でも「Ever17」はゲーム史に残るタイトルだ。筆者も初めはギャルゲーのノリで「どの女の子と仲良くなろうかな?」などと気軽にプレイを始めた。しかし、次第に閉ざされた海中テーマパークからの脱出というサスペンス色が強まり、さらに世界に矛盾や違和感が見えてくる。「この空間は何かおかしい……」。そしてクライマックス。最後はプレイヤーの誰もが仰天した大胆な仕掛けで、すべての謎が解けていく。感動するゲームはいろいろあれど、鳥肌が立ったのは「Ever17」くらいだ。ネットを中心に広まり、熱狂的なファンを生んだのもうなずける。
その「Ever17」の流れをくむ新作が「12RIVEN -the Ψcliminal of integral-」。原案・シナリオは過去作と同じ打越鋼太郎氏が担当している。今回は、インフィニティシリーズがさらなる完全を目指し、「インテグラルシリーズ」と名を変えた第1弾。インテグラルを辞書で引くと「完全、積分」という意味だった。果たしてどんな謎に満ちた世界が待っているのか、ファンの期待は高まった……。
ところが、ここで大事件が起こる。2006年末、制作発表の直後に発売元のキッドが自己破産してしまったのだ。このまま「12RIVEN」は幻になってしまうのか? 筆者も含め、ファンは「何らかの形で必ず世に出ます」という打越氏のブログに望みをつないだ。明るいニュースが伝わってきたのは意外にも早く年明けのこと。サイバーフロントがキッドの版権を引き継ぐと決まり、無事「12RIVEN」がファンの前に姿を現した。
発売前にごたごたはあったが、「12RIVEN」の中身は相変わらずクオリティが高い。前作の「Remember11」と比べて雰囲気は爽やかになり、事件の結末もきちんと描かれる。恋愛色も濃くなり、エンディングが終わったあとポジティブで前向きな気持ちになれるはずだ。もちろん、シリーズ恒例の大胆な仕掛けや哲学的なモチーフは健在。アナグラムや暗号も入って読み応えがあるノベルアドベンチャーに仕上がった。
2つの視点が紡ぐシナリオ
物語が始まるのは2012年5月20日。この日は、日本の太平洋岸で日蝕の中でも特に珍しい金環蝕が見られる前日。ゲーム中に起こる金環蝕も物語のキーになっている。
今回の主人公は高校生の雅堂錬丸と公安12課所属の捜査官・三嶋鳴海の2人。ゲームはまず、両者の視点が交互に切り替わる共通ルートから始まり、ある時点から2人の個別ルート、もしくは条件が整えば解決編にあたる「∫(インテグラル)ルート」に分岐する。高校生の錬丸が事件に巻き込まれるきっかけはこうだ。
錬丸's サイド
「今日『2012年5月20日正午』……1人の少女がこの世を去る 殺されるのだ あのインテグラルの屋上で……」。錬丸は、8年前に離れ離れになった幼なじみの少女ミュウの殺害予告メールを受けて、廃墟になったホテルの屋上へやってきた。ミュウと運命的な再会を果たしたはいいが、2人は謎の力を持つ少年・霧寺メイに襲われる。どうにか逃げた2人だったが、気づくと周囲で異変が起きていた……。
このあと、まるで人間が全員神隠しにあったかのような、無人の街で錬丸編は展開する。この奇妙な街をさまよううち、錬丸は幼なじみのミュウへの想いに気づき、成長していく。どこか懐かしい青春テイストあふれる冒険ストーリーとなっている。
鳴海's サイド
「XXX Lv6 鳴海先輩 たぶんこれが最期のお願いになるでしょう。今、1人の少女が命を奪われようとしています。少女の名前は『ミュウ』 殺害の時刻はおそらく『正午』 場所は『インテグラルの最上階』……」。後輩の真琴からの意味深なメールでインテグラルへ急行した捜査官の三嶋鳴海。そこで凶弾に倒れたのはミュウではなく青い髪の少女チサトだった。鳴海はチサトを病院へ運び込んだが意識不明の重態。鳴海はチサトの弟・オメガと一緒に調査を始めるが……。
もう一方の主人公・鳴海は各種の情報収集に従事する警視庁公安12課の捜査官。一度見たものは文章でも映像でも、すべて完璧に記憶してしまうという“サイクロペディア症候群”である鳴海が、未曾有の計画に立ち向かう。どうやら公安12課にはスパイがいるという。一体誰が信じられるのか……。サスペンス色が強い、女刑事ものとしても楽しめるストーリーだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
-
「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
-
大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
-
「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
-
「大企業の本気を見た」 明治のアイスにSNSで“改善点”指摘→8カ月後まさかの展開に “神対応”の理由を聞いた
-
「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
-
松田翔太、憧れ続けた“希少な英国製スポーツカー”をついに入手「14歳の僕に見せてあげたい」 過去にはフェラーリやマクラーレンも
-
「行きたすぎる」 入場無料の博物館、“宝石展を超えた宝石展”だと40万表示の反響 「寝れなくなっちゃった」【英】
-
自動応答だと思って公式LINEに長文を送ったら…… 恥ずかしすぎる内容と公式からの手動返信に爆笑 その後について聞いてみた
-
ユザワヤが教える“引っ張るだけで簡単に畳めるエコバッグ”の作り方が100万再生 便利でかわいいアイテム完成に「何枚あってもいい」「最高です」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
- 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
- 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
- ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
- 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた